本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1645
レビュー : 169
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101202426

感想・レビュー・書評

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  • すごく面白かった!柚木麻子さんの作品は好きで3冊目。表紙が可愛くて何となく選んだ本ですが、読み始めたらダブルヒロインの魅力に惹かれ、続きが気になりあっと言う間に読み終わりました。素敵な作品に出会えて嬉しいです。

  • 本屋さんで帯と冒頭を読んで惹かれるものがあり、購入しました。大正解でした。

    シングルマザーに育てられた金髪でキラキラネームで一匹狼な少女の大穴(ダイアナ)と穏やかな両親に守られ健やかに育てられた黒髪おかっぱの少女彩子。正反対な二人をつないだのは「本」でした。
    お互いを尊敬し合う良い関係だった二人の道は、あるところで別れてしまいます。強くて弱い女の子たちはどうなっていくのか、ダイアナのお父さんは一体どこにいるのか、ダイアナの母ティアラの過去、淡い恋心の行方は…ハラハラしながらあっという間に読んでしまいました。

    最初は図書館に通いつめていた幼少期の自分を思い出してダイアナに感情移入しながら、彩子のような生活に憧れ羨む気持ちで読み進めていたのですが、あるところで彩子に自分を重ねて、読んでいる最中にいたたまれなさで本を閉じてしまうこともありました。

    このお話は『秘密の森のダイアナ』という架空の本がキーワードなのですが、様々な実在する本のタイトルや内容が出てきます。(ライ麦畑でつかまえて、秘密の花園など…)二人が小学3年生から22歳まで、年を重ねるごとに読む本が変わっていくのもリアリティがあって良かったです。
    実はこれらの有名な小説を読んだことがなかったのでこの機会に読んでみようと考えています。

    あと一番声をあげてしまったのが匿名掲示板の下り。あれを見られるのは本当に辛い…ダイアナが知らないことを祈ります…

    ちょっとご都合主義なところもありますが、広がった風呂敷がパタパタ折りたたまれていく感覚、ディズニー映画や少女小説が好きな人、キラキラした女の子の友情好きには絶対におすすめです。
    柚木さんの本を拝見したのははじめてなのですがぜひ別の作品も読んでみたいです。

  • 少女ふたりの、小学生から大学生まで。対称的で、それゆえ互いをうらやみ憧れている。ないものねだりとかんたんには片付けられない、子供心の真剣さがいじらしい。
    変な名前と変な母親にほとほと嫌気がさしているダイアナ、強がっているうちにいつしか本当に強い芯を得ていく。
    彩子がその自立心と強さとドラマ性に憧れ、そんな物語の女性になりたいと模索する姿がなんとも・・・痛ましくすらある。わかるような気がする。自分の手にあるものの価値って、大人になったってなかなかわからないものだ。自分の平凡さに飽きることだってそりゃあ、ある。

    「悲しみよ こんにちは」に登場する「セシル」がお嬢様から蠱惑的なパリジェンヌに変身したことに惹かれていることを表す描写が印象的だった。
    『大人と少女のわずかな境目にぴたりと収まる魅力的な三文字。舌の上にのせると、メレンゲのようにさっと解け、洋酒の苦味をたなびかせる。』

    彩子が後輩のピンチに声を上げたところは、つまり変化やドラマのきっかけは誰にでもあって、それを正面からとらえるか、やり過ごすかの違いなんかなと思わされた。
    ダイアナより彩子の方がキャラクターとしては好きだな。ティアラと武田くんの役割もかなり大きくていい。
    はっとりけいいちも実際の姿をもって終盤に登場するし、そのことでダイアナの感情はさまざまにかき乱されるけれど・・・「ダイアナ」の存在意義について語るところ以外は、物語の一側面という感じで、主軸はやっぱり「親子」や「恋人」よりも「友達」。
    私は、少女が成長する物語が好きなんだとやっと認識した一冊。

  • かわいく文庫化されていたので手に取り、最初の数ページがおもしろそうだったので購入した。

    矢島大穴と神崎彩子は、見た目も育った環境もまるで違うけれど、児童文学をきっかけに仲良くなった。
    小学校三年生で出会い、小学校六年生で仲違いし、22歳で再会するまでのおはなし。

    おもしろかった。
    ダイアナかっこいい!
    予期せぬこと・だめな渦に巻き込まれてしまうことは、たしかにあるよなぁ、と強く思わされた。
    自分を守る知恵を身につけよう。
    腹心の友かどうかはさておき、二人の親友がいる私は幸せだな。
    『赤毛のアン』をようやく読もうか、という気になった。

