スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.60
  • (91)
  • (162)
  • (232)
  • (24)
  • (5)
本棚登録 : 1155
レビュー : 166
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101186337

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 『《手負いの熊》って俺ら全員そうだよ。皆何かに傷付いて怒って危険な状態なんだよ』

    『部屋も人生もゆっくり悪くなるからどこまで酷くなってるんだか判断がつきにくい。』

    『お前はお前で、《学校襲撃イメクラ》楽しんでたんだろ?コスプレだったんだろ?猫殺しも小説もあの包丁も、単なる衣装だよな』

    『レスカが太陽でりえが地球なら、月は僕なのだ。永遠にりえと一緒に運動を続けるのは僕なのだ。』

    『別にいいんだよ。自分のこと好きな男の人なんて、私他にいらないもん。慎平だけでいいよ』

    『証明なんてどうでもいいよ。ホントに俺はりえのこと好きだし、好きなふりでも何でも、りえが俺に優しいなら何でもいいよ』

    『ゆっくりでいいんだよ。これ以上勉強したら、人生じゃなくなっちゃうもん。』

    『戦争のない世界。汚職のない政治。薄れない愛情。いつか必ず叶う恋。馬鹿馬鹿しいけど、そういうものってやっぱりホントは皆欲しいのだ。』

    『でも、今ちゃんと生きることを考えて、そのまま明日、明後日のことを考えていたら、いつか死んじゃうなんてこと自然と考えないだろ?…ね?それでいいんだよ。大事なのは今をちゃんと生きることと、その次のことをしっかりと考えること、そうしていれば、いつか誰かが死んじゃうなんてこと、考えなくても問題ないからね。』

    『愛している人間の言う、自分にとって「正しい」ことを目指して生きていけば、そして、そういうふうに今、今、今を生きて、明日、明後日、来年のことを考えていけば、それで僕は人生満足だ。』

    『いいやろ最後に本当のことくらい!あんたには私の身体あげるんや!心もちょっとくらいはそん中に入ってるわ!言葉くらいいいやろ他の人にあげても!』

    『杣里亜。ありがとうはいいよ…友達なんだから、できることをしたかっただけや。それができんくて、本当にごめん。それだけや、俺は』

  • 舞城王太郎 2冊目。

    この人の魅力は、
    文体もさることながら、

    みんなが真実の裏をかいて描く真実なんて嘘っこで、
    ほんとは真実ってもっとありのままなんだよ、

    てことを熱烈に語ってくれるところ。
    だと個人的には思う。

    つまり、
    「愛とは何か?」みたいなテーマにしても、
    色んな人が深く考えて語っていて、
    真実の愛とはその人のために自分を犠牲にすることだ、とか、
    例えばだけど、
    そういう第一印象とは違う愛が真実なんだ!みたいな風潮があり、
    愛は深いんだ!神秘なんだ!人間は愛する生き物だ!etc.とかとか、
    いろいろわいのわいの言う人たちがたくさんいる。

    が、彼は、

    ぐだぐだうるせーよ、
    ものすごく好きだから愛なんだよ、
    それ以上でも以下でもないんだよ。

    と、言っている。ような感じ。


    そこがすごく好き。


    それと、
    何故かはわからないけれどイントロダクションがとてもスムーズ。
    説明的でなく、すーっと引き込む。

    『虐殺器官』を読んだとき読み始めがとても辛かったので、
    余計にその「吸引力」がすばらしいなと思った。

  • 「暴力は伝播する。連鎖は止められない」ということを スマートかつ最高なネジのはずれ具合でハイスピードに提供。すごいのは、ブっ飛んでるのに彼が言いたいことはちゃんとわかることで しかもそれが哲学的なことです

  • 10年ぶりくらいだろうか。再読

    「スクールアタック・シンドローム」
    15歳の時に生まれた別居中の息子。その息子がノートに学校襲撃計画を立てているという話。一応父と息子の関係、それから「暴力は伝染する」、「過剰防衛、マタギ(攻撃者)と獲物(被害者)?」といったことがテーマなんだろうか?舞城の主人公たちは考えていることを直接的に表現するから、普通は物語の進行とか、ストーリーを通して間接的に表現するんじゃないのかな?ってことまで何だか解説してくれているみたい。
    他の作家だと説明しすぎて嫌になるようでも、舞城の作品であればそれほど気にならない。また見開き全ページ軽い調子の会話文だけで構成されているようなのも懐かしいおなじみ。
    ただ、舞城の主人公たちはいつも自分が正しいかのように振る舞う。もちろん間違っていると自覚していることもある。でも、この話でも息子は結局猫を殺しているわけだし、自分が無職であって酒に溺れてたことを、そういう時期もあるとして片付けているようにも読めないだろうか。全体を通して、なんやかんやで看過できない一線は超えてない、これでいいんだ、みたいになっているけど、結局のところ「ソマリア」の話もそうだけど倫理的にアウトなものもある。どうかなと思うものもある。スクラップの過程もないし、ビルドも他力というより自力で気づける主人公。

    「我が家のトトロ」
    本来の生活からの逃避なのか、救いなのか、そうしたものを「トトロ」と呼び、表現している小説。これも自分自身で、短編のテーマを解説しちゃっている。それとも何か別のテーマがあるのかもしれない。読後感は一番良かった。

    「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」
    暴力をさらっと描いている。救いのない話だった。ただ、「ソマリア」は何度も蘇っているし、どんな残酷さもさらさらと日常に同化していく。
    そういえばディスコ探偵でも、ある「想い」が具現化して作り出される「分身」のモチーフはあった。
    これぞ初期の舞城という感じ。主人公は本書中一番素直だったかもしれない。

  • ぎくってこれか
    作者の20年後の文体が今読みたい

  • 2018/07/15

  • 2011/04/10:「ソマリア・サッチ・ア・スウィートハート」のみ。

  •  三編収録の短編集。
     最初の二編はもっと凄い展開になるのかと思いながら読んだのだけれども、意外とまともに完結。
     それはそれで面白かったのだが、「ズボンを穿いたまま便座に座ってパンツの中にプリプリプリ~とやった」人間が主人公の割にはその後の展開は普通すぎて、ちょっと肩すかし。
    「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」は凄いなと思った。
     この作品だけであれば間違いなく満点。

  • ぬああ。

  • 文学なのか何なのか良く分からなくなってきた

全166件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』で第19回メフィスト賞を受賞してデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第16回三島由紀夫賞を受賞。他の著書に『熊の場所』『好き好き大好き超愛してる。』『ディスコ探偵水曜日』『キミトピア』など。

「2014年 『コールド・スナップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)のその他の作品

舞城王太郎の作品

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする