穴 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 267
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101205410

感想・レビュー・書評

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  • 夫の転勤で引っ越した義実家の周辺で起こる非現実なエピソード、というシンプルな構成をベースに、得も言えぬ不安な不安定な違和感のある雰囲気を伝える小説。
    評価の分かれる小説だろう。物語ではなく描写で伝えるタイプの小説。なのでストーリーを追っていっても、作者には近づけない。

  • つかみどころの無い話。何の問題もないように見えるが絶えず不穏な空気の漂う若夫婦が、旦那の実家の隣に越す話。最初は嫁姑のようなものがメインになるのかと思ったが、思わぬ方向に話は流れて、お盆の季節に遭遇したちょっと不思議な話になっていく。

    この、穴やなぞの生き物や不思議な兄などが何のメタファーなのかはやっぱりわからないまま。ほかの短編も物語の最後のほうに和テイストの不思議体験が現れる。これは何を意味するのか。

    あと、夫婦の間の不穏な空気もほかの短編でも共通している。相手の中にわからない部分があり、それをわかろうとする事を少し諦めている感じというか、認めているというのか、とにかく身近であるはずの相手に不明なところがある。これがすごく不穏な空気を生んでいるように思う。100%分かり合える事はないのだから、当たり前なはずなんだけど。

  • 芥川賞らしい作品。

    表題作「穴」は、なんだか真夏の白昼夢を見させられているような気になった。
    旦那さんは携帯イジってばっかりで、姑さんは謎の張り切り母さんで、義祖父はどっか壊れてんじゃないの?ってくらいニコニコと水遣りをしてる。
    誰か悪い人がいるわけではなくて、でも、皆がそれぞれ正しくても噛み合わない居心地悪さってあるよなぁと思う。

    不思議な獣を追って行ったら、首まで隠れるくらいの穴に嵌りましたっていう。
    義兄?も嘲笑う「不思議の国のアリスかよ」って、ああなるほど、言いえて妙だな、と納得した。

    でも、村上春樹みたいに身体すっぽり井戸に入って世界と交信出来るわけでもない。
    首から上は、この世界から切り離されない。
    所詮はそうあって欲しいと願う専業主婦の白昼夢なのかもしれない。

    「いたちなく」「ゆきの宿」
    「いたちなく」は、既視感のある話だった。
    んー、でも、どこでこういう話を読んだかは覚えていない。

    どちらとも、奥さんの呪わしげな様子がただただ怖かったのだけど、いたちのクダリはすっと引き込まれました。

  • なんというべきか…曖昧さの漂う雰囲気。

    表題作「穴」:非正規雇用労働の話とか、夫の実家の隣で家賃ゼロで世話になるので姑問題なのかな…と思いつつ、義祖父や義兄への気がかり(主人公は淡々としてるが)…ん?幻想?等 色々思って読んでいるうちに終わってしまった。
    まるでろうそくがす~っと静かに消えたような感じ。
    …なのだけど、主人公はラストには違う自分にシフトしてる。
    激動があるわけではないが、物事は確かに終わっている。

    ずっと読んでると正直疲れるのだが、何故か読みたいと思わせられる。
    不思議な惹きつけ感があるが、浸りすぎると憂うつになる;

    とりあえず、表題作のみの感想。
    小山田作品、好きです。

  • これを読んだあとにホラー小説読んだからか「こえーよ!」な記憶で上書きされてしまった。
    いや、怖くはない。不気味で不穏ではあるけど。
    異界とこちらを行き来する。

  • 小数点を三捨四入したら星4つ、みたいな。
    表題作より残りの2つの方がいいですよ。

  • あくまでも読後感として浮かんだこと。タイトルの「穴」って隠語?めでたい話と迷惑な話は紙一重。

  • 何かが起きている。でもそれが何かがわからない。

  • 文章が読みやすかったが、読後、不思議な感覚になる作品。
    主人公が穴に落ちた場面を境に、風変わりな出来事や人物が出てくるが、それらは結局何だったのか…。

  • まさに、ザ・芥川賞受賞作。全然理解できる受容体持ってないけど、なんとなく楽しめるし、好きな感じ。

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