ちよぼ 加賀百万石を照らす月 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101194387

作品紹介・あらすじ

女子(おなご)とて、闘わねばならなかった。信長と前田家に敗した朝倉家臣の娘・幾世は長じて正室まつの侍女として前田家に入り、千代保と改名。初代加賀藩主・利家に見初められて側室になり男児を産む。猿千代と名付けられた子はのちに名君・利常となるが、母千代保は人質として江戸へ向かった――。加賀百万石の礎を築き、寿福院の名で親しまれた、慈愛と情熱に満ちた女傑の生涯を描く歴史時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • ■女性の作家が女性の登場人物の視点で書く歴史小説。但し、時代が行ったり来たりするので少し戸惑いがある。
    ■加賀百万石初代前田利家に見初められ、側室となって後の第3代藩主の生母として活躍する女性の物語。ちよぼがとにかく、面倒見がいい。
    ■帯に「利家とまつ、そして知られざる女傑」とあるが、それ程勇ましい描写は作中にない。副題の「加賀百万石を照らす月」には、本を読むと意味がわかる表現だ。

  • 前田利家の側室であり三代利常の母である千代保の、少女時代から没後までを、千代保を取り巻く魅力的な人々の視点も交えて描く短編集。正室まつとの確執を題材としつつも何故か読後感の良い「おんな戦」が個人的には一番楽しめました。

  • 「でしたら、どちらが先に挨拶しにいらしてもよろしいのだはありませんか」

  • 加賀前田家初代利家の正室まつの侍女から側室の一人に取り立てられ、のちの三代藩主利常を産んだちよぼ。前田家は以後ちよぼの血を受け継いでいく。
    戦国の世にはまだまだ知らない女性がいるな、とワクワクしながら手に取った一冊。
    ちよぼの生まれた上木家は朝倉義景の家臣であったところから、一時は一家で農作業をするまでに落ちた。その後の運命的な出会いから、やがて前田家の母となるちよぼの一生は確かに強かさを感じられて印象的だ。
    ただ、願わくばその人生を時系列で辿りたかった。年代が行ったり来たりで物語に浸りづらかった。

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著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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