- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101194233
感想・レビュー・書評
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諸田玲子さんてあんまりしっくりこない作家さんだったけど、これは面白く読めた。
短編の連作というスタイルがよいのかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
えくぼが可愛い主人公の珠世の、おっとりとしながらも何人もの居候を抱えて力強く生きている様が好もしかった。居候が敵討ちの女剣士や豪快磊落な浪人てのも良い。
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御鳥見役とは、将軍の鷹狩りの下準備をするお役目。
じつは、幕府の密偵のような仕事も担っていた。
江戸郊外に暮らす矢島家。
お鳥見の妻・珠世は、23をかしらに4人の子持ち。旗本に嫁いだ長女・幸江には5歳の孫までいる。
小柄で丸みのある外見、いかにも優しそうでいて、しっかり者とは、理想の女性?
広くはない家に、居候が転がり込んでくる。
父と一度会っただけの浪人・源太夫が仇に追われ、小さい子供らと共に。子供の人数にさすがの珠世もびっくりだが、飢えた子供を放っては置けない。
窮状を見かねて食べ物を届けてくれる親戚もいるありがたさ。
珠世の次男の久之助は、道場で若い娘・多津に試合を挑まれる。
行く先がないと聞いて家に連れてくるが、何とこれが源太夫を仇と狙っていたのだった。
すぐに果たし合いになりそうな所を珠世が身を挺して留める。案じつつも、そのうちに多津の心が変わるようになろうかと思う。
無邪気に懐く子供らと遊ぶうちに1年もたち、多津の心も揺れ動くのだが。
隠居している父・久右衛門が以前に危険な仕事に関わったことも知っている珠世。
実直な婿の夫・伴之助はそういう仕事はしていなそうだったが、ある日ついに任じられる日が来る。
そして、消息を絶ってしまうのだ。
嫡男の久太郎も見習い役として出仕しているが…
源太夫には士官の話が持ち込まれるが?
平成13年の作品。シリーズ1作目。
作者は1954年静岡生まれ。上智大卒、外資系会社勤務ののち、96年デビュー。著書多数。 -
シリーズ全部読みたくなる。
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主人公の「珠世」さんがよく描けていますね。
この文庫本の表紙の顔に、えくぼがあるともっといい。
こうした時代劇物を読むと、いつも思います。
漢字の読みや意味をわかっていないなぁ、と。
辞書を引いて、一応正確な読みと意味を調べています。
たとえば、「深更」はなんと読むか?
「しんこう」と読むんですね。意味は、「夜更け」(よふけ)。
ただ、小説に「深更」と書かれているときに、「しんこう」と読むのは風情がないような気がしますね。これは「よふけ」と読み進めていいでしょう。 -
珠世みたいなのが母親だったらいいなあと思うくらいよくできたおかあさんで、あまりにもできすぎてて嘘くさいのが難点といえば、難点。しかし、この話もちょっと弱い・・・けど、どんどん続くようで気になる・・・けど、シリーズで買うほどか???と思って躊躇してます。旅立った男たちの行方は気になるんだけれども、でもなあ。
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地味渋ほんわか。でもそれだけじゃない。
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昨年 乱読した作家の一人,諸田玲子の作品です。
時代小説にしてはめずらしいく女性が主人公の物語。シリーズで4冊ほどあります。
「お鳥見役女房」「蛍の行方 お鳥見役女房」「鷹姫さま お鳥見役女房」「狐狸の恋 お鳥見役女房」
四十代で子供が4人おり,孫もある女房が主人公です。お鳥見役の矢島家の女房珠世。
とめどなく優しく,そしてしなやかな強さをもった母親。読んでみてほのぼのとしたものを感じました。
※お鳥見役は将軍家の鷹狩りを司り、裏で諸藩の不穏な動きを探る役目。
※5冊目が2008.11に出たそうですが,まだ読んでません。『巣立ち お鳥見役女房』 -
四十代孫あり女房が主人公の時代物ってのがまず珍しい。お鳥見役の矢島家の女房・珠世の人柄にほのぼのとさせられる。米や味噌がつきようが、家屋が雨漏りしようが、ありがたい事だと笑顔で受け入れ前へ進む心意気や良し。
とめどない優しさとしなやかな強さをもった母親像にちょっと郷愁を感じたり。シリーズものだから続編も読んでみようかな。 -
半分まで読んだ感想は、イマイチわくわく感もなく
淡々と矢島家の出来事を綴っている印象だった。
読み終わって見ると、ゆったりとした時代劇でもみているような。
ほんわかじんわり。
そんな印象である。
ちょっと違うかもしれないけど
『蝉しぐれ』とかに近いかもしれない。
親子、夫婦、家族などの情愛、
人との出会い そして別れ。
秋に読むと余計じーんとくる そんな作品。