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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784101203836
作品紹介・あらすじ
好きに食べて、好きに生きる――。茶をこよなく愛する記録魔の作家千早茜。季節を問わずかき氷を食べまくるストリッパーの元書店員新井見枝香。気が合う以上に「胃が合う」ふたりが集えば、とびきりの美味追求がはじまる。銀座のパフェ、芦原温泉のにごり酒、京都の生湯葉かけご飯、神保町の上海蟹。果てなきおいしさと人生の岐路を描く往復エッセイ。文庫版で番外編50ページ分を新たに収録。
みんなの感想まとめ
食を通じて二人の関係性や生き方が描かれた往復エッセイは、単なるグルメ紹介に留まらず、深い人間ドラマが織り交ぜられています。千早茜と新井見枝香は、食への情熱を共有しながらも、それぞれの個性や価値観が際立...
感想・レビュー・書評
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食レポ系のエッセイかな、と思った。
千早茜、新井美枝香、2人の往復エッセイ。
ふたりとも、美味しいものには目がなくて、
食への姿勢が合うらしい。
ただ何でもいっぱいと言うのではなく、好みに合致したものをかなりたっぷりと!
新井どん(文中千早さんがそう呼ぶ)は好みの物や事に正直で、思い切りよく、ひと目を気にせず豪胆!
しかし、繊細であり、配慮も出来て、気を許している人への可愛らしさが、いい味出している。
ちはやん(文中新井さんがそう呼ぶ)は、自分の事を記録魔と云う。
人の記録にはルールがある。
まず決して暴いてはいけない。
その人が見せてくれる顔、言動を文字にするだけ。
こういう人だろう予測を立てる事も、話してくれない事を探ることもしてはいけない。
自分の意図が絡むとそれは、もう記録ではないから。
そばにいることを許されているのだと忘れないようにする。
ちはやんの母は国語教師だった。
その母に毎日、日記を提出する日課があった。
赤ペンで真っ赤に染まった日記が返ってくる。
5歳頃からの積み重ねが今の素晴らしい文章表現に繋がっているのだろうか。
結局、この本は単なる食レポではなかった。
(美味しそうな店はいっぱい出てきたけれど!)
2人、それぞれの生き方、人との関わり方、大切にしていることが書いてあった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
カリスマ書店員の新井氏と千早茜氏の食に纏わる往復エッセイ集。この本が面白いのは単にグルメ紹介本でなく、むしろ、同好の士が四つに組んで食べ物に挑む気迫がそこかしこに表れているからと思う。境遇も生活も異なる2人の互いを思いやる気持ちや、それでも「胃」が引き寄せられる関係性がとても気持ち良くて堪能した。餌場が同じ野良猫とは言い得て妙だった。
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新井さんも千早さんも知ってるけど、こんな文章を書くお二人なんだなーと、知って新鮮。
千早さんのエッセイも読んだことあるけど、それとはまた違った文章に感じて、面白かった。
こんなにたくさん食べれるなんて、なんで羨ましい。金銭的にもそーだけど、そもそもここまで胃に容量がない笑
羨ましすぎる。そして太らないだなんて!
