本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1670
レビュー : 174
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101202426

感想・レビュー・書評

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  • 大穴と書いて、ダイアナちゃん。その友達の彩子ちゃん。
    小学三年生の二人、可愛かったー!
    可愛すぎー!癒されるー!って何度心の中で叫んだことか!

    そんな可愛い二人が、卒業前に絶交しちゃって、中学、高校、大学、就職とそれぞれ悩みながらも成長していく。

    自分にかけられた呪いを解くのは自分しかいない。二人ともちゃんと呪いを解いたんだね。

    読書好きな女の子にお薦めしたい本でした。

    ずーと昔に読んだ赤毛のアンをまた読んでみたくなりました。

  • 全く異なる境遇に育ったダイアナと彩子。
    2人を結びつけたものは読書。
    それぞれの成長過程で描かれる心理描写が繊細でどんどん引き込まれる。
    自分もかつて◯◯ちゃんちの子になりたいと願っていたけど、あの時あの瞬間の自分には無い環境に憧れを抱いていただけなんだと思えるようになってきた。
    ダイアナと母、ティアラのように一見ガサツで適当に見える彼女から出てくる言葉は能天気なように思えて愛情が深い。
    彩子の母とはまた違うムスメの愛し方だけど、自分の力で魔法を解くことは生きていく中で必要なことなんだなと考えさせられる。
    ダイアナと彩子に会ってみたくなった。
    そして私も昔憧れて疎遠になった近所のあの子に会いに行きたくなった。

  • 無い物ねだり、黒歴史、妬みにそねみに憧れ。全部ひっくるめて青春と呼びましょう。
    幼い頃父に、「毎日遊ぶから友達じゃない。10年ぶりでも変わらずに遊べるのが友達だよ。」と教わったことを思い出しました。

  • 「ダイアナ」ときけば、私はやはり一番に、『赤毛のアン』に登場する、アンの親友を思い出します。
    人によっては違うかもしれません。
    某国の元皇太子妃だったり、歌手のダイアナ・ロス…とか?
    いずれも、カナダ、英国、アメリカ人。
    まさか、「大きな穴」と書いて「大穴(ダイアナ)」と読む日本人とは!
    キラキラネームにはすでに皆、心の中で苦笑いしながらも、仕方のない時の流れとして受け入れている傾向にありますが…
    いや、ダイアナだっていいんだ、ダイアナだって!
    漢字が「大穴」でなければ。

    そんな「ドキュンネーム」をつけられたシングルマザーの子(しかもキンパ)がどんな目にあうかは予想通り。
    しかし、本人は本が大好きな内向的な女の子なのだが。

    一方、「彩子」は、編集者の父と、ナチュラル系料理上手主婦の母を持ち、教養高き家で大切に育てられた女の子。
    他の本で読んだけど、今どき、娘に「子」のつく名前をつける母親は相当なモノらしい。

    この物語は、2人の女の子の、小学校3年生から22歳までの、友情と成長の物語…
    と書くとありきたりではありますが、エピソードがありきたりなようでいてありきたりではない、ありきたりな場面もあるのだけれど描写がありきたりではない…
    という、本当にすてきな、「女の子のバイブル」的な本でした。

    正反対の2人は、正反対な方向に成長し、悩み、立場を変え、大人になっていきます。
    しかし、どこかで同じ部分も持ち、共感しながら反発し、ぐるぐるねじれながら高く昇っていく。

    そう、まるで二重らせん構造のように。
    これは、『女子のDNA』の物語かもしれない。
    ダイアナと彩子、そしてその母たちの、ティアラと貴子、全ての女子なら内に持っているDNAの物語だ。


    「私にふさわしいホテル」の東十条宗典先生の名前が出てきて、ニヤリとしてしまいました。

  • 書店で購入した数冊の本の中で、
    本屋さんのダイアナという本が
    とっても当たりでした。

    ダイアナの境遇、
    名前や育ちに対する葛藤。
    まるで自分の鏡を見ているようで。

    初対面のダイアナとは正反対のお嬢様、
    彩子にコンプレックスをことごとく肯定される描写に
    自己評価と他人からの評価はこうも変わるのかと
    胸がすっとなりました。

