あとかた (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 452
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101203812

作品紹介・あらすじ

実体がないような男との、演技めいた快楽。結婚を控え“変化”を恐れる私に、男が遺したもの(「ほむら」)。傷だらけの女友達が僕の家に住みついた。僕は他の男とは違う。彼女とは絶対に体の関係は持たない(「うろこ」)。死んだ男を近くに感じる。彼はどれほどの孤独に蝕まれていたのだろう。そして、わたしは(「ねいろ」)。昏(くら)い影の欠片が温かな光を放つ、島清恋愛文学賞受賞の恋愛連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • あとかた
    千早茜さん。

    第二十回島清恋愛文学賞受賞

    登場人物が次々に物語の主役になる短編集。
    それぞれの気持ちが、伝わった 。

    おもしろかった。

  • 恋愛において人それぞれの内面的な視点が描かれていて面白かった。私が実際に出会ったことがなくても、励まされることばが確かにある

  • 千早茜さんはたまに読むと、がっつり引きずりこまれる作家さん。

    今回は初めての短編連作集。
    正直、なんだかこなれてしまった感が。
    鶴の恩返し、よろしく、自ら血を流しながら描いている印象を勝手に抱いていたので。うん。

    一番響いたのは「ねいろ」。
    「ゆびわ」も終わりに近づくにつれハマった。

    でもなんかもやもやと輪郭のない不穏な感じが、千早茜さんぽかったかも。

  • 「ほむら」から連なる6つの短編。登場人物が緩やかに繋がり、それぞれの視点から物語が紡がれていく。
    誰もが孤独で、愛を渇望し、それでいてそんな自分の気持ちにすら気づいていない。物わかり良く、相手のためと自分の気持ちに無意識に蓋をして・・・このザラリとしたほの昏い雰囲気が心地よい。
    「ゆびわ」のラスト、遊びの関係のはずが、やはりどこまでも愛を求めていることに気づいた明美の涙がいい。

  • 誰かを愛していること、又は誰かに愛されていることで、自分の存在を確認できる。そんな男女の愛の影を切なく描く恋愛連作短編集。
    松本と藤森の不器用な若者二人の物語が秀逸。ゴールデンタイムのドラマでは演出できない、一瞬の心の変化の描き方が素晴らしい。「今日、藤森が帰ってきたら笑おう、と思った。藤森の笑う顔が見たいから」…涙が出た。

  • イナダのマジック指輪と松本が藤森に電話して「今晩ハンバーグが食べたい」の処がグーンと来た

  • 何も残したくない、残してほしくないと願っているのに、気付いたら何らかの形を残している。
    手形やマジックで書いた指輪、結婚指輪。
    だけどそんなものじゃ安心できない不安定な関係。
    サキと松本の大人と子どもの中間地点のような関係性が心地よくて可愛い。
    お互いに自分も相手も子供だって気付いた時やっと向かい合うことができたと思う。

  • ぐっとくるものがない。
    そう思っていた。

    だが、アルコールを入れた瞬間に文章がするすると溶けるように入ってきた。

    自身の無い嘘ばかりの生き方を持っている自分にとっては、正直になればなるほど訴えかける話かもしれない。

  • うろこがよかった。
    こういう救われる話がいい。

    てがたとゆびわは、
    こうやって結婚したって子どもいたって、
    2人がずっと幸せじゃないってリアルというか、
    納得感あるんよな。

    ねいろもなんか分かるよね。
    嫌われたくないから、煩わせたくないから、失いたくなるから、
    我慢して物分かりのいい顔をしておけば不満や寂しさを必死に見ないふりをしていた。
    気持ちに正直に生きることが難しいので終わるのがちょうどいい。

  • 容貌の美しさって、物語を成立させる力になるんだなぁ、と改めて感じた。

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2019年 『夜に啼く鳥は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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