断崖、その冬の (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101191188

感想・レビュー・書評

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  • この著者は、やっぱり女性心理を書くのが上手いな~と思う。

    それもキレイ事じゃなく、女性の恐い面とか裏面っていうのか。

    さくさく漫画感覚で読めてよかった。

  • 導入の心情描写が凄すぎて傑作の予感…と思いながら読み始めました。短くてちょっと物足りずに終わりました。2023.9.17

  • 強引に口説かれて付き合いが始まった女性アナウンサーの枝美子、身も心も志村の虜になっていったのに、最後は志村に大きなチャンスが来た途端捨てられるという展開。ありがちとはいえ、気の毒になった。最後のシーンは読者への想像に任せるということだろうが、なんとか枝美子なら踏みとどまれると思う。

  • 濃かった。

  • アナウンサージプシーの周りの世界が冷徹な目で描かれていて、面白といえば面白いけど、登場人物の誰も好きになれない。

  • 30代の美人地方アナウンサーと若手野球選手の恋愛話。
    30代がものすごく年老いた(!?)感じのポジションで時代を感じる。
    昔は皆20代のうちに結婚してたの!?
    そういう価値観が切ないけど、日本なんだろうな~という感じ。

  • 再読。地方テレビ局の中堅女性アナウンサーの、仕事に先が見え始めた先の恋愛。
    しかし、短いひとつの恋の終わりで殺意が芽生えるのには、ちょっと・・・。

  • 林真理子さんの作品はどれも好きだが、大好きなプロ野球選手がお相手ということでドキドキしながら読んだ。
    若くて荒々しい男の描写に始終うっとりする。
    トイレのシーンや、脇毛の描写など、林真理子さんが描く男の「雄」らしさの表現は秀逸だと思う。

  • 図:再読 寒い地方の寒くて熱い女性。怖い。。

  • 地方放送局の美人アナウンサーの西田枝美子。
    34歳になりテレビからラジオへの転属の話など、
    それまでの栄光がガラガラと音を立てて崩れ落ちてきていた冬の始まりに
    一人の男性と出会い、身も心も虜になっていくお話です。

    年を重ねた女性が、それまで自分が立っていたフィールドがぐらぐらして
    その場所からの「逃げ」の意味で男性の庇護の許に行こうとした時
    男性はその行動がうっとうしくなる部分があるのかもしれません。
    それなら遊びなら遊びと言ってくれたほうが親切だったかも。

    作品中、同僚の女性とのやり取りの中でとても心に残ったフレーズは
    『女が年を重ねていくと言うこと、ひとりで生きていくということは、
    この同情という汚物をまわりから少しずつかけられていくということなのだ。
    そして惨めさの臭気を漂わせて、人の群れから離れていくのだ・・・。』

    彼女は男と出会う前の、同情をかけられる自分に戻れないと、
    彼女から離れていく男に殺意を抱くのだけれど、
    とても悲しい生き方の選択です。

    精神的に、金銭的に依存しなければいけない関係は
    どちらかが無理をしているのだから、
    遅かれ早かれ破綻することは目に見えるよう。

    でもバランスの取れた関係や生き方は難しくって
    あっちにふらふら、こっちにふらふらってなってしまうんですよね。
    それも分かる。
    過去は消し去ることは出来ないけれど、未来は自分で選択したなぁと思ったのでした。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

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