本屋さんのダイアナ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.18
  • (172)
  • (192)
  • (76)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 1636
レビュー : 169
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101202426

作品紹介・あらすじ

私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 大穴と書いて、ダイアナちゃん。その友達の彩子ちゃん。
    小学三年生の二人、可愛かったー!
    可愛すぎー!癒されるー!って何度心の中で叫んだことか!

    そんな可愛い二人が、卒業前に絶交しちゃって、中学、高校、大学、就職とそれぞれ悩みながらも成長していく。

    自分にかけられた呪いを解くのは自分しかいない。二人ともちゃんと呪いを解いたんだね。

    読書好きな女の子にお薦めしたい本でした。

    ずーと昔に読んだ赤毛のアンをまた読んでみたくなりました。

  • 全く異なる境遇に育ったダイアナと彩子。
    2人を結びつけたものは読書。
    それぞれの成長過程で描かれる心理描写が繊細でどんどん引き込まれる。
    自分もかつて◯◯ちゃんちの子になりたいと願っていたけど、あの時あの瞬間の自分には無い環境に憧れを抱いていただけなんだと思えるようになってきた。
    ダイアナと母、ティアラのように一見ガサツで適当に見える彼女から出てくる言葉は能天気なように思えて愛情が深い。
    彩子の母とはまた違うムスメの愛し方だけど、自分の力で魔法を解くことは生きていく中で必要なことなんだなと考えさせられる。
    ダイアナと彩子に会ってみたくなった。
    そして私も昔憧れて疎遠になった近所のあの子に会いに行きたくなった。

  • 無い物ねだり、黒歴史、妬みにそねみに憧れ。全部ひっくるめて青春と呼びましょう。
    幼い頃父に、「毎日遊ぶから友達じゃない。10年ぶりでも変わらずに遊べるのが友達だよ。」と教わったことを思い出しました。

  • 女の子の成長と、女性の間の友情がテーマ。
    同じ作者では『あまからカルテット』でも同様のテーマを扱っている。
    あれも見事な構想の作品ではあったし、本作でもその手法の確かさは健在だ。
    けれど、テーマがより深まっているのは本作だ。
    できるなら、十代の女の子たちに、この本を手に取ってほしいと願う。
    新しい環境に入っていく若い人たちが大勢いるこの時期だから強く思うのかもしれない。

    小学校でであった、ダイアナ(何と「大穴」!と書く)と、彩子。
    未婚のキャバクラ嬢を母に持ち、金髪に染められているダイアナと、裕福で趣味のよい両親の元、何不自由なく育てられた優等生の彩子。
    対照的な二人は、お互いの世界に憧れ、惹かれあう。

    ほんの些細な感情のもつれと、別々の中学に進学したことから、二人はあっけないほど疎遠になる。

    ダイアナの物語は父親捜しの物語。そして、「父の娘たれ」、という呪縛から解き放たれて、一時はその生き方を否定してきた母親の愛情や聡明さを発見する物語でもある。

    一方、あらゆる面で恵まれていた彩子には、大学に入ってから試練が待ち受けている。
    おぞましいものから大切に守られてきた娘は、自らの身を守る術をしらない。
    ただ娘に門限を与え、危険から遠ざけることしか知らない両親を、お門違いと分かっていても恨まざるを得ない彼女の心情は痛切だ。
    強姦サークルはしばらく前に週刊誌でも報道されていたようだけど、一部の権力を持つ男が、女をランク付けし、その上位の女を共犯関係に引きずり込みながら支配する構造に慄然とする。
    この辺りは、描写で納得させるというより、やや説明的ではあったが、それでも取り上げた意味はあると思う。
    彩子にものしかかる従順であれという呪縛。
    それを解き放つ力の根源は、二人のダイアナだった。

