本当はひどかった昔の日本: 古典文学で知るしたたかな日本人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101205168

感想・レビュー・書評

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  • ある程度、古典や歴史の狭間でうごめいているのは
    わかっていたけど、これだけの量で畳み込まれると、
    やっぱり昔って酷いこと沢山あったんだなぁと、
    現代に生きていることに感謝してしまう。

    生類憐みの令が実は、捨て子、捨て病人の禁止をも
    決めていたって知らなかったです。
    あぁ読みが足りなかったな。もっと勉強しなくちゃ。

  • 図書館で借りた。まぁ今も昔も日本はひどいということですね

  • 古典文学を、残虐性という面から抜き出して、昔の日本人の価値観や習慣が現代と比べていかにひどかったのかを記述した一冊。 ”昔は良かった”という論調に対して、”そんなことはない、昔の方が今よりずっとひどかった”という主張となっている。

    残虐性という性質上、なかなか学校では詳しく扱えないという事情からか、知らないことがたくさんあり、内容が新鮮で面白かった。本書内で著者も述べている通り、現代人のやった程度の事、思いつく限りの残虐な行為というものは、とっくの昔に誰かがやっているものである。

  • もともと著者の作品は好きなのだけど、これは本当に読んで良かった。
    『あとがき』で、そうですね、とうなづくことができて、気持ちの良い読後感。
    日本の古典はすごいねえ……。

  • 生類憐みの令で、「捨て病人」が禁止されたと聞いてビックリ。じゃあそれまでって…
    ( ̄∀ ̄)
    古今東西、現代日本よりラリホーな地はない、ということで、明日も頑張ろう。
    軽い読み物の体裁を取っている割に、巻末の参考資料は古文・漢文に同種の文献・サイト、とすごく充実しています。

  • 人間のモラルは、時代が進むにつれて、良い方に進歩していくと。どこかで聞いたことがあるけども……。
    たかだか1500年ぽっちでは、人間の良しあしなぞ、変わらないのでは……とさせられた一冊。
    古典の入門としても最適か。

  • 言われてみればその通りだが、ちゃんと言われないと認識できないもの。読んでてもそりゃそうだ。となって納得感がある。昔話を現代語のニュースで報じたような分析があって面白い。こうやってキチンと分析してもらわないと、虐待やハラスメントを素通りして古典を読んでる自分達が、日本文化の集大成であるなら恐ろしい。

  • 貧しければそれこそ耐え難い多くの悲しみがある。しかし豊かさのなかにも、根の深い不幸というものが生まれる。人間は時代も人種も宗教も超えて、総じて同じようなものだし簡単には変わることなどできない。
    本書では多くの古典から現代に起きた事件に似た事例現代を挙げ、あえて日本の恥部・暗部をとして紹介している。学校の古典の授業では絶対出てこない記述、解釈なので、古典や昔の風習に関しての知識が学生時代に仕入れたきりの人が読んでみたら結構ショッキングなのかもしれない。
    これによると育児放棄、離婚問題、いじめ、自殺、殺人……おおよそ現代人が起こしている事件というものは、すでに昔から起こっている事件に類似していることが多いとわかる。過去の事件の背景と真相を読み解けば、現代特有であるかに見える社会の病理もそうでないと知ることができ、かつ、同じ事件、同じ悲劇を繰り返さないよう対処法を考えることができるのではないだろうか。
    簡単に変わることができないと書いたが、それでも社会も、福祉も、道徳も、先人の苦しみから少しずつ学び、向上しているはずだから。

    なお、私としては昭和初期の新聞を読んでみることをおすすめする。社会面などに載っている事件をみると、大体今と同じ内容で驚くことと思う。

  • 美談ばかりに触れていては見方が偏るので、こういう露悪的な視点も必要。そうは思うものの、読んでいて気分の良い本ではなかった。実際のところ、各時代・各地域で虐待や暴力などがどのくらいの頻度であったかなんてわからないし。

  • 立ち読みし、ついつい衝動買い。

    週刊誌と言えば、大衆受けするゴシップを拾っては、それを求める娯楽好き向けに書かれるのだが、ネタは世俗から。この本も同様、まるで週刊誌のようなネタ構成。ストーカー殺人、子殺し、マタハラ、人身売買。面白いのは、ネタが古典から。純粋な古典好きな作者は、齢50過ぎの美人。見れば、他に、「本当はエロかった昔の日本」という本も。ああ、そっちだったかと恥知らず、興味はもはや違う向き。買う買わぬも、待ち時間15分程度の決断。約束にエロかったっという本を持参するのも憚れ、否、結果こちらを衝動買い。

    中国は残虐だったとか、西洋は非情だとか、日本は違ったという論調もあるが、この本を読めば、別に日本だけが特別ではない事がわかる。人の習性など、然程変わるものではないのかもしれない。一つ言えるのは、我々は現代の常識で生きているという事。これは逆説的だが、今の方が住み良いという事も、また違うだろうという事だ。ただ、法華経でいう美醜の因果や戦国の世であった事、乳幼児の死亡率の高さ、避妊技術の問題などが、価値観を形成したのだろう。そう読むと、尚、私には面白い一冊となった。

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著者プロフィール

1961年横浜市生まれ。古典エッセイスト。早稲田大学第一文学部日本史学専攻。個人全訳『源氏物語』全六巻、『源氏の男はみんなサイテー』『カラダで感じる源氏物語』『ブス論』『愛とまぐはひの古事記』『女嫌いの平家物語』(以上、ちくま文庫)、『快楽でよみとく古典文学』(小学館)、『ひかりナビで読む竹取物語』(文春文庫)、『本当はひどかった昔の日本』(新潮社)など著書多数。

「2016年 『文庫 昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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