単なる食についてのエッセイだけじゃなくて、人生の話にもなっており、そこもまた良かった。
すこーしずつ関係性が、変化しているのになぜかとても良い温度でまた読みたいと思った。 -
「同じ餌場の野良猫同士」
そんな表現がなんとも可愛らしい。
好きなものを好きな時に好きなように食べるという、一見簡単そうなのにやろうとしてもなかなかできない現代社会とそこに居座る人間関係。
それらをぶち壊しに来る往復エッセイだ。
人との向き合い方も、好きな食べ物への向き合い方も人それぞれだが
人がどう向き合っているのかを探るのは思いのほか面白い。
場所が銀座だから、高級ホテルのディナーだから…彼女たちが言っているのはそんなことではない。
もちろんTPOは意識するだろうが、自分が好きなもの、欲しているものに対しての熱視線が凄まじい。
変な遠慮や中途半端な気遣いはない。
美味しいものを、ただ全力で。
好きなものを、今欲するものを、全力で求めているだけ。
食べ物にも職人さんにも、その場で一緒の時を過ごす友人にも、ただただ全力で好きなように向き合うだけ。
人と人が一緒にいるのは当たり前ではない、そのことをこの二人は無意識にか意識的にかわかっている。
だからこその絶妙な距離感なのだ。
しんどさや悩みや秘密、それら全てを共有したりはせずとも、一緒にいるその時間をめいっぱい楽しむ。それは自己中心的なのではなく、相手への敬意でもあるのだ。
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同じ出来事や食べたものを、2人の視点から描いた往復エッセイ。
思った以上に深く濃い内容のエッセイで、とても読み応えがあった。
出てくる食べ物が美味しそうなのは言わずもがな、それを味わうというか、もはや食らうかのような2人の描写が野生的で本能的で、気持ちいいくらいだった。
食にここまで真摯に向き合う姿勢にも感服。
また、食べものの話だけでない、2人の人との付き合い方や人生観みたいなものもたくさん書かれていて、とてもおもしろかった。
唯一無二の2人の関係がカッコイイ! -
装丁に惹かれて購入した一冊。
タイトルにある様に、食への価値観が一緒の二人が、交互にエッセイを描いてく変わり種作品。
異性が書いた話だからか、食にあまりこだわりがないからか、自分にはあまり刺さらず、読み終わるのにかなり時間がかかってしまった。 -
出てくる食べ物がどれもこれも美味しそうでお腹が空いたし、食事にもっと集中して食を大切にしようと思った。
私は好きな作家のひとりに千早茜を挙げるが、好きな所のひとつに「食べ物の描写が異様に上手い」というのがある。どの作品でも読むとお腹が空いたり、作中に出てきたものを自分も食べたくなる。きっと美味しいものをたくさんご存知なのだろうと思っていたが、食に対する意識が私と全然違った。目の前にあるものを五感でまるっと体験し、それらをメモすることで経験値として蓄積している。彼女の文章には普段の積み重ねが遺憾無く発揮されているのだろう。
そんな『ちはやん』の胃の合う相棒『新井どん』こと新井見枝香という人のことを私はこの本で初めて知ったのだが、なかなかその辺にはいないユニークな方だと思う。文章も結構アクロバティックというか、「見事な着地」と思わず拍手したくなるような意外な発想は面白くて思わず笑ってしまう所が多々あった。
食に対して似た意識を持つ二人が一緒に食べながら全然違うことを考えているのが判明したり、二人の関係性が楽しい。こんな関係性の友人が私もほしいと少し羨ましくもある。挿絵はおふたりそれぞれのハイライト部分を一つの絵にうまく落とし込んでいてまた笑ってしまう。
これを読んでどうしても気になって初めて湯圓を食べたのは良い思い出。次は家で中国茶を楽しもうと思っている。 -
すごい素敵なエッセイだと思った。
食べることが好きな2人だけど全然違うようで、お互いにリスペクトを持ち続けているから似てるように感じる。
人生観の深掘りもよかった。
これを読んでたら周りの人って自分より自分のことよく見えてるよなって思う。 -
ものすごく良かった!!!食べものにまつわるエッセイを、また読み返すだろうなって思えたのは初めてかもしれない。美味しいものを美味しいねって言い合える人に贈りたくなる本。
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食に対して真剣に向き合う二人がただ美味しいものを食べているだけではなく、日常のなかの生活の変化、友達に対する思い等も書かれています。自分はおそらく一般的な会社員なので、普段知ることができない職業の方々の暮らしぶりも垣間見えて、楽しかったです。