    やっぱり、少し出来すぎてるとは思うけど、この作品を読み終わったとき、大人になって出会い直した二人の友情が続くことを願わないではいられなかった。

  • 「ダイアナ」ときけば、私はやはり一番に、『赤毛のアン』に登場する、アンの親友を思い出します。
    人によっては違うかもしれません。
    某国の元皇太子妃だったり、歌手のダイアナ・ロス…とか?
    いずれも、カナダ、英国、アメリカ人。
    まさか、「大きな穴」と書いて「大穴(ダイアナ)」と読む日本人とは!
    キラキラネームにはすでに皆、心の中で苦笑いしながらも、仕方のない時の流れとして受け入れている傾向にありますが…
    いや、ダイアナだっていいんだ、ダイアナだって!
    漢字が「大穴」でなければ。

    そんな「ドキュンネーム」をつけられたシングルマザーの子(しかもキンパ)がどんな目にあうかは予想通り。
    しかし、本人は本が大好きな内向的な女の子なのだが。

    一方、「彩子」は、編集者の父と、ナチュラル系料理上手主婦の母を持ち、教養高き家で大切に育てられた女の子。
    他の本で読んだけど、今どき、娘に「子」のつく名前をつける母親は相当なモノらしい。

    この物語は、2人の女の子の、小学校3年生から22歳までの、友情と成長の物語…
    と書くとありきたりではありますが、エピソードがありきたりなようでいてありきたりではない、ありきたりな場面もあるのだけれど描写がありきたりではない…
    という、本当にすてきな、「女の子のバイブル」的な本でした。

    正反対の2人は、正反対な方向に成長し、悩み、立場を変え、大人になっていきます。
    しかし、どこかで同じ部分も持ち、共感しながら反発し、ぐるぐるねじれながら高く昇っていく。

    そう、まるで二重らせん構造のように。
    これは、『女子のDNA』の物語かもしれない。
    ダイアナと彩子、そしてその母たちの、ティアラと貴子、全ての女子なら内に持っているDNAの物語だ。


    「私にふさわしいホテル」の東十条宗典先生の名前が出てきて、ニヤリとしてしまいました。

  • 予想外な展開の一冊!

    ダイアナと彩子の、それぞれが交換したくなるような生活。
    けれど、敷かれたレールからはなかなか逸れることが出来ず、お互いに羨望の思いを抱きながら、離れてゆくことになる。

    ダイアナの進み方も、彩子の進み方も、それぞれに愛おしい所があって。
    途中に出て来るみかげちゃんまでも、なかなか素敵だなと思ったりする。

    そこに挿入される、幸田文や森茉莉、向田邦子の話も、本好き乙女な読者にとっては素敵なエッセンスになったのではないだろうか。

    今どきの女の子としては、清純!というか正に正統派な感じがしなくもないけれど、こういう友情小説はいつ読んでも、じーんとする。

  • 書店で購入した数冊の本の中で、
    本屋さんのダイアナという本が
    とっても当たりでした。

    ダイアナの境遇、
    名前や育ちに対する葛藤。
    まるで自分の鏡を見ているようで。

    初対面のダイアナとは正反対のお嬢様、
    彩子にコンプレックスをことごとく肯定される描写に
    自己評価と他人からの評価はこうも変わるのかと
    胸がすっとなりました。

    所々、他作品への言及や引用がたくさんあるのだけど
    少女小説の類に疎く
    どれも読んだことがなかったので、
    次はそれらも読んで見たい。

  • 「大穴」と書いて「ダイアナ」と読むDQNネームのせいで、友人も出来ず、本の世界に逃げて暮らす主人公。そんな彼女に手を差し伸べてくれた彩子。彼女達の小学時代、中学時代、大学時代を追いながら、それぞれが一人の大人として自立するまでを描く。
    『赤毛のアン』と同様、多彩で心優しいキャラクターが多く登場するも、人間最後は自らの力で一歩を踏み出し、呪縛から脱却しなければいけないのだ、という力強いメッセージを含んだ小説。目を背けたくなるシーンが一箇所ありますが、それでも最終的には前向きな終わり方をするので安心してください。ガール・ミーツ・ガール的な作品としてはかなり作り込まれている良作です。あと、作者がフランス文学科出身だからか、沢山の本が登場する点も個人的に好き。『赤毛のアン』が好きな方は、是非本作も読んでみて欲しいです。

