絶叫城殺人事件 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 202
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101204338

感想・レビュー・書評

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  • 受験無事に終わりました!
    わーい!!!

    というわけで、5ヶ月ぶりの読書。
    まずは軽いの、と思って選びました。
    有栖川有栖は、こっちじゃなくて学生アリスシリーズが好きなのですが、短編も面白かった(o^^o)
    大学生になっても読書は続けようと思います!

  • お気に入りは黒鳥亭殺人事件と月宮殿殺人事件。黒鳥亭は女の子との会話のやりとりが、月宮殿は建物の描写がとても綺麗で印象的。

  • 【気分転換シリーズ】

    火村英生の短編シリーズ。
    ①黒鳥亭殺人事件
    小さい子供が出てくる殺人事件はちょっと悲しい。ミステリとしてはいい出来。

    ②壺中案殺人事件
    トリックがそんなに面白くなかった。

    ③月宮殿殺人事件
    この話は好き。ホームレスのおっちゃんが建てた建物の描写がきれい。

    ④雪華楼殺人事件
    この話はいまいち。あんな謎解きはないだろう。偶然じゃん。

    ⑤紅雨荘殺人事件
    物語に入れず、建物のきれいなイメージも持てず。

    ⑥絶叫城殺人事件
    この短編集の中で一番派手な事件。警察の大規模な捜査や事件の魅力、「安易なゲーム批判」への批判、見ていて面白かった。ただ、本当の連続殺人犯への細かい描写がもっとほしかった。

  • まえから気になってた有栖川有栖。6つの建物で起きた殺人事件を火村と有栖が解決するミステリ。

    ホラー要素もあってこわいとこもあったけど短編なので読みやすかった。個人的に紅雨荘の話が好き。

  • 「絶叫城殺人事件」
    静かな作品が多かった中でこの作品が一番読みやすかった。 犯人も意外だったし。
    最後の被害者の気持ちを考えるとなんとも言えなくて深く考えさせられた。

  • 『黒鳥亭殺人事件』と『絶叫城殺人事件』のために星五つ。
    有栖川作品の特徴である寂寥感が色濃い短編集だと思う。

    『黒鳥亭殺人事件』では、終盤、真樹ちゃんの天使のように無垢な振る舞いと笑顔が胸を打つ。
    なんの自覚もないままに行ってしまったことだけど、将来成長して過去の自分の行いに気づいたとき、彼女はどうなるんだろう。子どもの無垢さというのは、雪のように綺麗で儚いものだなと思った。

    『絶叫城殺人事件』は有栖川作品の中でも一、二を争うほど好きな作品。
    まずは作中のゲーム『絶叫城』がすごく面白そう。久しぶりにゲームがしたいなと思ってしまった。
    この作品で印象的なのは、後半のアリスの激昂。火村のためにフィールドワークに同行し、静かな語り部に徹するアリスが、ここまで感情を荒ぶらせるのは珍しいことで、すごく印象的。

    『雪華楼殺人事件』は「こりゃないだろー」っていう仕掛けだけど、涼とみずえの若くも悲しい生活を描写する筆力に呑まれて、まんまと切ない気持ちになってしまった。

  • 本当は、私は作家アリスシリーズの長編が読みたいのだ。
    だけど、作家アリスシリーズの短編は本当にどれもレベルが高くて、長編と同じくらいの満足感が得られる。本作品もそういった短編集の一冊。
    多分、キャラが良く書けてることが成功に繋がってる。
    作家アリスの有栖川は学生アリスシリーズの作者で、学生アリスの有栖川は作家アリスシリーズを書いてる、という設定らしいが、作家としては学生アリスの有栖川の方が上な気がしてる。

    どれも建物に関係する事件だけど、亭、庵、殿、荘、城、と建物を表す漢字をダブらせずにタイトルにしてる。(まだあるな、堂、家、邸、館、屋…有栖川さん続編行けるんと違いますか?)
    本作品でも火村とアリスはイイ感じにいちゃいちゃしてる。

    ・黒鳥亭殺人事件…出だしが長編感満載。これだけの重厚感を短編に捧げるなんて贅沢だ。
    殺人を憎んでる火村が、無垢な少女が結果的に起こしてしまった殺人に対した時の配慮に感銘を受けた。探偵にはどんな事件でも真実を暴かないと気が済まない人種がいるけど、火村には人情がある。まともだ。
    「女嫌いだが、子供は嫌いではない火村が言う。」、って火村先生やっぱり女は嫌いなのねーそうなのねー、と腐女子的思考回路が刺激されました。本作品の個人的ポイント。

