カエルの楽園 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3732
感想 : 321
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101201924

作品紹介・あらすじ

国を追われた二匹のアマガエルは、辛い放浪の末に夢の楽園にたどり着く。その国は「三戒」と呼ばれる戒律と、「謝りソング」という奇妙な歌によって守られていた。だが、南の沼に棲む凶暴なウシガエルの魔の手が迫り、楽園の本当の姿が明らかになる……。単行本刊行後、物語の内容を思わせる出来事が現実に起こり、一部では「予言書」とも言われた現代の寓話にして、国家の意味を問う警世の書。

感想・レビュー・書評

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  • 次々と仲間が死んでいく苛酷な棲家から逃げ出したアマガエルたち。たった二匹の残ったアマガエルがたどり着いたのは、ツチガエルたちの平和な楽園、ナパージュ。その国は「三戒」と呼ばれる戒律が盲信されていた。しかし、ナパージュには南の崖の下に棲む獰猛なウシガエルの魔の手が迫っていた…。

    ナパージュは日本、ウシガエルは中国、三戒は憲法9条。
    そのほかも、大体この人かなというのがわかるようになっている。
    「うちの神様がこう言ってるから」は、同じ宗教を信仰する人には通じても、他宗教の人には通じない。
    「そんなはずがない、勘違いだったらいいな」の現実逃避や思考停止は、身を滅ぼすよと。
    茹でガエル状態な、日本の置かれた危機的な状況や、いずれ訪れる未来を、カエルの楽園という寓話に仕立てている。

    ただね、百田さんの主義主張や、政治的な立場は知ってるが、この本はほんとそのままカエルにしちゃっただけなんよね。
    もとはネットで公開されていた話とのことで、読みやすいのだが、あからさまな政治的な意図で書かれているから、小説として読むにはつまらない。
    最初からそれと知って読むならいいと思うのだけど。

    社会への警鐘ということでちょっと思い出したのが、清水玲子の『月の子』という漫画。切ないラブストーリーだと思って読んでいたら、ラストが現実への強烈な皮肉で驚いた。初めて読んだのは20年以上前だったけど、あの時の呆然とした気持ちは忘れない。
    これも、本当にカエルの国の話だと思って読んでいたら、最後に、実は現実社会への警鐘だったんだ…!!と気づくような仕掛けであれば良かったのになと思う。そうしないと、反対の立場の人は最後まで読まないだろうし。

  • 頂き本
    一気読みしました。
    百田さんは上手いですね。
    日本のことをなぞらえているのだと、分かって読み進めました。
    自分の主張がしっかりしている人には、本当に面白く、風刺的部分にニヤリとしてしまうのでしょう。
    私は、、、。
    本や絵画など、芸術に風刺はつきものでしょうが、私には毒が強すぎるかな?という印象かな。
    百田さんの作品は、風の中のマリア が好きです。

  • 百田尚樹『カエルの楽園』新潮文庫。

    久し振りに読む百田尚樹。何とあからさまな日本の国政批判的な小説を創作したものだ。面白いことは面白いが、内容については両手を挙げて共感できるものではなかった。一種の洗脳小説と言っても過言ではない。

    楽園のナパージュはジャパン、すなわち日本で、三戒は日本国憲法の第九条か。さすがに、ここまであからさまだと下品な感じがする。もう少しオブラートに包むなり、婉曲的な表現であれば、受け入れられる可能性があったかも知れない。

    平和を求め、ナパージュにたどり着いたアマガエルのソクラテスとロベルトは難民なのだろう。ヌマガエルは在日韓国人で、スチームボートがアメリカなんだろうな。

  • 痛烈な寓話 と言うのは聞いてたケド……
    確かに!っと思う事も多々ある。
    しかし、この作品を読む層がこの本をバイブルにする様な事があってはやらないし、本質は各々が真剣に捉え 向き合う事【考える事】だと思ぅ。

    手遅れになる前に……

  • 書店に行ったときに、何か面白い本ないかなー?と見て回ってたらこの本が目についた。
    カエルが好きだからという単純な理由だけで購入したこの本。
    作者も何も関係なく、あらすじも読まず。
    いつ買ったかも覚えてない、積読エリアにいたやつ。
    楽園というからにはおもしろおかしい話と思い込んで。
    絵的にも、完全にジェレミーフィッシャーどんの頭で入ったのよ。


    でも読み進めてるうちに、ン?という違和感。
    だんだんと日本国内での問題や外交のことが連想される。


    社会情勢とか外交問題に疎くても、
    上記漢字の羅列とか、政治の難しい用語が苦手です、
    て無意識に拒否反応を起こしてた人でも(私)、
    「これって…?
    うちの国大丈夫かな、
    もうちょっと勉強しようかな」
    て思えたんだから、そういう意味でいい本と思った。
    何が正しくてなにが誤りかなんてその人の考え方次第で、
    世界でいえば悪からみれば善が悪みたいなもんだから
    何を信じるかは自分で判断するしかない。
    そしてその上でどう行動するか。


    なんとなく違和感を感じていて疑問を持ってはいるものの、その人たちの声は大きくなくて、いつも大きな声でしゃべる人たちにかき消されてしまう。
    そういうことって普段からよくあるよね。

  • 読み終わり幅広く(中学生から年配の方)多くの人に読んでもらいたいと痛感する、読み易くわかりやすい、現状と未来の本国が描かれている!櫻井よしこさんの解説を読んでもう一度読み返した、更に危機感を感じる。「日本国の本質を鋭く抉り出した名著である」:(櫻井さん談同感である)。登場カエルの設定も絶妙「ハンドレッド」になるほどと納得。

  • 他のカエルの侵略により、国を脱出して平和な世界を求めたカエルの寓話。
    スラスラと読める文体も相まってか、すぐに日本をモデルにし、憲法9条改正を題材にした物語だとわかる。

    憲法改正について知識が薄い私の目からすると、物語中盤からの、三戒賛成(護憲派)のカエルたちの卑下された表現が冗長に感じ、ラストを予想しやすい内容だと思った。(本書は推理小説ではないのでオチは重要ではないのかもしれないが)
    現在はコロナ禍で憲法改正より先にやる事があるという世論が多いようで、私自身は平和ボケな生活を疑問もなく当然の様に送っている。今、9条や平和について改めて考えさせてくれる大きなきっかけとなった。

  • 右翼でも左翼でもないけど
    今まで教育的に「争いはダメ、9条は必要。」って受けてきたからこそ、こんな考えもあるんだって学習にはなった

    安保について勉強しようって気にはなるし、何より中々面白いからスイスイ読めた

    作者の思想を全面的に支持はできないが、久しぶりに面白い一冊に出会えたと思えた

    あと解説に出てきた朝日新聞の「予言」の部分はかなりへえ〜ってなって面白かった

  • 寓話という形で、日本の問題を切り取っている。
    何が正解かは分からないけど、色んな思考があるんだなと漠然と思う。

  • カエルの楽園の後に永遠の0を読んで平和についてすごく考えた。政治的な背景と戦争のリアルな残酷さが見えてくるので、深く広がるとおもいます。
    ただ、両方読むとずっしりと重たく感じたので、読書経験として身になりましたが、時間を取れるときに短いスパンで読むのがおすすめです。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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