  • 赤毛のアンの物語の中のアンとダイアナは親友。才気あふれるアンは大学に行き、ダイアナは静かに娘として家庭人としての道を進み…という話で、ストーリーもアンの一生を追いかけて行くものでした。
    これが現代のリアルな世界で、じゃあダイアナのことも合わせて描いてみたらこうなるのか、という感じです。
    赤毛のアンはアンが赤毛だったけど、この作品ではダイアナが染めた金髪。しかも本当は「大穴」と書いてダイアナと呼ばれるキラキラですらないヘンテコな名付け方をされていた、というちょっと可哀想な始まり方です。

    アンの立ち位置である彩子は意識高い家庭で育ち、名門校への中学受験、大学進学と傍目には順風満帆な人生を歩んでいました。
    ダイアナはキャバクラづとめの母と二人暮らしでジャンクな食事やゴテゴテとデコったランドセルや持ち物、とこちらも傍目にはちょっと残念な人生に見えます。
    ですが、二人の娘それぞれの目線で見ると、お互いの生活がどんなに美しく輝いて見えるものだったか。

    思春期までの二人のエピソードは、まるで童話を読んでいるようで微笑ましかったのですが、そこからの二人の人生の違いがなかなかにリアルで生々しかったです。
    望まぬ相手との初体験をしてしまい、大して好きでもない男性に縋り付いて自己を保つ彩子と、幼い頃からの「本屋さんに勤めたい」という夢を実現したダイアナ。
    別れてしまったかのように思えた二人の人生ですが、やがていろいろな謎やもつれた糸がほぐれてきて(意識低そうに描かれていたダイアナの母ティアラの過去とか、ダイアナの父の存在など)…。

    ストーリーの要所要所で挟まれるダイアナの愛して止まない「秘密の森のダイアナ」という本の文章が、リアルと果敢に戦うかつての少女達へのエールになっていたような気がします。まるで昔少女だった自分が、少女向け小説を夢中で読んでいた、あのときのページをめくるスピードで読み終えてしまいました(笑)

    少女小説がお好きな方、かつて好きだったけど最近は読んでないわ、という昔少女だった方ならぜひオススメしたい作品。

  • 少女から大人の女性へ変わりゆく、あの頃特有の反抗心や繊細で傷つきやすい心が手に取るようにわかる作品だった。

    それぞれを取り巻く環境や親への強い反発心、儚い恋、自分と違う環境を持つ友達への憧れや嫉妬、すべての感情を自分の人生と重ね合せて共感できた。

    有名な文学作品へのオマージュもベースにあり、要所要所に作者への文学や本そのものに対する愛情を感じる。


    ”優れ た 少女 小説 は 大人 に なっ て 読み返し ても、 やっぱり 面白い の だ。”
    ” あの 頃 は 共感 でき なかっ た 心情 が 手 に とる よう に わかっ たり、 気 にも 留め なかっ た 脇役 が 俄然 魅力 を 持っ て 輝き 出す こと も ある。
     新しい 発見 を 得る こと が できる のと 同時に、 自ら の 成長 に 気づか さ れる の だ。”

    文中のこの部分はそっくりこの作品に当てはまる言葉だと感じた。

    私の大好きな要素しかなくて本当に素敵な本と出会えてよかった。

    是非、今の10代の女の子には読んでほしいし、大人になってからも読み返してほしいと思う。また、多感な時期の女の子を子どもにもつ親にも読んでほしい作品だ。

  • 少女達の心の成長と平行して繋ぎ合わさってゆく真実の絆、親子(それは父と娘、母と娘)の、時を経て埋まってゆく揺ぎ無い関係性にどんどん引き込まれていきました。 「赤毛のアン」が自分のコンプレックスを乗り越えて、持ち前の想像力で周囲の人間を巻き込んで人生を楽しく生きている姿。きっとこの作者の中にもそんなアンの姿が心の片隅にあり続けているんだろうなと感じました。 少女向けの作品なのかなーと手に取った瞬間思いましたが、男の子にも十分楽しめる作品です。

  • こういうお話、読んだことないのに既視感たっぷりだった。
    でもまぁ楽しく読めた。
    幸せになってほしい。

  • 大河。 女子小説の古典がベースなんですね。 女子だけの話ではない。 男子も読むべし。

  • 柚木麻子を好きになったきっかけの本

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著者プロフィール

柚木麻子(ゆづき あさこ)
1981年、東京都生まれの小説家。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞し、2010念二同作を含む初の単行本『終点のあの子』を刊行。2014年に『本屋さんのダイアナ』で第3回静岡書店大賞小説部門受賞。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞受賞、直木賞候補に。2017年『BUTTER』で直木賞候補。2019年、『マジカルグランマ』が第161回直木賞候補となる。

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