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- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101192239
感想・レビュー・書評
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書き込みすぎの感も。
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2011.2.28(月)。
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この作者の書く武家ものが好きなのですが、
市井ものは初めて読みました。
銚子を舞台にしたこの連作小説では、
色々な思いを抱えた人々の様子が描かれています。
登場人物に合わせて、海も表情を変えるのが面白い。 -
乙川さんが尊敬する作家が山本周五郎。その周五郎の名作「深川安楽亭」を思わせる作品です。
過去を背負った主人が営む小さな飲み屋が舞台であるいうシチュエーションもですが、常に頭上に重い暗雲が覆いかぶさっている様な雰囲気も良く似ています。
見事な情景描写です。やはり名手だった藤沢周平さんが一見さらりと描いていたのに対し、やや力が入りすぎている様にも思えますが、言葉を選びぬいた雰囲気が伝わってきます。
常に暗雲が立ち込めるような物語の中で、時々は薄い陽射しが差し込みます。というより、その薄日を描きたくて、この小説が書かれたのだと思います。それはとても爽やかで暖かくて。そして、それは物語の最後に見事に昇華されて行きます。
久しぶりに手にとることの出来た見事な時代小説でした。
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