食べ物もとても美味しそうで、絶対に食べに行こうと決めたものがいくつかありましたが、すでにお店がなくなってしまっているところもありました。無念。
お二人の仲の良さ、お互いを大切に思っているのが伝わってくる一冊でした。 -
食べ物エッセイではなくて、食のスタイルが合う二人の往復書簡と感じた
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表紙のイラストで、ほんわかしたエッセイを想像していたが、ハードな文章だった。
他の著書も読んだ上で、もう一度読みたい。 -
1人で食事するのは寂しいし、誰かと食事すると会話に気を遣って味わえないし、と思っていたけど、「自分と同じくらい食事に集中できる人」と食事することがベストなのでは!と、この本を読んで感じた。
「人は変化していく。友情だって、愛情だって変わるし、相手の気持ちはわからない。人は誰もが自分以外のリアルを知らないのだ。けれど、同じものを食べて、美味しいと言い合うその瞬間だけは信じられる気がする。」 -
胃が合う2人でも、食を通した同じ出来事を交互に違った視点や考え方で表現している点が読んでいて面白かったし、人生観もうかがえた。
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おそらくお二人は、食を通して「ひとつ」になっていくのが嫌なんだろうな、と。
それぞれ独立した食材が、口の中で咀嚼されて、ぐずぐずの「ひとつ」になってしまう感じ。だけどお二人は、一緒に食事しても独立した「ひとりとひとり」でいられるから、それが心地良いのだろうな、などと考えてしまった(赤の他人がそのように分析し決めつけるのは、ひどく失礼だし無粋だとは思うが)。
食に対する妥協のないスタンスが、もはや運命的と言えるほど合っているのだろうな。
食に対するスタンスってもしかしたら一番重要で、そこが合わないと他の性格や価値観的なアレコレも合わないだろうし、だからお二人がとても羨ましく思えた。
自分ももっとパフェと真剣に向き合っていきたいと思った。 -
食と友情のエッセイ。新井さん→千早さんの順で同じ食事について胃の合うふたりが書いてます。
ふたりとも変わってて一人でも平気のタイプ、むしろ大人数の人付き合いが苦手そう。ひとりでも平気だけど誰かといるからこそ感じられる自分には想定外の行動や感覚を楽しめる共著。
ふたりとも違った方向にユニークなタイプで、見える景色や感じ方が結構違うので読んでて楽しいし、でもこういうところが友達なんだなーって共通する感覚も持っているので読んでて安心もします。
たとえば、千早さんが新井どんは自由だなーと思っているとき、まさにそのとき、新井さんは、一応ちはやんのことを気にしてたりして、そういう視点の違いで分かる、同じ行動の裏の感情がすごく読んでて楽しかった!
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笑って読んでいたはずなのに、時折、するどい言葉にハッとさせられました。それも、2人それぞれに。
大人になっても、いや、大人になったからこそできる友達づきあいがあるのよね。あと、無性に何か食べたくなるなあ。
直木賞受賞に「おめでとう」とひっきりなしに祝われて「ありがとうございます」と打ち込み続けるうちに、ありがとうのゲシュタルト崩壊を起こしかけていた千早さんの元に、新井さんが「乾杯!」とスタンプを一つだけ送ってくれて反射的に「おうよ!」と返して調子を立て直すエピソードが好き。 -
胃が合うふたりってすてき。
パフェが食べたい。 -
電車で「銀座パフェめぐり編」を読んでいて噴き出した。
「パフェに失礼のないよう正装で行きましょう」というパフェ先生こと斧屋さんが同行するパフェツアー。銀座で5軒を食べ歩き。胃がうらやましい。
「すべての愛がパフェに向いて揺るがないため、どうも斧屋さん本人に愛情を注ぐ気になれない」という新井さんのコメントがおかしい。「私はサラダが嫌いだ。野菜が嫌いというわけではなく、腹の足しにならないすかすかした葉野菜に金を使いたくない。」と断言する千早さんにうっとり。
旅先のシャンプーの話なんかが「透明な夜の香り(千早茜)」につながるのかなと思いながら読む。とにかく美味しそうなものが次々と登場して、おなかがすくエッセイ。
読み終えて著者紹介を見てから、新井賞の新井さんと知った。想像以上にユニークな方でとても好きになった。
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