フォルトゥナの瞳 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101201917

感想・レビュー・書評

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  • SF作品。オルフのカルミナブラーナを聞いたあとだったので、フォルトゥナという単語にひかれて手に取る。

    主人公はなぜ最後にその選択をしたのだろう。社会的なヒーローになれないのに、正義感だけでそこまで行動する動機はなんだったのだろうか。
    彼が子どもの頃に救えなかった家族への罪悪感なのかな。
    火事で家族を失い孤児として孤独な人生を送った主人公。大切な人の寿命を知る絶望より、寿命を知りたくない相手がいない方がより辛いと感じていたのに、幸せな未来より自分の中の倫理を貫く


    与えられなかった主人公は、自分は幸せになることなど許されないとどこかで思っていて、堕ちた元カノ?のことさえ自分のせいではないかと考えてしまう優しい人だと思う。
    できれば彼女との幸せな未来を選んでほしかったな。

  • 久しぶりの百田尚樹
    グッと引き込まれる、つかみはokの書き出し

    中だるみも全くなく、最後までまでどんな展開になるのか、早くページをめくりたくなる衝動が抑えられなかった

    最後の展開は、描写されている主人公の性格から、想像通りの結末だったところも良かった

    日々の判断の繰り返しが、この先の運命を形取っていく
    日常の1つ1つの選択を、深く考えるようになったとしても、運命は決まっているのか?それとも変えられるのか?自分は、後者でありたいかな

    フォルトゥナ、誰も運命は分からないからこそ、ギリシア神話の女神として崇められたんだなと思った

  • 死が迫った人がわかる能力を持つ主人公。
    その能力を生かして、その人を死から救おうとするが思うようにはいかない。
    死から救うこともできないのなら、一体何のための力なのか……

    ラストは衝撃でした。
    そういうことだったのね。
    文章は読みやすく、面白かったです。

  • 葵も同じ能力の持ち主だということは、何となく予想できた展開だったが、それでも慎一郎が死と引き換えに多くの人命を救うと決めた結末はあまりにも悲しい。

  • エピローグ、つまりは種明かしの部分は、「ああやっぱりそうだったか」だった(最初からそうではないかと疑っていた)が、それでもとても引き込まれる作品だった。

    この能力、辛いわ…。

    後半の彼の心中の揺れ動く描写はややしつこかった。

    それにしても、非常停止ボタンで充分だったような気がする。
    それと、彼のこの行為によって、逆に本来は死ななかなったはずが死ぬように運命を変えられてしまった人もいるはず。
    (せっかく黒川先生の体験談も聞いていたのに…)

    (作品は良かったのに「解説」がこんなにも酷い本は私は初めてだ。本作の雰囲気と余韻をぶち壊している。)

  • おもしろかったけど、運命が見えるということを使って、もっと他の展開もできそうという気がした
    人の命を助ける以外の展開を

    葵の涙のところで、この人も目を持ってるとようやくわかった

    デスノートに似てるから新しさを感じなかったらのかも

    目を持った理由や娼婦のその後など気になった

  • 途中から、きっとそうなんだろうなって思いながら読んでいたことが、やっぱりそうだった。
    自分も見えている事を告白して、2人で救わなかった事を慰め合いながら生きていけなかったのかな。これまでの二人の生き方の違いかな。淋しい結末。

  • 真面目で誠実で不器用な主人公。辛い目にあいながら頑張っているのに、こんな能力を与えるなんて、酷すぎる。でも、これがあったために、わずかな幸せを感じることができたのかなぁ?人のために、自分の命を捧げることを美化する話は違和感があるし、気持ち悪いし恐ろしい。

  • 映画が2月15日公開なので事前に読んでみた。この手の小説は一気読みしてしまう。
    葵が慎一郎を死から遠ざけようとした夜のせいで慎一郎の死が決まってしまったという、、最後のエピローグを読んで胸の締め付けがすごい。
    同じ体験から生を選ぶ者と死を選ぶ者をつくる。
    そのふたりの選択の違いはどこから生まれたのか、、、
    生に固執する理由、死を受け入れる理由をかんがえる。

  • 人の死が見える能力があっても、助けると自分の命が削られてしまう。。。
    そんな力あっても辛いだけ。
    辛い思いをして生きてきた木山を、なぜ更に痛めつけるのか。
    百田さんを呪った(笑)
    彼の選ぶ道は分かっていたけど、幸せになって欲しかった。

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「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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