みんな元気。 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101186320

感想・レビュー・書評

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  • 自己の周囲に家族を置いて
    それとの関係に正しさを見出して駆動する作者に良くみられる形式は謎
    そこが根底であるのはなぜだろう

  • 2007年に読んだ本の中でNo.1でした。

  • 単行本『みんな元気。』より、「みんな元気。」「Dead for Good」「矢を止める五羽の梔鳥」の3篇を収録。

    『阿修羅ガール』のアイコもそうだったけど、舞城の書く女子主人公ってどうしてこんなにも身に積まされるんだろう。って云うか舞城本当は女性だったらどうしよう。とあらぬ妄想が始まってしまう位、女の子の描き方とか考え方が生々しい。
    「ぺろっとめくれて表と裏反対に……」ってならねーよ!ならねーけど何か言われてみればあーなるほど納得しちゃいそう。みたいな。

    「Dead…」「梔鳥」では文章のドライブ感を満喫。
    特に「梔鳥」の見立て?こじつけ?とにかくそれをあのスピードでやられてポカーンとするのが好きだ。

    『スクールアタック・シンドローム』に収められた2篇「スクールアタック・シンドローム」「我が家のトトロ」に比べると、こっちの方が遥かに舞城舞城していて、薦める時は相手を選ばないと……。

  • 『目を覚ますと、隣で姉の体がベットからだいたい十五センチくらい浮いている。』

    『あのさ、これ、ゆりちゃんに内緒な ー だってやっぱ可哀想だろ、夜中に浮いてたなんて。恥ずかしいじゃん』

    『昔の恋愛なんて、全部架空の話みたいなもんだからさ ー お互いが好きだったらこうなるっていう、条件結果の話だろ?恋愛のことって。好きっていう前提がなくなったら、起こったことだけが残って、起こった理由とか根拠とかなくなってるから、凄い宙ぶらりんな感じなんだよな。やっぱりいくら事実でも、それが起こるための前提とかなかったら、小説読んだのと感覚変わんないよ』

    『南田の大学時代の彼女は秋元則子って名前で、それを聞いただけで私はのりこって名前の女がいきなり全員嫌いになる。のりこなんてろくな女いないと思う。』

    『弱くないよ全然強いよ。怖いって別に弱くないんだよ秀之ぃ。歯が痛いのと一緒でさ、痛いのわかんなかったら身体の悪いところわかんないだろ? そういうのと一緒で怖いってのは大事なんだ』

    『どうせあんた、ホントはどっちでもような感じなんじゃないの?実際さ、中途半端な無気力君の脱力人生、気張って見せたって底が知れてるよ。やめとけば?みっともないから』

    『嫌なら言い返してきなよ。このままじゃまずいと思うんだったら何とかしなよ。いじいじしてたってどうしようもないでしょ?』

    『いつまでが子供なの? ー ちょっとさ、ねえ、子供っていつまでよ』

    『あんたね、子供のまんまでいたら大人になんないよ』

    『こういう泣き方をしている私は母に泣けば済むと思ってるでしょとよく言われてしまう。泣けば済むんだったらいいけど、泣いても済まなくて、それがまた悲しくてくやしくて泣いてしまう。』

    『父はハンドルに両手を置き、目をつぶっているが泣いてはいない。でも涙が流れていないだけで、本当は泣いている。』

    『欲しい物があるから欲しがるんだけど、本当に欲しいのは、同じ種類の中の、ただ一つなんだよね。種類が同じだったら何でもいいって訳じゃないんだよなあ』

    『タイミングはいつだって悪いもんだよ。』

    『もっと頑張るべきだったんだ。もっと愛するべきだったんだ。もっと考えるべきだったんだ…。』

    『恋愛に怯え、セックスに怯え、怯えることにも怯えてもうぐるぐる訳が分かんない。』

    『大体枇杷にはセックス無理なんだよ、そもそも。自分のこと傷つけるか甘やかすか、どっちかのための道具にしかなってないもん。そういうのってちょっと幼すぎるだろ』

    『みんな選んでんだよ。こういう選択いくつもいくつもやってって人生生きてんだから。首はいくつも切り落とされてんだよ。このちょっと錆びた植木バサミでちょきんちょきんとさ』