  • 柚木さん、ちょっと不器用な女の子、女性を描くのがうまいなぁ、と思います。

    ダイアナ、ティアラ、彩子を中心に、彼女たちを取り巻く人たちの、点の動きが線になっていく過程がとてもおもしろい。それがきれいな話ばかりではなく、ちょっとがっかりしたり驚いたりして人間味をすごく感じるんですよねー。

  • すごく良かった。☆4.5くらい。
    冒頭から、大穴と書いてダイアナなんて名前、また変な本読んじゃったかな。。とか思ってましたが、ダイアナと彩子の10余年に渡る友情の物語でした。赤毛のアンが未読だったことが悔やまれる(子どものころ読んだかもしれないけど、それすらも覚えてない)。

    決してキラキラした思い出ばかりじゃない、音信不通の数年、そして再会。それでも本の話を始めたら、あの頃の自分たちに戻れる。思い出すのは楽しかったことばかり。ないものねだりだった自分を懐かしくすら思う。人生経験を積んで少し大人になった自分。相手も少し変わったかな。でも言葉を交わすだけでいい。あとは本さえあれば。

    学生時代の友達って、すごく特別。同窓会したくなった。みんな元気にしてるかな。あたしは(いい意味で)変われたかな。

  • 一気読みしました。止まらなかった。これはやばい。読まれる方は読み始めの時間に十分に注意された方がいいです。

    ダイアナと彩子がお互いにないものを羨ましがりあう姿が微笑ましく、心温まりながら読み進めました。
    ダイアナは自分の周りにあるのは流行に乗ったくだらないものだと思っていて、彩子は逆にキラキラしてて可愛く魅力的なものだと思っている。この二つの視点が交互にくることで、自分の視野が広がる気がしました。
    私も、私がくだらなくてどうしようもなくて捨てたいと思っているものが、最高に私らしくて素晴らしいものなのかもしれない。
    そしてティアラさんはそのことにきっと気づいていたんだね?超カッコイイ。

    自分に呪いをかけているというくだり、ドキッとしました。
    「なんびとたりとも、私を縛ることはできない。私に命令できるのは、この世界で私ひとりだけ。私だけが私のすすむべき道をしめすことができる」
    それを口に出す勇気がなければ、呪いを解くことはできないんだね。
    勇気を振り絞らなきゃいけないんだね。
    簡単なことのようだけど、それはとっても難しいことだと思いました。そして誰しもがその呪いにかかってしまう。でも、絶対に自分で破ることができる。
    「呪いを破ったんだわ!私一人の力で!」
    作中作のダイアナのセリフですが、泣いちゃった。
    彩子もダイアナも呪いをかけられていて、(彩子の呪いの方が衝撃的だったけど)でもそれを自分一人で乗り越えたんだ…って本当に感動しました。
    また呪いはどこからともなくやってきてしまうかもしれないけど、その都度解き続けていけばいいんだー!
    そんな時、そばに居てくれる人を大切にしたいと思いました。

    「悲しくて辛いのが、まるで上等なことのように、ずっとずっと思い込んでいたのでした」
    すごく心当たりがあります。私も呪われている…

    「さよなら、「いい子」の魔法」も読みたい(^^)

  • 相手の環境が羨ましい。自分はこの世界から抜け出せないのではないか。
    そんなきっと誰しもが思ったことのある感情を、二人の女性を通して、自分は自分しか変えることができないんだ、道を切り開かないといけない、と教えてくれる1冊

    最初から最後までぐいぐい読ませるけど、都合のいい展開ばかりではなくて、彩子の大学時代は読み進めていてもしんどいものがあった。
    でもそれでも道を切り開く二人に勇気をもらえる。

  • これまで、どの作品も夢中で一気に読んでいたが、これは途中で止まってしまっていた。自分はもう30代なので、小学生〜中学生の女の子同士の話に共感が薄かったからだと思う。
    しかし、また読み出したところ後半に圧倒された。最後は、感動で涙が止まらなかった。私が柚木作品に夢中になったきっかけの、『その手を握りたい』で味わった時と同じように、最後の展開に圧倒された。
    すごく精密に、組み立てられていることに驚かされる。
    そして今回も、女なら味わう、自分の汚さ、ズルさにギクリとさせられる反面、皆同じなのだとホッとする。
    やはり、柚木さん作品はすごい。
    一番好きな作家さんの1人です。

