絶叫城殺人事件 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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本棚登録 : 1998
レビュー : 204
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101204338

感想・レビュー・書評

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  • 受験無事に終わりました!
    わーい!!!

    というわけで、5ヶ月ぶりの読書。
    まずは軽いの、と思って選びました。
    有栖川有栖は、こっちじゃなくて学生アリスシリーズが好きなのですが、短編も面白かった(o^^o)
    大学生になっても読書は続けようと思います!

  • お気に入りは黒鳥亭殺人事件と月宮殿殺人事件。黒鳥亭は女の子との会話のやりとりが、月宮殿は建物の描写がとても綺麗で印象的。

  • 【気分転換シリーズ】

    火村英生の短編シリーズ。
    ①黒鳥亭殺人事件
    小さい子供が出てくる殺人事件はちょっと悲しい。ミステリとしてはいい出来。

    ②壺中案殺人事件
    トリックがそんなに面白くなかった。

    ③月宮殿殺人事件
    この話は好き。ホームレスのおっちゃんが建てた建物の描写がきれい。

    ④雪華楼殺人事件
    この話はいまいち。あんな謎解きはないだろう。偶然じゃん。

    ⑤紅雨荘殺人事件
    物語に入れず、建物のきれいなイメージも持てず。

    ⑥絶叫城殺人事件
    この短編集の中で一番派手な事件。警察の大規模な捜査や事件の魅力、「安易なゲーム批判」への批判、見ていて面白かった。ただ、本当の連続殺人犯への細かい描写がもっとほしかった。

  • まえから気になってた有栖川有栖。6つの建物で起きた殺人事件を火村と有栖が解決するミステリ。

    ホラー要素もあってこわいとこもあったけど短編なので読みやすかった。個人的に紅雨荘の話が好き。

  • 「絶叫城殺人事件」
    静かな作品が多かった中でこの作品が一番読みやすかった。 犯人も意外だったし。
    最後の被害者の気持ちを考えるとなんとも言えなくて深く考えさせられた。

  • 『黒鳥亭殺人事件』と『絶叫城殺人事件』のために星五つ。
    有栖川作品の特徴である寂寥感が色濃い短編集だと思う。

    『黒鳥亭殺人事件』では、終盤、真樹ちゃんの天使のように無垢な振る舞いと笑顔が胸を打つ。
    なんの自覚もないままに行ってしまったことだけど、将来成長して過去の自分の行いに気づいたとき、彼女はどうなるんだろう。子どもの無垢さというのは、雪のように綺麗で儚いものだなと思った。

    『絶叫城殺人事件』は有栖川作品の中でも一、二を争うほど好きな作品。
    まずは作中のゲーム『絶叫城』がすごく面白そう。久しぶりにゲームがしたいなと思ってしまった。
    この作品で印象的なのは、後半のアリスの激昂。火村のためにフィールドワークに同行し、静かな語り部に徹するアリスが、ここまで感情を荒ぶらせるのは珍しいことで、すごく印象的。

    『雪華楼殺人事件』は「こりゃないだろー」っていう仕掛けだけど、涼とみずえの若くも悲しい生活を描写する筆力に呑まれて、まんまと切ない気持ちになってしまった。

  • 火村先生とアリスコンビ好きだな〜
    本のタイトルにもなってる絶叫城殺人事件が一番面白かった。

  • 「黒鳥亭殺人事件」
    アリスと火村が友人である天農(あまの)宅を訪れる。
    小学生の一人娘と二人暮らしのその家は外装が真っ黒で「黒鳥亭」と呼ばれていた。
    天農が買い取る以前にその「黒鳥亭」で暮らしていた並木将人という男が裏庭の古井戸から死体で発見された。
    うっかり井戸に落ちたという事故ではない。死体は脳天に打撃を受けていた。
    なぜ並木はかつての家に舞い戻ったのか?
    そして、その並木が井戸の中で死んでいた理由は?