    『この世の全ては偶然と必然が同時に作用してるって知ってた?』

    『愛されている。これからいろいろあるだろうし、あるけれど、愛されて起こるいろいろだから、きっと大丈夫。でもそんなふうに言えば、実は全てがそうなのだ。みんな大丈夫。みんな元気。』

    『まだいろいろもっとたくさん選択肢はあるに違いない。いや、選択肢はもっと作ることができるんだ。まだ選択肢になってないところからもっと選べるんだ。そうして増やしたい選択肢の中から私はもっとよく考えて選べるはずだ。もっとよく考えて選んでいかなくてはならないのだ。植木バサミを振るって人の首をちょきんちょきん切るような重い決断をしていかなくてはならないのだ。でも人が人生を生きるというのはそもそもそういうことで、みんなそうやって生きているんだ。平気で、元気に、気づかずに。』

    『私は目を開ける。まっすぐ落ちる私の目の前にまず三つの選択肢。迷うことなく私は唯士に向かって手を伸ばす。言わなくちゃ。』

    【Dead for Good】
    『人間という命の長い、知性を持つ生き物は、それゆえひたすら退屈を厭い、楽しみためなら何でもする。苦しみ、悲しみ、それに耐え、悪意にとらわれ、人を騙し、殺し、それを悔やみ、惜しみ、泣き、涙が枯れた後には死のうと思い、死ななくてはいけないと思い、死ねない自分は駄目だと思うが、それらはすべてそういう気分を楽しんでるだけなので、死なない。』

    『人は自分を変えようとするよりは状況を変えようとする。』

    『死んだら永遠に死に続けて長いんだし、生きてる時間なんかせいぜい百年のもんだから、俺はひたすら生きまくるよ』

    『誰かを殺すと自分も一部死ぬ。誰かを傷つけると自分も一部傷つく。俺は長い長い自傷行為を楽しんでいる。ゆっくりと時間をかけた自殺。でも俺は俺を殺すことで、またさらに深く強く俺を殺しており、その連鎖は俺を死に対して鍛えている。俺はもう死なないんじゃないかと思う。死ぬにはもうすでに死にすぎている』

    『前にさ、すんごい何にもやることなくてさ、調布の駅のそばの八百屋の柱に貼ってあった、猫の飼い主探していますってポスター見て、一日で五匹全員、クラスの子とかから飼い主見つけてあげたじゃん?あれってゲームだったけど、あのときすんごい楽しかったし、あれで私、なんて言うか、胸があったまったんだよね。そのときだけじゃなくて、ずっと。なんかこれからもずっと安心して生きていけるって感じ』

  • 「みんな元気。」っていい言葉。

  • 文体がすき

  • 空飛ぶ家族?
    家族の交換??

    家族って愛ってなんなんだろ???

    不思議かわいいダークな世界観

  • 何やねんコレ。
    何かもう色々ぶっ飛んでる。

  • 一人の家族を取り戻すために奮闘する。みんな元気だ。

  • 純文学雑誌「新潮」における舞城王太郎の方向性。
    非常に素晴らしく、文庫としての手軽な値段は非常にお買い得。

    初めて舞城に触れる方は、こちらの作品をオススメします。

著者プロフィール

1973年、福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞しデビュー。03年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。『熊の場所』『九十九十九』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『短篇五芒星』『キミトピア』『淵の王』『深夜百太郎』『私はあなたの瞳の林檎』など著書多数。12年には『ジョジョの奇妙な冒険』(荒木飛呂彦著)の25周年に際して『JORGE JOESTAR』を刊行。近年は小説に留まらず、『バイオーグ・トリニティ』(漫画・大暮維人)の原作、『月夜のグルメ』(漫画・奥西チエ)の原案、トム・ジョーンズ『コールド・スナップ』の翻訳ほか、短編映画『BREAK』や長編アニメ『龍の歯医者』の脚本、短編アニメ『ハンマーヘッド』の原案、脚本、監督などをつとめている。

「2018年 『されど私の可愛い檸檬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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