  • 柚木先生の小説は2人の対照的な女性を描いているものが多く、本屋さんのダイアナもそのうちの1作である。
    風景が想像しやすく、また25歳の私にとって登場人物に感情移入しやすく、今までの人生の中での友人との関わり方を考えさせられた。

  • まるで自分のにあるような言葉だと思う。これでいいんだよ、と励まされている気分だ。こんな風に心にぴたっとくる描写や表現に出会えるから、読書はやめられない。(本文より)

  • 理想と現実のギャップがある中で、自らの力で道を切り拓いていくダイアナと彩子に背中を押されました。
    勇気を出して一歩踏み出したいときに最適な一冊です。

  • この本にあるように、いい少女小説は、いくつになってもいいものなのかも知れない。
    いい少女小説には、次世代の女性たちには、女性だからこそ出会う不条理や足かせがあっても、まっすぐに生きてほしいという作者の(特に女性の作者の)思いが、隠されているように思う。そういうのを物語のメインでない所で感じるようになったってことは、私は、とうに少女ではない(当たり前だ!)ってことだろうな。

    巻末の解説によると「赤毛のアン」の本歌取り。
    境遇も容姿も、まるで正反対の、でも、読書が大好きな女の子2人が、大人になっていく物語。

    この本のすごいとこの一つは、若くて魅力的な(立場の弱い)女性に対して、(一部の)男性がどんなことをし得るかをはっきり描いていること。「No」を言える強さと賢さは、女性が幸せになるために、ほんと大事。それは、少女たちに知っておいてほしいこと。女手ひとつでダイアナを育てるティアラさんが、小学校6年生の彩子に語る内容が、なかなかにすごい。

    「優しくて上品なのは彩子ちゃんのいいとこだけどさ、男になめられるスキをあたえちゃだめってことだよ。いざとなったら、ガチで闘う気迫で生きなきゃ。」
    「女ってもともと男よりずっと強いんだよ。」

    そして、終盤には男性の弱さや情けなさも、遠慮なく描かれている。ある意味、男性立入禁止の物語かな。おっと、2人の幼馴染の武田くんだけは、「ギルバート」か。

    巻末の解説は、翻訳家の鴻巣友季子さん。あの「風と共に去りぬ」の新訳をされた方で、ちょうどEテレの「100分de名著」に出演されているのを楽んでいたので、うれしい偶然でした。

  • 全体的に素晴らしい話でした。
    不器用に生きる自分の胸を打つ言葉や思いも多く、持ち歩きたいお話です。

    小学校から社会人になるまでの2人を描く物語ですが、2人が揃うと物語がより一層、宝石のようにきらきらしていています。別々に進むころから読むこちらも苦しく、大学時代の彩子の姿は容易に想像できる環境なだけに、苦しくなりました。

    しかし、どちらも呪いを解くことができるのです。
    わたしは未だに呪いを解けずにいるのかな。

    自分が小学校のころ親友だった子も”AYA”だった上に、去年、実に10年ぶりくらいに再会したこともあり、ついつい感情移入して自己投影をしてしまいました。彼女もまた裕福で愛されていて、中学受験をしていて、優等生タイプだったな〜。

  • 柚木麻子さんを知るのにもってこいの小説。
    白柚木に黒柚木、彼女の中にとりこまれている数々の名作の息遣いをも感じられる作品になっている。軽やかでテンポよく読めるものなので、柚木さんの作品をすすめるとしたら、まずこれから読んでほしい。
    彼女の驚くほど細やかな心情描写と、木漏れ日のなかを揺蕩うような独自の世界観。
    これを読めばあなたも柚木ワールドの虜になるだろう。

