本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1545
レビュー : 164
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101202426

作品紹介・あらすじ

私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。

感想・レビュー・書評

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  • 大穴と書いて、ダイアナちゃん。その友達の彩子ちゃん。
    小学三年生の二人、可愛かったー!
    可愛すぎー!癒されるー!って何度心の中で叫んだことか!

    そんな可愛い二人が、卒業前に絶交しちゃって、中学、高校、大学、就職とそれぞれ悩みながらも成長していく。

    自分にかけられた呪いを解くのは自分しかいない。二人ともちゃんと呪いを解いたんだね。

    読書好きな女の子にお薦めしたい本でした。

    ずーと昔に読んだ赤毛のアンをまた読んでみたくなりました。

  • 無い物ねだり、黒歴史、妬みにそねみに憧れ。全部ひっくるめて青春と呼びましょう。
    幼い頃父に、「毎日遊ぶから友達じゃない。10年ぶりでも変わらずに遊べるのが友達だよ。」と教わったことを思い出しました。

  • 女の子の成長と、女性の間の友情がテーマ。
    同じ作者では『あまからカルテット』でも同様のテーマを扱っている。
    あれも見事な構想の作品ではあったし、本作でもその手法の確かさは健在だ。
    けれど、テーマがより深まっているのは本作だ。
    できるなら、十代の女の子たちに、この本を手に取ってほしいと願う。
    新しい環境に入っていく若い人たちが大勢いるこの時期だから強く思うのかもしれない。

    小学校でであった、ダイアナ(何と「大穴」!と書く)と、彩子。
    未婚のキャバクラ嬢を母に持ち、金髪に染められているダイアナと、裕福で趣味のよい両親の元、何不自由なく育てられた優等生の彩子。
    対照的な二人は、お互いの世界に憧れ、惹かれあう。

    ほんの些細な感情のもつれと、別々の中学に進学したことから、二人はあっけないほど疎遠になる。

    ダイアナの物語は父親捜しの物語。そして、「父の娘たれ」、という呪縛から解き放たれて、一時はその生き方を否定してきた母親の愛情や聡明さを発見する物語でもある。

    一方、あらゆる面で恵まれていた彩子には、大学に入ってから試練が待ち受けている。
    おぞましいものから大切に守られてきた娘は、自らの身を守る術をしらない。
    ただ娘に門限を与え、危険から遠ざけることしか知らない両親を、お門違いと分かっていても恨まざるを得ない彼女の心情は痛切だ。
    強姦サークルはしばらく前に週刊誌でも報道されていたようだけど、一部の権力を持つ男が、女をランク付けし、その上位の女を共犯関係に引きずり込みながら支配する構造に慄然とする。
    この辺りは、描写で納得させるというより、やや説明的ではあったが、それでも取り上げた意味はあると思う。
    彩子にものしかかる従順であれという呪縛。
    それを解き放つ力の根源は、二人のダイアナだった。

    やっぱり、少し出来すぎてるとは思うけど、この作品を読み終わったとき、大人になって出会い直した二人の友情が続くことを願わないではいられなかった。

  • 「ダイアナ」ときけば、私はやはり一番に、『赤毛のアン』に登場する、アンの親友を思い出します。
    人によっては違うかもしれません。
    某国の元皇太子妃だったり、歌手のダイアナ・ロス…とか?
    いずれも、カナダ、英国、アメリカ人。
    まさか、「大きな穴」と書いて「大穴(ダイアナ)」と読む日本人とは!
    キラキラネームにはすでに皆、心の中で苦笑いしながらも、仕方のない時の流れとして受け入れている傾向にありますが…
    いや、ダイアナだっていいんだ、ダイアナだって!
    漢字が「大穴」でなければ。

    そんな「ドキュンネーム」をつけられたシングルマザーの子(しかもキンパ)がどんな目にあうかは予想通り。
    しかし、本人は本が大好きな内向的な女の子なのだが。

    一方、「彩子」は、編集者の父と、ナチュラル系料理上手主婦の母を持ち、教養高き家で大切に育てられた女の子。
    他の本で読んだけど、今どき、娘に「子」のつく名前をつける母親は相当なモノらしい。

    この物語は、2人の女の子の、小学校3年生から22歳までの、友情と成長の物語…
    と書くとありきたりではありますが、エピソードがありきたりなようでいてありきたりではない、ありきたりな場面もあるのだけれど描写がありきたりではない…
    という、本当にすてきな、「女の子のバイブル」的な本でした。

    正反対の2人は、正反対な方向に成長し、悩み、立場を変え、大人になっていきます。
    しかし、どこかで同じ部分も持ち、共感しながら反発し、ぐるぐるねじれながら高く昇っていく。

    そう、まるで二重らせん構造のように。
    これは、『女子のDNA』の物語かもしれない。
    ダイアナと彩子、そしてその母たちの、ティアラと貴子、全ての女子なら内に持っているDNAの物語だ。


    「私にふさわしいホテル」の東十条宗典先生の名前が出てきて、ニヤリとしてしまいました。

  • 予想外な展開の一冊!