    ちょっとしたアンファン・テリブル。
    嘴が届かない水瓶に小石を投げ入れて水面を上昇させるカラスの話を模倣し、井戸に石を投げ入れた少女。
    しかし不幸にもその井戸の中には人がいた。
    面白く読んだのは話中で少女とアリスの間で交わされる「20の扉」。
    少女の用意した答えは「雪」。
    その純潔のイメージが、少女に悪意がなかったことを示しているようで救いになっている気がする。


    「壺中庵殺人事件」
    いわゆるオーソドックスな密室もの。
    首吊り死体を利用して密室を作り出すというもの。
    死体が壺を被っているという奇異な状況だが、その壺は実は「錘」であったというオチ。ちょっと弱いかな。いくらなんでも自殺に偽装する意味がなくなるってことに気づくでしょう。壺被って首吊るバカはいないだろうから。
    死体でドアを塞ぐことで密室を作り出すというパターンはよくあるのだが、今回の密室は跳ね上げの扉を開けて降りていく形の地下室。
    従来はヨコの関係でつくられる密室が、タテの関係になっているところが妙味。
    跳ね上げの扉を破壊して密室を破ったときに、死体をぶら下げていたテグスを切ることで証拠を隠滅しているところから、トリックが暴かれると同時に犯人も判明するのがミステリ的に巧い。


    「月宮殿殺人事件」
    可もなく不可もなく、かなあ。
    有栖川有栖お得意の「トリビア物」(僕の造語です)。
    「高さん」と呼ばれるホームレスの作り出した「月宮殿」が燃えた。
    その中に高さんはいた。
    火をつけた犯人は悪ガキども四人とすでにわかっている。
    事件の焦点は「高さんはそのとき中にいたのか? 燃える家の中に後から入ったのか?」という一点。
    「月宮殿」がその家ではなく、高さんが大切にしていたサボテンの種類だということが明らかになれば全てが分かるというワンアイディアの短編。
    サボテンに詳しい人には当たり前のことすぎてつまらないし、逆にサボテンに興味がない人は真相を聞いたところで何の感想も抱けない。
    「トリビア物」は、だから面白くないのです。


    「雪華楼殺人事件」
    自殺としか思えない状況での飛び降り事件。
    しかし後頭部には撲殺された跡が。
    おい、そんなこと有り得るかよ、とツッコミをいれたくなるようなオチ。
    しかし同様の事件が現実にあったという。
    「事実は小説より奇なり」とはよく言ったものだ。
    寒々とした物語を書いてみた、という作者の狙いは当たっている。
    だが、こうも思うのだ。
    現実はどんなことが起こってもいい。それは現実なのだから、そこには説得力も伏線も必要はない。
    だが、フィクションはそれでは許されないのではないだろうか。
    現実にも起こったことだから、というのは何の説得力も持たない。
    それを認めたら他のすべての「現実には起こっていない」ミステリが存在意義を失う。


    「紅雨荘殺人事件」
    殺人者と死体の移動者が別の人物であるためにアリバイが成立する(しかもそれが意図されずに)というアリバイ崩しモノ。
    「建物の価値が下がる」という理由だけで自分達の母親の遺体を移動させた子供達。
    タイトルからも連想されるような美しいイメージにそぐわない所もまた一興か。
    それにしてもアリスが「マンションのベランダの手すりに布団を干すと貧乏臭くなって価値が下がるからやめて欲しい」と管理人に言われるシーンが消極的な伏線になっているとは誰も思うまい。


    「絶叫城殺人事件」
    ゲーム「絶叫城」を模倣した「ナイト・プローラー」と呼ばれる無差別連続殺人事件犯人と火村の対決。
    この動機とトリックで長編だったらちょっと拍子抜けになるかもしれないが、連続殺人犯対火村という対決はぜひ長編で読んでみたい。
    最後の被害者は実は自殺で、犯人の姉が事件に終止符を打つために決断したことであったのだが、その辺のトリックはまあ、どうでもいい。
    興味深いのはやはり動機。
    「ヴァーチャルな世界とリアルな世界。その境目が判らなくなるっていうのがどんな感じかと…」
    アリスは心の中で言う。「生涯で聞いた最高のジョークだ」
    評論家といわれる連中が創り出した物語が生んだ事件。
    「空っぽの心には何でも入るらしいぞ」という皮肉はおそらく作者の「酒鬼薔薇事件」などを生んだ(という言い方は好ましくないが)社会へのメッセージだろう。

