- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101191195
作品紹介・あらすじ
華やかな歌舞伎座の楽屋に、藤娘の衣裳を着て現れる女形の幽霊。唐子の着物をほめてくれた混血の美青年が戦時中にたどった運命。夫と息子に先立たれた老女が黙々と織る越後上布。男に翻弄されたホステスが遺した大島。老境を迎えた辰巳芸者の着物への執念。畳紙に包まれ密やかに時を刻んでいた着物が、繙かれ鮮やかに語り始める…。縦糸と横糸のあやなす、美しく残酷な11の物語。
感想・レビュー・書評
-
着物にまつわる11の短篇エッセイ。私は着物の知識はないが、一気に読み終えてしまった。着物には呪う力、怖しい執念とか、女は着物に踊らされ、狂わされるなど、まるで薬物に溺れるかのように、魔物のような人を夢中にさせる力があるのだろうか…。怖いけれどのぞいてみたい、不思議な読後感だ。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2017 1/3
-
色彩豊かな小説。
-
こういう本を読むと
何かの折に着物を着たくなる。 -
本の帯びからもっと恐ろしい話なのかと思ったらそうでもなく。第三者からの視点で書かれているためかサラッと触れているだけの感じがした。
自分は中古衣料に携わっており、どんな服にもエピソードがあって当たり前だと思っているので、その中でも「念」がこもってしまっている物の存在は着物に限った話ではない。
またこの本に出てくるのは高級な着物ばかりであり普段着は無い。それをセーターやスーツと同等とするのは違和感があった。
しかし花柳界と越後上布の話は興味深く読んだ。 -
ゴージャス、絢爛でおどろおどろしい、女と着物に纏わる短編集。着物といってもウール、木綿などお呼びでなく、ポリは論外。正絹小紋ですら怪しい。古着を「絹の死体」と称されたのは若干ショックであった。物語自体は、異世界を垣間見るようでたいへんおもしろい。
-
着物好きには絶対オススメ!!!
-
資料番号:010341774
請求記号: F ハヤシ -
まさに着物にまつわる人々の短編集。