- 本 ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101201917
作品紹介・あらすじ
幼い頃に家族を火事で失い天涯孤独の身となった木山慎一郎は友人も恋人もなく、自動車塗装工として黙々と働くだけの日々を送っていた。だが突然「他人の死の運命」を視る力を手に入れ、生活は一変する。はじめて女性と愛し合うことを知った慎一郎の「死の迫る人を救いたい」という思いは、無情にも彼を窮地へと追いやり……。生死を賭けた衝撃のラストに心震える、愛と運命の物語。
感想・レビュー・書評
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幼い頃、両親と妹を火事で失った青年。社会の厳しさを知りながらも、自動車塗装工として、堅実に働いていた。彼は、突然、その身体が透けて見える事で“他人の死”を知るーフォルトゥナの瞳ー能力を持つ事となる。
他人の死に向かう運命を知る事に動揺し、悩み、その意味を考え続ける。
病死も事故死もわかるので、事故の場合、その未来に関与できることになる。そして、関わった場合、自分自身の身体にダメージを受けるという設定になっている。
自分の未来を優先するか、助けたい人が現れた場合は自己犠牲とするか。幾つかの、死ぬ運命を描いて、自分ならどうするだろうと考えさせられる。
ラストのシーンは、塩狩峠を思い出しながら、フォルトゥナの瞳が無かったとしても、生死をかけて、救いたいと行動する人が多いのではないかなと思う。 -
幼少期に火事で家族を失った主人公は、孤独に慎ましく車の塗装工として働いています。ふとした時に、他人の身体が部分的に透けて見え、それがその人の死の予兆であることに気付くことから、驚愕と苦悩の生活が始まります。
ところが、同じ能力をもつ者に、死に直面した人を助けることは神への冒瀆であり、自分の命を削ることになると力説されます。さらに、心から愛せる女性と出会い、気持ちの揺らぎと葛藤が益々強くなっていくのですが、果たして主人公の選択した道は? 明かされるエピローグでの衝撃の事実とは?
フォルトゥナ(ローマ神話の運命の女神)の瞳をもつ者は、幸か不幸か? 他人の「死の運命」を見ることができる「目」、そんな「力」を使うことは善か悪か? 議論の分かれるところでしょう。〝人として〟深く熟考できる人ほど翻弄されるのではないでしょうか?
本作は、美談で感動作なのか否か、著者から大きな課題を突きつけられているような気がします。それでも、熱中しスピード感をもって読み進められたことも事実です。多くの方のレビューを読んでみたくなります。 -
他人の運命が見えてしまう力なんて、本当にあったらキツいだろうな。
読んでいて辛かった。
物語の全てがハッピーエンドとは限らないというのはわかっていても、この結末はあまりにも残酷過ぎた。 -
なんとなく結末が読めたので、読み終わりの爽快感は半減してしまった…
金田さん、地味にええ人やん。 -
今年読んだ小説で最も読みやすく先が気になり読む手が止まらない本でした。
知らぬが仏の究極系。
未来はわからないから怖い
ではない。
未来はわかると怖いんだ。
何が起きるか分からないから、
我々は希望を持って生きていける。
死とは。。。 -
慎一郎が切ない。偽善か?とも思えることでも、突き動かされるように行動してしまい、時に後悔をする。それが命がけのことなら尚更切なく悲しい。
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久しぶりの百田尚樹
グッと引き込まれる、つかみはokの書き出し
中だるみも全くなく、最後までまでどんな展開になるのか、早くページをめくりたくなる衝動が抑えられなかった
最後の展開は、描写されている主人公の性格から、想像通りの結末だったところも良かった
日々の判断の繰り返しが、この先の運命を形取っていく
日常の1つ1つの選択を、深く考えるようになったとしても、運命は決まっているのか?それとも変えられるのか?自分は、後者でありたいかな
フォルトゥナ、誰も運命は分からないからこそ、ギリシア神話の女神として崇められたんだなと思った
著者プロフィール
百田尚樹の作品






特殊能力は、子どもの頃からの憧れですが、
この能力は嫌ですね。
人が透明に見えること自体が恐ろしいで...
特殊能力は、子どもの頃からの憧れですが、
この能力は嫌ですね。
人が透明に見えること自体が恐ろしいです。
しかも、人の死がわかるなんて、もう、驚愕ですよね。
( ・∇・)…
お疲れ様です。
この本お読みでしたね。
そうですよね、見えるだけで無く、操作できてしまうとか、ダメージあると...
お疲れ様です。
この本お読みでしたね。
そうですよね、見えるだけで無く、操作できてしまうとか、ダメージあるとか、嫌な能力でした。
今日もたくさんいいねしていただきありがとうございます。
良い週末をお過ごしください。