    ・壺中庵殺人事件…こういう場合最初に部屋に入った人がアヤシイから、犯人は分かってしまった。地下の書斎、なかなか使いにくそう。

    ・月宮殿殺人事件…『双頭の悪魔』を読んだばかりで、シュヴァルの理想宮ネタまた来た、って印象。しかし結末は建物関係なかった。こういう目眩ましの設定をとても詳細に詰めるところが有栖川さんらしい。見事につられた。

    ・雪華楼殺人事件…建物からたまたま外に投げた瓶が落下してきた人の頭に当たったとか、有栖川さんにしては珍しく「そんなバカな!」的趣向。たまにはイイ。

    ・紅雨荘殺人事件…二つの似通った建造物を利用して殺人現場を移動させるネタ。手の込んだ事件で面白かった。ただ、紅雨荘を舞台にした映画はあまり面白そうに思えなかった…。

    ・絶叫城殺人事件…中編と言っていいくらい長めの話。愉快犯(?)の犯行動機は現代にはびこる問題とリンクする。もし身内が連続殺人犯だと知ってしまったら、自分はどうするだろう。
    火村の勧善懲悪を堪能できる話でした。

  • 火村とアリスの名コンビシリーズ!
    六つの短編集!ミステリアスな難解に、名コンビが挑んでいく。犯人探しをしてしまう展開に、非常に読みごたえがあった!とくに、NIGHT PROWLERの連続殺人は、どんでん返しが待ち受けていて、印象に残った!

  • ※再読

  • 「黒鳥亭殺人事件」
    画家の天農仁と娘ちゃん登場。お噂は以前に、の火村とアリスの同級生で共通の友達という人物。叔母?から譲りうけた家に住んでいたところ、庭の井戸から変死体が発見されて、一体どういうことなのか、その謎を解いてほしい、と言われ、件の家に赴く二人。
    お客さんがいて眠くないと粘る娘の真樹ちゃんの相手をするアリスとか!かわいいかよ!っていう。その間に火村にことの起こりを話す天農。耳の聴こえない九官鳥、二十の質問、童話の読み聞かせ、などいろんなヒントが散りばめられていて、最後に綺麗に回収していくんですけど、結末がなんとも後味が悪くて、思わずこれ、そういうことであってる?と答え探しをしてしまいました。
    真樹はどうなったんだろうな…。これは事実を知っていても、知らなくても、どうにもならないモヤモヤが残るんだろうな、と思ったのでした。

    「壺中庵殺人事件」
    資産家が地下に作った自分だけの空間の中で殺される密室殺人。当初は自殺かとも見られたけど、死体の具合もおかしいし、もしや関係者の中に犯人が、という展開。容疑者はお手伝いさん、資産家の囲碁?仲間、隣に住む実の息子の三人で、さあだれだ、というとても王道中な王道のお話。異様なのは死体が地下室への扉にぶら下げられた上で、頭の上からツボをかぶっていたというその姿で、火村先生が犯人に詰め寄る最後のところが割とこう…なんというか軽蔑している感じが満載でしたね。あれ?変な感想。

    「月宮殿殺人事件」
    アリスがたまたま通りがかった川原で見かけた、端材やガラクタで作られた立派な小屋(家?)に、火村と再び通りかかったら、どうも火事にあって宮殿は焼失してしまい、建設者兼住人が火事に巻き込まれてなくなってしまう。その住人のホームレス仲間がそこにはいて、以前もアリスは話をしたことがあったことから、何があったのか聞いてみると、その人は近所の悪ガキがいたずらで火をつけたところ、その火事に巻き込まれたというんだけど、警察の聞き込みとどうも話が食い違うようで…。
    月宮殿というネーミングからのミスリードで謎が作られているのでした。
    最後に火村センセが大量のファックスをアリスあてに送るところが、なかなか茶目っ気があっていいと思います。
    それにしても二人はどこへ行った帰りだったんだろう…(多分フィールドワークですけど)。

    「雪華楼殺人事件」
    建設が中断された、六角形の雪の結晶を模したと思われる旅館で起こった事件の調査に向かう二人。柵も何もない屋上に残された一組だけの足跡と、転落してうつ伏せに倒れている男の後頭部の裂傷の謎を解く話。自殺なのか、事件なのか、事故なのかを検証していくんですけど、事件だとしたら容疑者は電気もガスも通っていないこの旅館で、男と同棲していた女の子と、たまたま先に住み着いていた無職のおじさんの二人。だけど事件にしては状況がおかしい、というところから検討を重ねた結果、すごい偶然の結果、おかしな状況になってしまった、という結論になるんですよね。
    死んだ男と同棲していた女の子が、たまたま腹いせまぎれに投げたボトルが、自殺をしようと屋上から飛び降りた男の頭に当たって、後頭部に裂傷のある、死体が出来上がってしまった、と。
    淡々とした火村せんせに対して、やけにセンチメンタル全開なアリスでしたね。いやもともとアリスは割とロマンチストでセンチメンタルなやつだとは思っていますけれども。
    あとがきで、このトリックととても似通った偶然が現実に起きてたらしいことにも触れられてましたね。映画『マグノリア』の冒頭で紹介されてるらしんですけど、それも気になる。ご本人はその偶然は知らなかったようで、参考にしたんじゃないかと思われるかもしれないと、ちょっと悔しかったとありましたね。