    所々、他作品への言及や引用がたくさんあるのだけど
    少女小説の類に疎く
    どれも読んだことがなかったので、
    次はそれらも読んで見たい。

  • 一気読みしました。止まらなかった。これはやばい。読まれる方は読み始めの時間に十分に注意された方がいいです。

    ダイアナと彩子がお互いにないものを羨ましがりあう姿が微笑ましく、心温まりながら読み進めました。
    ダイアナは自分の周りにあるのは流行に乗ったくだらないものだと思っていて、彩子は逆にキラキラしてて可愛く魅力的なものだと思っている。この二つの視点が交互にくることで、自分の視野が広がる気がしました。
    私も、私がくだらなくてどうしようもなくて捨てたいと思っているものが、最高に私らしくて素晴らしいものなのかもしれない。
    そしてティアラさんはそのことにきっと気づいていたんだね?超カッコイイ。

    自分に呪いをかけているというくだり、ドキッとしました。
    「なんびとたりとも、私を縛ることはできない。私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ。私だけが私のすすむべき道をしめすことができる」
    それを口に出す勇気がなければ、呪いを解くことはできないんだね。
    勇気を振り絞らなきゃいけないんだね。
    簡単なことのようだけど、それはとっても難しいことだと思いました。そして誰しもがその呪いにかかってしまう。でも、絶対に自分で破ることができる。
    「呪いを破ったんだわ!私一人の力で!」
    作中作のダイアナのセリフですが、泣いちゃった。
    彩子もダイアナも呪いをかけられていて、(彩子の呪いの方が衝撃的だったけど)でもそれを自分一人で乗り越えたんだ…って本当に感動しました。
    また呪いはどこからともなくやってきてしまうかもしれないけど、その都度解き続けていけばいいんだー!
    そんな時、そばに居てくれる人を大切にしたいと思いました。

    「悲しくて辛いのが、まるで上等なことのように、ずっとずっと思い込んでいたのでした」
    すごく心当たりがあります。私も呪われている…

    「さよなら、「いい子」の魔法」も読みたい(^^)

  • これまで、どの作品も夢中で一気に読んでいたが、これは途中で止まってしまっていた。自分はもう30代なので、小学生〜中学生の女の子同士の話に共感が薄かったからだと思う。
    しかし、また読み出したところ後半に圧倒された。最後は、感動で涙が止まらなかった。私が柚木作品に夢中になったきっかけの、『その手を握りたい』で味わった時と同じように、最後の展開に圧倒された。
    すごく精密に、組み立てられていることに驚かされる。
    そして今回も、女なら味わう、自分の汚さ、ズルさにギクリとさせられる反面、皆同じなのだとホッとする。
    やはり、柚木さん作品はすごい。
    一番好きな作家さんの1人です。

  • 柚木先生の小説は2人の対照的な女性を描いているものが多く、本屋さんのダイアナもそのうちの1作である。
    風景が想像しやすく、また25歳の私にとって登場人物に感情移入しやすく、今までの人生の中での友人との関わり方を考えさせられた。

  • まるで自分のにあるような言葉だと思う。これでいいんだよ、と励まされている気分だ。こんな風に心にぴたっとくる描写や表現に出会えるから、読書はやめられない。(本文より)

  • 理想と現実のギャップがある中で、自らの力で道を切り拓いていくダイアナと彩子に背中を押されました。
    勇気を出して一歩踏み出したいときに最適な一冊です。

著者プロフィール

柚木麻子(ゆづき あさこ)
1981年、東京都生まれの小説家。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞し、2010念二同作を含む初の単行本『終点のあの子』を刊行。2014年に『本屋さんのダイアナ』で第3回静岡書店大賞小説部門受賞。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞受賞、直木賞候補に。2017年『BUTTER』で直木賞候補。2019年、『マジカルグランマ』が第161回直木賞候補となる。

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