たくましく育ってほしい (新潮文庫 い 38-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101198156

感想・レビュー・書評

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  • (2009.12.06読了)
    動物写真家の岩合光昭さんが撮影した野生動物の親子の写真に、奥さんの岩合日出子さんが文章を添えたものです。単行本のときの題名は「親子。」(1997年7月、中央公論社刊)です。26種類の動物の親子の写真が収められています。
    野生動物の様子は、テレビや写真で見ることはできますが、実物はなかなか見ることはできません。見るためには長い時間が必要ですし、時には危険が伴います。
    とはいえ、この本のような写真を見ていると、アフリカやオーストラリアへ見に行きたくなります。行けるときが来るまでは、テレビで野生動物を見たり、このような本を見て楽しみたいと思います。

    ●アカカンガルー(28頁)
    アカカンガルーのメスは一度に三頭の子を育てることができます。この一頭はすでに大きく育ってもう母親の育児袋の外にはいますがときどきまだ育児袋を探って乳を飲みます。二頭目は育児袋にいて中に二つの乳首のうちの一つを口にしっかりとくわえます。そして三頭目には母親の胎内にあって細胞分裂中の子がいます。
    ●餌付けしたハンドウイルカ(69頁)
    1989年1月、いつも来るはずのハンドウイルカのうちの7頭がシャーク湾から消えます。死んでしまったのです。新設の水洗トイレの汚水が原因したものと聞いています。
    ●カバが一番怖い(137頁)
    アフリカの人は「カバが一番怖い」とよく言います。カバは草食動物であって、肉食はしません。それに昼間は水中にいて、陸にあがってくるのは夜になってからです。
    その日、午後からにわかに雲が多くなり、空がだんだん暗くなりました。するとカバたちは、もう日暮れになったと勘違いしたのか、沼から陸へとあがってきました。その時いきなり雲が切れ、明るい光線が降ってきました。カバたちはあわてました。急いで回れ右をしました。車は撮影中でカバと沼との直線上、ちょうど中間に止めてありました。カバたちはためらわずに真っ直ぐに沼を目指して戻ってきました。
    (2009年12月6日・記)

著者プロフィール

日本の動物写真家。東京都出身。
日本人の作品としては初めて『ナショナルジオグラフィック』誌の表紙を2度飾った。
2012年からテレビ番組『岩合光昭の世界ネコ歩き』を開始。

「2023年 『2024 岩合光昭 世界の猫カレンダー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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