    「紅雨荘殺人事件」
    これはまた美しい情景をテーマにした作品かなと。
    映画にも使われた、紅葉をモチーフにしたお屋敷で、その女主人の死体が見つかって、容疑者として上がったのは、女主人の三人の子供と従妹の計四人。自殺かとも疑われたんだけれども、どうも状況がおかしくて…という話なんですけど、トリックが、ある意味大胆だなという。
    女主人を殺したのは従妹だったんだけれども、家の資産価値を守ろうとした子供達が、見つけた自分の母親の死体を別の場所に移してしまったために、話が難しくなった、というのがオチで。子供達の自己中心的な考え方がなかなか狂気だな…などと思ったのでした。この死体移動のトリックを実現するために、死体発見場所のリビングの絨毯を全部取り替えるっていうところに大胆さがありますよね。
    従妹はビスクドール作りの先生で、犯行動機は自分の糧となっている綺麗な思い出を穢されてついカッとなってしまった、というもの。その部分の話を見ると、女主人もなかなかの人物で、誰にも慕われなくても仕方ないよなあ、などと思ってしまうのでした。

    「絶叫城殺人事件」
    これはドラマでやってたのを見ましたね!ので、割と覚えてました。
    人気のホラーゲームを模したかのような連続殺人事件が起こり、ただ、最後の犠牲者だけが他とちょっと様子が違うところから、犯人に行き着く話。
    これはなんとも切ない結末なんですよね…。犯人は事故にあったことで、ゲームの模写としての事件は完成させられなかった。しかも事故自体は結構大きな事故だったから、これから先、体は思うように動かなくなるんじゃなかったかな。最後の事件の日、犯人はアリバイがないわけだけども、その犯人の実の姉が、この犯人に行き着いていて、弟の犯行を隠すために、猟奇殺人犯に殺されたかのように装って、一世一代の大芝居を打つんですよね。しかも命がけで。まあ、結果的にはその違和感から、火村せんせは犯人にたどり着くわけですけども。
    アリスが最後に犯人に、なんでこんなことをしたんだ、と尋ねた時の犯人の答えが、「現実とヴァーチャルの境界が分からなくなるというのがどういう感じが知りたかった」という答えで、これはなかなか風刺がきいている…。と思ったのでした。

    あとがきはこのシリーズが初めての「○○殺人事件」というタイトルをまとめたものであり、せっかくだからもう一捻りと「館」シリーズにしたそうで。言われてみると、作家アリスシリーズは国名シリーズの印象が強くて、それはどれも国名+○○の謎、タイトルになってるんですよね。そういうことも考えて創作できるのすごいな…と思うなど。
    あと、火村とアリスの音楽の好みの話が出てくるんですけど、クラシックの『ゴールドベルク変奏曲』のグレン・グールドじゃなくて、スコット・ロスの方が私の好みで、などということをさらっと入れてくるあたりがとてもおしゃれであり、知識の幅の広さに感服させられます。。ちなみに、グレン・グールドはステージを拒絶して、スタジオ録音が残っているのに対して、スコット・ロスはライブ演奏を収録した盤があるそうで。それがそれぞれの好みに合っているというところに、人柄の違いを出してくるとかそういうのにくい演出ですよね。機会があったら聞いてみよう。

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著者プロフィール

有栖川 有栖(ありすがわ ありす)
1959年、大阪市東住吉区生まれの小説家・推理作家。有栖川有栖・創作塾の塾長。
同志社大学法学部法律学科卒業後に書店へ就職。それまでも学生時代から新人賞や雑誌への投稿を繰り返していたが、1989年江戸川乱歩賞に投稿した『月光ゲーム Yの悲劇 '88』が東京創元社編集長の目に止まり、大幅に改稿した上で刊行し、単行本デビューとなった。1994年、書店を退職して作家専業となる。1996年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。1999年から綾辻行人と共作でテレビ番組『安楽椅子探偵』シリーズ原作を担当する。
2003年、第56回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した『マレー鉄道の謎』、2007年発表作で「本格ミステリ・ベスト10」で第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」で第3位、「黄金の本格ミステリー」に選出と高く評価された『女王国の城』など、多くの作品がミステリ賞で高く評価されている。
2000年11月より2005年6月まで、本格ミステリ作家クラブ初代会長を務める。

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