    本書紹介
    女の子ふたりの惚れ惚れするほどまっすぐな友情を描いた作品。
    ダイアナと彩子は対極な環境の中、育てられてきた2人の女の子。
    運命的な出会いから、腹心の友になったふたり。しかし、彩子が中学受験迎えた頃、ちょっとした誤解から二人の間に大きな溝が生まれてしまう。それからは互いに言葉を交わすことはなく、別々の道を歩むこととなる。
    そして約10年の月日が流れる。
    ダイアナは本好きが転じて本屋に務め、彩子はあこがれの大学でそれぞれの時を過ごす。2人がお互いのことを忘れることは一時もなく、苦しい時はかつての腹心の友からもらった勇気が心の支えだった。
    どこまでも正直にまっすぐ成長したダイアナと、かつての純真さを失ってしまった彩子。2人の再会は何をもたらすのか。

    赤毛のアンや、若草物語といった名作少女小説を彷彿とさせる瑞々しさと甘酸っぱさ。
    そこかしこに宝石を散りばめたかのような濃やかで繊細な情景描写と、眩いほど素直に生きる主人公ダイアナから目が離せない。
    世界の名作、赤毛のアンに次ぐ史上最強のガールミーツガール小説がここに。

    (最後フレーズ新潮文庫さんの丸パクリです)

  • 対照的な2人の少女、ダイアナと彩子の友情の物語。
    お互いにない部分がうまく合わさって、刺激しあい、支え合って成長していく。
    またその過程で、2人はお互いを通して自分を見つめ直していく、とても内面的なお話でもある。

    この2人がどうなっていくのか、どきどきうきうき見守る読者を置いていくように、後半は徐々に思いがけない展開へ。ダイアナの父もなかなかだけど、特に彩子の身に起こったことは、つらかった…。

    女の子の友情って難しいところもあるけれど、そういうリアルなところも含めて、恋愛とは違う、とても“運命的な“絆”をみれたと思う。
    (2人の関係をより特別にみせる為か、この話では恋愛について、触れているようで触れていない、と思う。個人的には、きっとこの先そうなるであろう、武田くんとの微笑ましい関係が見たかったけどナー!)

    この本のもうひとつの特徴が、度々文中に挿入されるおとぎ話と徹底的な現実のギャップ。これがまた不思議なバランス。作中に出てくる「さよなら、いい子の魔法」。
    私はそっちから本作に辿り着いたけど、本当に素敵な一冊だから、その本も是非手にとってほしい!

  • 「赤毛のアン」を中心に、様々な少女小説を下敷きに書かれた小説。
    タイトルに惹かれ購入しました。
    ダイアナや彩子、ティアラ、各登場実物の思いが共感を呼び胸が締め付けられる思いです。
    女の子同士のコミュニティ独特の悩みが突きつけられます。
    読んでいる間、また読後感からも赤毛のアンが彷彿とされました。

  • めちゃくちゃ面白くて好きな要素しかなくて一気読みしてしまった…。一見正反対なふたりが唯一無二の親友になる、母娘の愛とままならなさ、幼馴染の男の子からの優しい思慕、自分で自分の呪いを断つ。ああ〜〜、とにかくよかったです。しかし彩子が大学時代に経験したことは生々しくて地獄感がすごかった…。その負の連鎖を断ち切る姿がいい。ダイアナと父親のラストのシーンもとても好き。赤毛のアンのダイアナが、少女たちにとっての等身大って台詞は少なからず驚いて納得しました。

  • 読む前は、(なんか大丈夫かな;)と警戒しつつ手に取ったけれど、そんな心配はすぐに消えました。
    二人の少女それぞれの思い・悩み・成長を大人になるまで書き綴った物語。
    共感し楽しみながら、時に痛みを伴いながら読み耽りました。(微笑ましいだけじゃない、時には衝撃的なことも…)

    同著者の「王妃の帰還」より奥が深い感じがした。

  • 境遇の違う2人の少女、大穴(ダイアナ)と彩子を主人公に物語が展開する。
    お互いがお互いを羨ましく思う描写がリアルだと思った。
    表面的な部分だけで見れば満たされているように見えても、本人の中では様々な問題に葛藤しもがき苦しんでいる。