  • 本当は、私は作家アリスシリーズの長編が読みたいのだ。
    だけど、作家アリスシリーズの短編は本当にどれもレベルが高くて、長編と同じくらいの満足感が得られる。本作品もそういった短編集の一冊。
    多分、キャラが良く書けてることが成功に繋がってる。
    作家アリスの有栖川は学生アリスシリーズの作者で、学生アリスの有栖川は作家アリスシリーズを書いてる、という設定らしいが、作家としては学生アリスの有栖川の方が上な気がしてる。

    どれも建物に関係する事件だけど、亭、庵、殿、荘、城、と建物を表す漢字をダブらせずにタイトルにしてる。(まだあるな、堂、家、邸、館、屋…有栖川さん続編行けるんと違いますか?)
    本作品でも火村とアリスはイイ感じにいちゃいちゃしてる。

    ・黒鳥亭殺人事件…出だしが長編感満載。これだけの重厚感を短編に捧げるなんて贅沢だ。
    殺人を憎んでる火村が、無垢な少女が結果的に起こしてしまった殺人に対した時の配慮に感銘を受けた。探偵にはどんな事件でも真実を暴かないと気が済まない人種がいるけど、火村には人情がある。まともだ。
    「女嫌いだが、子供は嫌いではない火村が言う。」、って火村先生やっぱり女は嫌いなのねーそうなのねー、と腐女子的思考回路が刺激されました。本作品の個人的ポイント。

    ・壺中庵殺人事件…こういう場合最初に部屋に入った人がアヤシイから、犯人は分かってしまった。地下の書斎、なかなか使いにくそう。

    ・月宮殿殺人事件…『双頭の悪魔』を読んだばかりで、シュヴァルの理想宮ネタまた来た、って印象。しかし結末は建物関係なかった。こういう目眩ましの設定をとても詳細に詰めるところが有栖川さんらしい。見事につられた。

    ・雪華楼殺人事件…建物からたまたま外に投げた瓶が落下してきた人の頭に当たったとか、有栖川さんにしては珍しく「そんなバカな!」的趣向。たまにはイイ。

    ・紅雨荘殺人事件…二つの似通った建造物を利用して殺人現場を移動させるネタ。手の込んだ事件で面白かった。ただ、紅雨荘を舞台にした映画はあまり面白そうに思えなかった…。

    ・絶叫城殺人事件…中編と言っていいくらい長めの話。愉快犯(?)の犯行動機は現代にはびこる問題とリンクする。もし身内が連続殺人犯だと知ってしまったら、自分はどうするだろう。
    火村の勧善懲悪を堪能できる話でした。

  • 火村とアリスの名コンビシリーズ!
    六つの短編集!ミステリアスな難解に、名コンビが挑んでいく。犯人探しをしてしまう展開に、非常に読みごたえがあった!とくに、NIGHT PROWLERの連続殺人は、どんでん返しが待ち受けていて、印象に残った!

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著者プロフィール

有栖川 有栖(ありすがわ ありす)
1959年、大阪市東住吉区生まれの小説家・推理作家。有栖川有栖・創作塾の塾長。
同志社大学法学部法律学科卒業後に書店へ就職。それまでも学生時代から新人賞や雑誌への投稿を繰り返していたが、1989年江戸川乱歩賞に投稿した『月光ゲーム Yの悲劇 '88』が東京創元社編集長の目に止まり、大幅に改稿した上で刊行し、単行本デビューとなった。1994年、書店を退職して作家専業となる。1996年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。1999年から綾辻行人と共作でテレビ番組『安楽椅子探偵』シリーズ原作を担当する。
2003年、第56回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した『マレー鉄道の謎』、2007年発表作で「本格ミステリ・ベスト10」で第1位、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」で第3位、「黄金の本格ミステリー」に選出と高く評価された『女王国の城』など、多くの作品がミステリ賞で高く評価されている。
2000年11月より2005年6月まで、本格ミステリ作家クラブ初代会長を務める。

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