カエルの楽園 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101201924

感想・レビュー・書評

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  • 百田尚樹『カエルの楽園』新潮文庫。

    久し振りに読む百田尚樹。何とあからさまな日本の国政批判的な小説を創作したものだ。面白いことは面白いが、内容については両手を挙げて共感できるものではなかった。一種の洗脳小説と言っても過言ではない。

    楽園のナパージュはジャパン、すなわち日本で、三戒は日本国憲法の第九条か。さすがに、ここまであからさまだと下品な感じがする。もう少しオブラートに包むなり、婉曲的な表現であれば、受け入れられる可能性があったかも知れない。

    平和を求め、ナパージュにたどり着いたアマガエルのソクラテスとロベルトは難民なのだろう。ヌマガエルは在日韓国人で、スチームボートがアメリカなんだろうな。

  •  世の中には二元論で割り切れないことばかりなのに、政治には右か左かしかないようだ。
     それ以外の選択肢は、もっと右か、もっと左か。
     本書は右翼視点の現代日本の寓話化である。


     様々な国で迫害を受けてきたアマガエルの二匹がたどり着いたのは、三戒を堅持するツチガエルの国ナパージュだった。 
    「カエルを信じろ。カエルと争うな。争うための力を持つな」
     ツチガエルたちは三戒がナパージュを守っていると信じている。
     
     しかしナパージュに危機が迫ってくる。
     国境の崖の下からウシガエルが登ってきた。
     三戒が国を守る。
     声高な主張にもかかわらず、ウシガエルたちは次第にナパージュの中央に侵入してくる。

     
     つまり、憲法九条をめぐる現代日本の縮図である。
     憲法九条を固辞するがゆえに、中国が攻めてくるというストーリーだ。

     憲法改正しないと日本は武力攻撃されても反撃することができない。それは分かる。
     戦後の憲法が現実に即していない部分もあるから改正は必要だろうとは思うが、そう言うと左翼からは「そんなに戦争がしたいのか!」と右翼のレッテルを貼られる。

     でも、憲法改正は国全体のことだ。
     しっかり国民の深い理解を得ようと説明がなされないまままに憲法改正を急ぐのは疑問だが、そう言うと右翼からは「今すぐ中国が攻めてきて占領されてもいいのか!」と左翼のレッテルを貼られる。

     施策に対して賛成か反対かしかない。
     反対するために存在するだけの左翼、危機を扇動する右翼。
     もし日本がカエルの国だったら、俺は大きい声の聞こえないところで冬眠していたい。 

  • 恐ろしい…
    百田尚樹さんの「カエルの楽園」読み終わって率直に感じた事です。
    皆さんはどう感じるんだろう。
    「三戒」を破棄すべき
    「三戒」は存続すべき
    この本は破棄すべき側に立って書かれた本。存続すべき側で書かれたらまた全然違った内容になるでしょう。
    今現在の日本の危機が克明に書かれています。
    この本を読んで「デイブレイク」側の守りが正しいか「プロメテウス」側の守りの意見が正しいか読み手によって変わるでしょう。
    ただ一つ言える事は
    「今の日本はあまりにも平和ボケしすぎている」

    百田さんの本は本書や「夢を売る男」など過激に書かれているのがあるので要注意
    でもそれが面白かったりします。
    本書も過激な表現がありますが日本の事を思って書かれたのかなと思います。

  • 戦後のWGIPの中で20〜30代を生き抜いてきた私は、正しい戦後史観を持ってきたのだろうか?戦争を起こし、残虐な行為を繰り返し、敗戦した国であるため、もう二度と戦争を起こしませんと自ら戦争を放棄したと、40代半ばまで疑問を持ちつつもしんじてきました。
    三戒を、守り抜くことで、ツチガエルは幸せに暮らせたのでしょうか?スチームボードを追い出し、ハンニバル三兄弟を殺しては、ウシガエルに対抗できないのがナパージュです。三戒があればあらゆる武器に優るというマスコミに言いたい。もっと公平なニュースを提供することが本来の公平ではないのでしょうか!

  • 日本の現在を憂いている話。
    本当にこのままじゃダメだ。百田尚樹さんはすごい。すごいな。

  •  カエルの世界を舞台にし、誰でも気軽に読める寓話の形をとりながら、日本国の本質を鋭くえぐり出した警世の書。

     読むとこのカエルの楽園が今の日本で、その楽園を取り巻くウシガエルたちやワシが日本の外交情勢を象徴していることがすぐにわかり、カエルたちが仮初めの平和に甘んじていることが感じられました。

     このアジア情勢が緊迫している今こそ、本当の平和を築くために日本がしなければならないことを真剣に考えていかなければならないと思いました。

     おりしも間近に総選挙が迫っており、この世界のカエルたちのようにマスコミに踊らされることなく一人一人が答えを出していくことが大切だと感じました。

     そして、このお話のような結末にだけはならないように。

  • 憲法9条はじめ日本の平和主義は正しいと、盲目的に信じていたが、カエルの世界で客観的に考えると、結構やばくて背筋凍った。

  • カエルの寓話の形式をとって、現代日本の安全保障をテーマにした本。物語に登場する人物は想像しやすく、皮肉も強烈で、日本社会の現状をある意味でうまく説明しており面白い。筆者の安全保障における考え方もよくわかる。憲法改正を目指す安倍政権が、森友・加計問題でその力をそがれている時に読んだのはタイムリーだったかも知れない。

  • 私はカエルが大好きです。タイトルの可愛さと挿絵のほっこり感で手に取り読みましたが、とてもとても残酷なそして小さい世界のある国のことのような。。とにかくとんでもなく後味の悪いお話でした。とほほ。でも、なぜか心にずっと残ると思います。

  • 動物農場よりもよほどダイレクトなのと、あとがきの櫻井よしこさんが全部ネタバレ解説しているあたりが何をどう風刺しているかがわからない後世の人や外国人に優しい仕様だと思います。(いや、これを読むと動物農場も実は当時の現地の人からするとめちゃめちゃダイレクトだったのかもしれないという気になりました)
    ラストが、実際にどう言う状況の風刺あるいは婉曲表現なのかは流石の百田先生もそして櫻井さんも濁しましたね。あえて濁すあたりもちょっとエグイので置き換えない方が心の平安は保たれます。

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