    『赤毛のアン』のアンとダイアナの立場を逆にして描かれているのも斬新。

    読後感はとてもよかった。

  • なんていい本なんだろう。登場人物全員が愛おしい。柚木さんの作品は、キャラクター全員に共感できる部分があって、みんなを応援したくなる。そして主人公のダイアナが、本当に魅力的だなぁ。
    いままで柚木さんの「ナイルパーチ〜」など読んだ時には、後半の雑さ?というかあまりにも荒々しい感じを受け取っていて(そこが好きでもあるけど)、今作は最初から最後まで、抱きしめていたい文章だと思った。たくさんの女子たちに読んで欲しい。

  • さまざまな少女小説への愛とオマージュが詰まった1冊。ふとした仲違いを10年もこじらせてしまうところも女の子っぽい。わたし自身は、彩子の人生に共感しながらも、ダイアナを応援しながら読んだ。ダイアナのたくましさにひかれるのも、彩子目線だからかもしれない。

  • ないものをお互いにもっている女の子2人の物語。彩子の「誰にでも胸を張れる完璧な人間なんて居るわけないじゃない!」の言葉が胸に突き刺さる。きらきら見える部分の後ろにはいつだって影がある。成長しまた出会う2人。今後も2人はお互いに影響しあって自分らしさを身につけ生きていくのだろう。

  • 女の子というのは本当に難しいなぁ。
    清廉潔白でも、孤高でも、裕福でも、そうでなくても、どんなに愛されていてもいつも何か足りなくて、隣のあの娘がうらやましくて、苦しい。人と同じではいたくないけれど、ひとりぼっちでは寂しくて不安。
    そういう不安定な女の子という生き物として生きていくのは、本当に難しい。
    ダイアナと彩子がこの先手を携えて、その難しい人生を二人で乗り越えてくれるといいなと思う。
    そして、世界中の女の子がみーんな幸せになるといい。
    そんな風に思える結末だった。

  • 今年読んだ本の中で早くも「一番」だと思った一冊。鴻巣友季子さんが解説で『ただのパスティーシュではない』と仰っているが、まさにその表現に尽きる。ダイアナと彩子。正反対の女の子がダブルヒロインとして描かれているが、私は二人の「呪いの解き方」が胸にぐっときた。名作へのオマージュの仕掛け方も巧妙で、本好きの私にとって胸が高鳴ることこの上ない。

  • 2人の主人公、ダイアナと彩子の友情物語。
    出自も性格も正反対の2人だけど、お互いに惹かれ合い、尊敬し合う素敵な関係だったけど、ちょっとしたことですれ違ってしまい、10年間疎遠となるけど、また本を通して2人の関係が再開する。
    どちらにも感情移入しやすく、疎遠になっている間の2人の葛藤にやきもきする~!!

    美しい容姿に恵まれた家庭環境、周りに人が絶えないような彩子が、大学に入ってから派手な外見になり就職活動もろくにせず、いかがわしいサークルに出入するなんて…ひえーっ!親だったら卒倒しちゃう(・o・)
    大学内で権力を持ってそうな男に媚びて、自分を大事に出来なくなってしまう…昔のかっこ良かった彩子はどこに!?
    でも、芯の部分では変わってなくて、最後には自分で呪いを解くことが出来て本当に良かった^^

全169件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

柚木麻子(ゆづき あさこ)
1981年、東京都生まれの小説家。立教大学文学部フランス文学科卒業。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」で第88回オール讀物新人賞を受賞し、2010念二同作を含む初の単行本『終点のあの子』を刊行。2014年に『本屋さんのダイアナ』で第3回静岡書店大賞小説部門受賞。2015年『ナイルパーチの女子会』で第28回山本周五郎賞受賞、直木賞候補に。2017年『BUTTER』で直木賞候補。2019年、『マジカルグランマ』が第161回直木賞候補となる。

本屋さんのダイアナ (新潮文庫)のその他の作品

柚木麻子の作品

本屋さんのダイアナ (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする