脊梁山脈 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101192277

感想・レビュー・書評

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  • 小説というにはくどいし、研究書というには半端。作者の後書きが無かったのが残念だなあ。何が言いたかったんだろ。
    主人公は独りよがりのボンボンだし、目的がコロコロ代わる。最後にムリヤリ軌道修正したけど付けたし感は否めない。女は都合の良い人ばかり。
    日本人のルーツは東南アジア系で、朝鮮由来ではないというのは既に遺伝子から分かってるんじゃなかったか?百済などと現代朝鮮は民族が違うというのも聞いたことがあるから、古代の話を引き合いにして日鮮同祖とか言われても、そこが気になってしょうがなかった。古代日本が百済やペルシャの渡来人を政権中枢に置いていたというのは事実らしいけどもね。

  • 2017年、32冊目です。

  • 20160901 読むのが辛かった。乙川さんの本は時代物しか読んでなかったので新鮮だった。戦後の雰囲気かよく描かれていると思う。

  • 108

  • まずタイトルに惹きつけられた。

    木地師の歴史をたどる旅とその過程で巡り合う二人の女性との交流が全体の流れ。
    古代史まで遡る木地師の歴史は興味深い。が、それを受け入れ、または否定したりするだけの知識が私にないのが残念。

    舞台設定は終戦から15年間になっているが、やはり東日本大震災に読み替えるべきなんでしょう。

  • うーん、途中まですごい面白かったけど、なんか、矢田部さんが恵まれ過ぎてて、ちょっと白けてしまった。

  • 敗戦直後の日本列島を舞台に、新生を模索する日本人のあり様を描き出す。
    主人公の矢田部信幸は復員時20代にもかかわらず、戦争の影を背負っているためか、老成している。彼は、古代日本の源流へと遡行するように木地師の足跡を追いかける。それは思わぬ仕方で、天皇制ファシズム国家としての日本を相対化していく。
    信幸が出会う二人の女性は、それぞれに人生への強い衝動を抱えつつも、過去と境遇の重荷を背負わされている。そういった両義性が、物語全体を牽引していく。
    かつて1950年代に「国民文学論争」が文学者の間で展開されたことがある。論争の中で中国文学者の竹内好は、日本の民衆の哀歓をまるごと掬い上げるような作品を待望した。
    あれから60年以上の時をへた震災後の日本社会に、ようやく「国民文学」の名にふさわしい作品が誕生したことを、まずは言祝ぎたい。

  • 乙川を初めて読んだことになる。テーマの手触り、ストーリーの輪郭がくっきりとして、読者のペダンティズムも満足させるような仕掛けもあり、華もあり、重みが好きな人にも受ける、まあ、よくまとまった小説である。
    太平洋戦争をくぐった復員兵が、日本の良さを再探求しながら、戦後の生活に立ち上がっていく物語と読めるが、完全に戦後世代の乙川が、なぜこんな小説を書きたかったのかが、よくわからない。乙川がモノゴゴロついたころは、すでに高度成長期であるから。

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著者プロフィール

1953年 東京都生れ。96年「藪燕」でオール讀物新人賞を受賞。97年「霧の橋」で時代小説大賞、2001年「五年の梅」で山本周五郎賞、02年「生きる」で直木三十五賞、04年「武家用心集」で中山義秀文学賞、13年「脊梁山脈」で大佛次郎賞、16年「太陽は気を失う」で芸術選奨文部科学大臣賞、17年「ロゴスの市」で島清恋愛文学賞を受賞。

「2022年 『地先』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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