こわくない物理学: 物質・宇宙・生命 (新潮文庫 し 54-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101189413

作品紹介・あらすじ

生命体を刻めば、細胞、核、遺伝子…やがて炭素や酸素や水素といった元素にたどり着く。しかし、いくら元素を混ぜても生命体は生まれない。「生命とは何か」この超難問に第一線の物理学者が挑む。その挑戦は、ギリシャ哲学、古典力学、相対性理論、量子論、宇宙物理学、生命哲学を巻き込む壮大な知的大冒険となった。難しい数式なしで、哲学としての物理学を追究した画期的名著。

感想・レビュー・書評

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  • 物理学者の視点から見える生命の姿に新鮮な思いを抱いた。

  • 宇宙物理、素粒子物理、アトムなどの哲学的な物理まで網羅した一冊。が、数式とは無縁なので誰でも手に取れそう。

  • 科学は、全体を部分に分解し、その部分の総和として全体を理解しようとする要素還元主義を基礎としてきた。しかし、「要素還元主義では全体を理解することはできない」というのは、最近よく指摘されるところだ。
    例えば、生物は分解すれば、炭素や酸素、窒素という物質レベルに分解することができる。しかし、この物質を組み合せても、生命が吹き込まれなければ、生物にはならない。では、この「生命」とは何だろうか。本書では「外界から物質やエネルギーを摂取したり放出したりして、成長、自己複製する性質をもつもの」と定義しているが、大事なのはその性質はどこから生まれるのかということである。
    東洋思想では、この地球そのものが一つの生命体であると説く。さらに、宇宙そのものが一つの生命体と説く。宇宙から地球が生まれ、その地球は生命を生み出すメカニズムを持っていた。こう考えるのが合理的ではないか。

  • 読みやすい。
    以前、観察結果は観察者に左右されるという話を見て、その理由にようやく納得しました。

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著者プロフィール

志村史夫(しむら・ふみお)

1948年、東京・駒込生まれ。工学博士(名古屋大学・応用物理)。日本電気中央研究所、モンサント・セントルイス研究所、ノースカロライナ州立大学教授(Tenure:終身在職権付)、静岡理工科大学教授を経て、静岡理工科大学名誉教授。応用物理学会フェロー・終身会員、日本文藝家協会会員。日本とアメリカで長らく半導体結晶などの研究に従事したが、現在は古代文明、自然哲学、基礎物理学、生物機能などに興味を拡げている。物理学、半導体関係の専門書、教科書のほかに『いやでも物理が面白くなる〈新版〉』『古代日本の超技術』『古代世界の超技術』『人間と科学・技術』『アインシュタイン丸かじり』『漱石と寅彦』『「ハイテク」な歴史建築』『日本人の誇り「武士道」の教え』『文系? 理系?』などの一般向け著書も多数ある。

「2019年 『いやでも数学が面白くなる 「勝利の方程式」は解けるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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