兵士を見よ (新潮文庫 す 10-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (633ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101190143

感想・レビュー・書評

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  • 杉山隆男の自衛隊ルポである「兵士」シリーズのうち、空自を取材した作品。
    救難ヘリがバートルだったり、アグレッサーが新田原にいたり、いろいろ時代を感じるところもあるが、空を守る仕事をしている人たちの中身は変わらないんだろうな、と思いながら読んだ。

  • 千歳基地におけるF-15戦闘機への体験搭乗記を軸に、F-15、F-4、F-2各戦闘機のパイロット、救難隊のメディック、整備隊、消防隊、レーダーサイトでの監視など、航空自衛隊の幅広い仕事に当たる隊員の人間模様を丁寧なインタビューから再構成したもの。
    社会のどこでも、実力と運で浮沈があるのは皆同じと言えないこともない。しかし、凡人には望んでも体験できない空の上、空中で8Gや9Gという旋回時の重力に耐え、持てる知力、体力を駆使して戦技向上の訓練と突発的なスクランブルに明け暮れる戦闘機操縦者の生き様は、まさに人生を賭けるもの。男の生き様としてはまさに侍。彼らの恋人や妻の気持ちは穏やかではないだろう。他機種へ転換した操縦者、空にあごがれメディックや通信士として救難機や輸送機に乗り組む隊員、航空機を愛機として愛でる整備士の気持ちが、よくわかる。
    幸いに紛争のなかった日本に暮らしながら、目立たぬ努力を続ける彼らに敬意を払いたい。

  • 杉山隆の自衛隊ルポシリーズ・航空自衛隊編。
    航空自衛隊のパイロットにとって、F-15のパイロットになることは憧れのようですが、実際になれるのは一握りの人間のみであり、そこに至るまでの訓練は大変過酷なものだそうです。その日々の厳しい訓練の内容、危険との隣り合わせの世界をルポしたのがこの本です。著者のF-15体験に始まり、戦闘機の激しいGの世界、悲しい出来事、パイロットの日常生活や家族、米軍との関係や自衛隊のあり方まで著者の考察も含めて、自衛隊パイロットの世界を紹介しています。
    F-15の迫力ある写真を撮るために、航空自衛隊の航空祭に出掛けることがありますが、この本を読むと、年に数回のお祭りで見せるパイロットの姿と、自衛隊本来の日常業務の厳しい世界とのギャップを感じます。有事に備えて日々訓練に励むことは彼らの任務となっていますが、その訓練の成果を発揮する機会はできれば来てほしくないものです。おそらく彼らもそう思っているでしょう。

  • レビューを見たらこの手の本ばっかりですが、すきなのだから仕方が無いw。

    陸・海・空の3部作ですが、どれを読んでもリアリティがあって読み応えがあります。ボリュームもありお勧め。

    はぁ。。エースコンバットやりたくなってきた。
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    約7年ぶりに再読。(2017年4月22日)
    飛行教導隊など、今では名前が変わっているものも多いけど、十分読み応えのある本です。

  • わたしやっぱり陸上自衛隊がすきだわ・・・

  • 自衛隊ルポ第二段。
    今回は航空自衛隊。

    自衛隊の存在に思うところは人それぞれありましょうが、実際のところ、我々はどれだけ自衛隊を知っているのか。
    一人一人の隊員や部隊にスポットを当てつつ、自衛隊、そしてこの日本という国を浮かび上がらせるシリーズ。

    ところでこの本の中に出てくる飛行教導隊のオヤジ様二人が連れなって毎朝ウォーキングで基地まで行くってエピソード、なんか妙に可愛い。

  • この本を手にした時は興奮しましたね。パイロットの生活が生々しく書かれていて。購入したその日のうちにほとんど読んでしまいました。以来、時々取り出しては眺めています。飛行機の写真を撮りに行ったりしているものですから、少しはこの世界のことを知っていたつもりでしたが、外から見ていたのとはまったく異なるドラマが展開されていることが良く分かります。F15のパイロットだけでなく、救難のヘリパイ、教導隊、整備等々いろんな形で自衛隊の飛行機に関わっている人たちが登場して飽きさせません。<br>
    1998年にハードカバーで出版され、私が持っているのは2001年に新潮文庫に収められた時のもの。2007年9月に小学館文庫に収められたようです。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    戦闘機F15のパイロットに憧れ、自衛隊に入る若者は後を断たない。が、実際になれるのは、過酷な訓練に耐えた一握りの兵士のみ。しかも彼らは、実戦を想起した厳しい訓練飛行に明け暮れる。事故死の恐怖、強烈なGの圧迫…。矛盾と不安を感じながらも、なぜF15のパイロットたちは空を飛ぶのか。著者自らF15に体験搭乗して彼らの心情の奥底に迫った、自衛隊ルポシリーズの第二弾。

  • 前作『兵士に聞け』に比べると批判的な視点が殺がれている気がする。

  • 「兵士に聞け」の続編。今回は自衛隊のパイロットに取材しています。我々が知らないパイロットの苦悩や苦労を描いた内容は興味深いです。

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著者プロフィール

1952年、東京生まれ。一橋大学社会学部卒業後、

読売新聞記者を経て執筆活動に入る。1986年に

新聞社の舞台裏を克明に描いた『メディアの興

亡』(文春文庫)で大宅壮一ノンフィクション

賞を受賞。1996年、『兵士に聞け』(小学館文

庫)で新潮学芸賞を受賞。以後、『兵士を見よ』

『兵士を追え』(共に小学館文庫)『兵士は起つ

 自衛隊史上最大の作戦』(扶桑社新書)と続く

「兵士シリーズ」を刊行。7作目『兵士に聞け 

最終章』(新潮文庫)で一旦完結。その後、2019

年より月刊『MAMOR』で、「兵士シリーズ令和

伝 女性自衛官たち」の連載を開始。ほかに小説

『汐留川』『言問橋』(共に文藝春秋)、『デルタ

 陸自「影」の兵士たち』(新潮社)、

『OKI囚われの国』(扶桑社)など著書多数。

「2022年 『私は自衛官 九つの彼女たちの物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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