着物をめぐる物語 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 122
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101191195

作品紹介・あらすじ

華やかな歌舞伎座の楽屋に、藤娘の衣裳を着て現れる女形の幽霊。唐子の着物をほめてくれた混血の美青年が戦時中にたどった運命。夫と息子に先立たれた老女が黙々と織る越後上布。男に翻弄されたホステスが遺した大島。老境を迎えた辰巳芸者の着物への執念。畳紙に包まれ密やかに時を刻んでいた着物が、繙かれ鮮やかに語り始める…。縦糸と横糸のあやなす、美しく残酷な11の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 2017 1/3

  • 色彩豊かな小説。

  • こういう本を読むと
    何かの折に着物を着たくなる。

  • 本の帯びからもっと恐ろしい話なのかと思ったらそうでもなく。第三者からの視点で書かれているためかサラッと触れているだけの感じがした。
    自分は中古衣料に携わっており、どんな服にもエピソードがあって当たり前だと思っているので、その中でも「念」がこもってしまっている物の存在は着物に限った話ではない。
    またこの本に出てくるのは高級な着物ばかりであり普段着は無い。それをセーターやスーツと同等とするのは違和感があった。
    しかし花柳界と越後上布の話は興味深く読んだ。

  • ゴージャス、絢爛でおどろおどろしい、女と着物に纏わる短編集。着物といってもウール、木綿などお呼びでなく、ポリは論外。正絹小紋ですら怪しい。古着を「絹の死体」と称されたのは若干ショックであった。物語自体は、異世界を垣間見るようでたいへんおもしろい。

  • 着物にまつわる11編の短編集。


    語り口調で書かれている文章がとってもきれい。
    もともと着物には興味があったのだけれど、母の着物も、叔母の着物も全て譲ってもらえたらどんなにいいだろうな……とかいつの間にか考えてしまっている。
    扉の着物の写真にうっとりしてしまったり、読んでいる間にだんだん自分も着物に執着を持ってしまう感じがしました。

    ほとんどの話に死がからんでいたり、読後はすこし重苦しいです。それでも着物、着物と思うのは、着物には人を魅了する力があるんだなと思います。

    1番頭に残った話は「その六 姉妹」
    戦時中、着物道楽の姉と、姉とは正反対に真面目な妹。
    着物に親のお金もつぎ込む姉の箪笥の中身が見てみたい、着てみたいと思います。(でもこの姉の身勝手さはいけすかなかったり)
    いろいろ苦労した妹より自分勝手な姉の方がいい結婚をした時は悔しかったです。

  • 着物好きには絶対オススメ!!!

  • 資料番号:010341774
    請求記号: F ハヤシ

  • まさに着物にまつわる人々の短編集。

  • 11の短編の中で、ハッとした文章に出会った。
    『織り姫さま』という話にある“上布は若い女には織れぬ”というくだりである。
    越後上布という布が外車が一台買えるくらい高価なものとは知っていたが、
    老齢の織り子さんが極寒の季節に夜を徹して織り上げていくという。
    越後の冬である。しかも夜。その寒さは尋常ではないだろう。
    しかし冬の間に織り上げなければならない理由があるのである。

    ここに収められた11の短編に込められた女の業や執念と、
    着物という伝統文化の織りなす綾。
    着物を創る者、買う者、売る者‥それぞれの人間模様が、
    林真理子さんの熱を帯びた筆致で描かれていて惹きこまれる。
    読み終わった後、タンスに眠ったままの自分の和服の一部を洗い張りに出した。
    無性に着物に身を包みたくなった一冊。

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