胃が合うふたり (新潮文庫)

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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101203836

作品紹介・あらすじ

好きに食べて、好きに生きる――。茶をこよなく愛する記録魔の作家千早茜。季節を問わずかき氷を食べまくるストリッパーの元書店員新井見枝香。気が合う以上に「胃が合う」ふたりが集えば、とびきりの美味追求がはじまる。銀座のパフェ、芦原温泉のにごり酒、京都の生湯葉かけご飯、神保町の上海蟹。果てなきおいしさと人生の岐路を描く往復エッセイ。文庫版で番外編50ページ分を新たに収録。

感想・レビュー・書評

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  • 千早茜と新井見枝香による、美味探究の往復エッセイ『胃が合うふたり』、新潮文庫より1月29日発売! | 株式会社新潮社のプレスリリース
    https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001874.000047877.html

    作家の読書道 第149回:千早茜さん - 作家の読書道(2014年6月18日)
    https://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi149_chihaya/

    千早茜|好書好日
    https://book.asahi.com/writer/11007046

    新井見枝香(@honya_arai) • Instagram写真と動画
    https://www.instagram.com/honya_arai/

    新井見枝香(新井みえか)|note
    https://note.com/honya_arai

    ファッション!! - はるな檸檬 / 年賀イラスト | OUR FEEL(アワフィール)
    https://ourfeel.jp/episode/2550912965057021247

    はるな檸檬のプロフィール - 映画ナタリー
    https://natalie.mu/eiga/artist/10328

    『胃が合うふたり』 千早茜、新井見枝香 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/120383/
    (単行本)
    https://www.shinchosha.co.jp/book/334193/

  • ⬛︎良い意味で裏切られた珠玉のエッセイ

    2人の名前も知らずに、表紙とタイトルに惹かれて購入。予想外のエッセイにとても良い意味で裏切られました。ご飯屋さんをめぐるほっこり食エッセイかと思いきや、ちがうちがう。
    ウマは合うけど真反対な性格の2人が綴る価値観や人生観が面白くて、するすると引き込まれていきました。

    私は千早さん寄りの…変化は求めず、コツコツと一つのことに向き合う性格ですが、新井さんは本当に真反対で、欲望のままにやりたいことをして生きる姿がとても眩しく見えました。

    あまりの新井さんの自由さに「なんなんだこの人は!?」「千早さんはなぜついていけるんだ!?」なんて最初は思いました。しかし読むほどに、彼女は本能に正直で裏表がなくて、心の奥底の大事なところでは人を慮り尊重する仕草を感じて…そういう価値観を千早さんは理解しているからなのかな、と感じました。

    ー(新井さん)人の姿形、立ち居振る舞いに、自分の心がマイナス方向へ揺れ動くことは、とても愚かだと思う。

    ー(千早さん)新井どんは時折すっと退くのだ。衝動的な感情で人を傷つけ、自分も嫌な思いをしないように。〜ふと生じる距離感は、言葉足らずな彼女の優しさだった。

    ー(千早さん)彼女は嘘をついていなかった。本当のことを言うのは、適当な理由をでっちあげるよりしんどい。

    ー(千早さん)新井どんからメッセージがきた。「ああ、愉快な旅だった」と書いてあった。あんなに迷惑をかけたのに。

    また、印象に残ったのは新井さんの嫉妬と悔しさの違いといった価値観です。

    ー(新井さん)人は人、私は私。そういうスタンスであることと、くやしい感情は別のものだ。他人の自慢話はモチベーションを刺激する。〜〜溢れんばかりの「おめでとう」のどこかに「くやしい」があるはずだ。〜100パーセント手放しで「わーすごいね!おめでとう!」と言って終わりなら、あまりにも向上心がなさすぎる。妬み嫉みとは別の、純粋な刺激を相手から受け取らないのだとしたら、これほどつまらない友人関係はないだろう。

    嫉妬と悔しさをイコールで考え、それらの感情を
    悪とし「嫉妬しない」を意識していた自分は、金槌で頭を殴られた感覚になりました。そうか、刺激か。プラスに昇華できる悔しい気持ちは、もって然るべきなんだ…と。

    軸は食事エッセイなので、行ってみたいなあと思うお店もたくさんありました!

    老舗の北島亭、新井どんが死ぬ前に飲みたいスープがあるコム・ア・ラ・メゾン、中国茶藝館の甘露など…

    2人の素敵な関係性を見ると、自分も誰かとご飯に行きたくなりました。

  • 真反対の性格のふたりが同じ(食べ)ものをどう見て、どう捉えるかが面白い。友達でも所詮他人なふとたりの交換日記、ずーっと見ていたい

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著者プロフィール

1979年北海道生まれ。2008年『魚神』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。09年に同作で泉鏡花文学賞を、13年『あとかた』で島清恋愛文学賞、21年『透明な夜の香り』で渡辺淳一賞を受賞。他の著書に『からまる』『眠りの庭』『男ともだち』『クローゼット』『正しい女たち』『犬も食わない』(尾崎世界観と共著)『鳥籠の小娘』(絵・宇野亞喜良)、エッセイに『わるい食べもの』などがある。

「2021年 『ひきなみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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