    ダイアナと彩子の、それぞれが交換したくなるような生活。
    けれど、敷かれたレールからはなかなか逸れることが出来ず、お互いに羨望の思いを抱きながら、離れてゆくことになる。

    ダイアナの進み方も、彩子の進み方も、それぞれに愛おしい所があって。
    途中に出て来るみかげちゃんまでも、なかなか素敵だなと思ったりする。

    そこに挿入される、幸田文や森茉莉、向田邦子の話も、本好き乙女な読者にとっては素敵なエッセンスになったのではないだろうか。

    今どきの女の子としては、清純!というか正に正統派な感じがしなくもないけれど、こういう友情小説はいつ読んでも、じーんとする。

  • 書店で購入した数冊の本の中で、
    本屋さんのダイアナという本が
    とっても当たりでした。

    ダイアナの境遇、
    名前や育ちに対する葛藤。
    まるで自分の鏡を見ているようで。

    初対面のダイアナとは正反対のお嬢様、
    彩子にコンプレックスをことごとく肯定される描写に
    自己評価と他人からの評価はこうも変わるのかと
    胸がすっとなりました。

    所々、他作品への言及や引用がたくさんあるのだけど
    少女小説の類に疎く
    どれも読んだことがなかったので、
    次はそれらも読んで見たい。

  • 全く異なる境遇に育ったダイアナと彩子。
    2人を結びつけたものは読書。
    それぞれの成長過程で描かれる心理描写が繊細でどんどん引き込まれる。
    自分もかつて◯◯ちゃんちの子になりたいと願っていたけど、あの時あの瞬間の自分には無い環境に憧れを抱いていただけなんだと思えるようになってきた。
    ダイアナと母、ティアラのように一見ガサツで適当に見える彼女から出てくる言葉は能天気なように思えて愛情が深い。
    彩子の母とはまた違うムスメの愛し方だけど、自分の力で魔法を解くことは生きていく中で必要なことなんだなと考えさせられる。
    ダイアナと彩子に会ってみたくなった。
    そして私も昔憧れて疎遠になった近所のあの子に会いに行きたくなった。

  • 「大穴」と書いて「ダイアナ」と読むDQNネームのせいで、友人も出来ず、本の世界に逃げて暮らす主人公。そんな彼女に手を差し伸べてくれた彩子。彼女達の小学時代、中学時代、大学時代を追いながら、それぞれが一人の大人として自立するまでを描く。
    『赤毛のアン』と同様、多彩で心優しいキャラクターが多く登場するも、人間最後は自らの力で一歩を踏み出し、呪縛から脱却しなければいけないのだ、という力強いメッセージを含んだ小説。目を背けたくなるシーンが一箇所ありますが、それでも最終的には前向きな終わり方をするので安心してください。ガール・ミーツ・ガール的な作品としてはかなり作り込まれている良作です。あと、作者がフランス文学科出身だからか、沢山の本が登場する点も個人的に好き。『赤毛のアン』が好きな方は、是非本作も読んでみて欲しいです。

  • 柚木さん、ちょっと不器用な女の子、女性を描くのがうまいなぁ、と思います。

    ダイアナ、ティアラ、彩子を中心に、彼女たちを取り巻く人たちの、点の動きが線になっていく過程がとてもおもしろい。それがきれいな話ばかりではなく、ちょっとがっかりしたり驚いたりして人間味をすごく感じるんですよねー。

  • すごく良かった。☆4.5くらい。
    冒頭から、大穴と書いてダイアナなんて名前、また変な本読んじゃったかな。。とか思ってましたが、ダイアナと彩子の10余年に渡る友情の物語でした。赤毛のアンが未読だったことが悔やまれる(子どものころ読んだかもしれないけど、それすらも覚えてない)。

    決してキラキラした思い出ばかりじゃない、音信不通の数年、そして再会。それでも本の話を始めたら、あの頃の自分たちに戻れる。思い出すのは楽しかったことばかり。ないものねだりだった自分を懐かしくすら思う。人生経験を積んで少し大人になった自分。相手も少し変わったかな。でも言葉を交わすだけでいい。あとは本さえあれば。

    学生時代の友達って、すごく特別。同窓会したくなった。みんな元気にしてるかな。あたしは(いい意味で)変われたかな。

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著者プロフィール

柚木麻子(ゆづき あさこ)
1981年、東京都生まれの小説家。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞し、2010念二同作を含む初の単行本『終点のあの子』を刊行。2014年に『本屋さんのダイアナ』で第3回静岡書店大賞小説部門受賞。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞受賞、直木賞候補に。2017年『BUTTER』で直木賞候補。2019年、『マジカルグランマ』が第161回直木賞候補となる。

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