手のひらの音符 (新潮文庫)

著者 : 藤岡陽子
  • 新潮社 (2016年8月27日発売)
4.12
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  • Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101205618

作品紹介

デザイナーの水樹は、自社が服飾業から撤退することを知らされる。45歳独身、何より愛してきた仕事なのに……。途方に暮れる水樹のもとに中高の同級生・憲吾から、恩師の入院を知らせる電話が。お見舞いへと帰省する最中、懐かしい記憶が甦る。幼馴染の三兄弟、とりわけ、思い合っていた信也のこと。〈あの頃〉が、水樹に新たな力を与えてくれる――。人生に迷うすべての人に贈る物語!

手のひらの音符 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • まだ読んでいるけれど。
    一気に読むのがもったいなくて
    一度表紙を閉じました。

    こんなこと、速読の私には珍しい。

    ーーーーーーーーーーーーーーーー

    読み終わりました。

    戦後から経済復興。
    バブル景気とその崩壊。

    私自身がその体で経験してきた
    ほとんどの時代の光と陰を
    この本の中で追体験した。

    この日本に住まう人々の生きる現実の
    その重みから 私も目を背けて生きてきた。

    それぞれの闘い方で闘えばいい。
    そんな正浩の言葉の誠実さに心打たれた。

    この小説は私にとって本当に尊い。
    何の気なしに買ったものだが
    人が生きるということそのものの尊さを
    初めて正面から受け止めた。

    私は昭和37年生まれ。
    遠子先生とほぼ同年代だ。

    これからの日本を生きる…そうして
    日本を立ち上がらせることの大切さを
    この一編の小説から教えられた。

    重い。苦しい。切ない。
    しかし目を背けられない。
    背けるわけにはいかない。

    そんな思いを胸の中で反芻しながら読了。
    タイトルからは
    物語を想像できなかったのも新鮮だった。

  • 勤めている会社の事業撤退を知らされ、
    次を考えざるをえなくなった45歳女性。

    そんな時に幼なじみから
    高校の恩師が入院したと連絡が来る。

    お見舞いをしに帰省。

    当時を懐かしむ自分。
    あの頃出会った3兄弟は今・・・。
    あの頃から、今までの自分は。

    今の話より、当時の話が多い。
    ひとつひとつが丁寧に。

    劇的なことが起きる訳でもないが
    ちゃんと今に繋がって。

    人物の言葉が温かい。

  • この本かなり好きだなぁ。
    重版がかかって、新しい帯がかけられ、平台で展開されていなければ手に取らなかっただろう、と思う。売る力というのはとても重要だと思い知る。
    親子の関係はきれない。きろうと思ってもまとわりつく。心が優しい人なら、そもそも親をきれない。
    兄弟ならばいくらでも疎遠になれる。
    だからこそ兄弟というのは重要な気がする。
    著者がゆったりと成長?してきた人だからか、時間の流れがゆったりした本で、それが私にはもどかしかった。
    若い頃は一瞬で、とても貴重な時間で、互いに思いあっているのならば、その時間も共有したいと思う。
    でも、遅すぎることはないというか、救いのある心優しい人たちがたくさん出てくる、とてもいい本だったと思う。
    互いに大切な人がいれば、男女の友情も成立するのでは。
    とも思うが、水樹がいい人に出会えただけな気もする。
    わたしは人間関係を良好に保つのが苦手なので、数打ちゃ当たる、を狙っていこうと思う。

  • 服飾デザイナーの瀬尾水樹は会社の服飾事業からの撤退を知らされ、失意の折に、高校3年時の進路を決めてくれた恩師遠子先生の入院を同級生の憲吾から聞き、見舞いに行くことになる。そんな中で家族で団地住まいの時の思い出を回想し、近所付き合いの幼馴染の信也・悠人に想いを馳せる。遠子先生と憲吾に会い、新たな挑戦と懐かしの出会いに巡り合う。貧乏だった家族の子供達の成長していく姿とひたむきな生き方がちょっぴり切なく描かれている。

  • そっと涙が流れました。

  • 服飾デザイナーの水樹45歳独身。自分が勤める会社がアパレル業界から撤退を決める。服飾デザイナーとしての自分の仕事がなくなる。そして話は過去に遡って行った。
    正直前半はなかなか引き込まれることはなかった。しかし今と過去のつながりなどが見えてくると引き込まれ始めていた。後半はあっという間だった。
    続きが読みたいけど再読もしてみたい。そんな不思議な読後感。じっくり読むのにオススメな一冊。

  • デザイナーの水樹は45歳の独身女性。勤務する会社が、服飾業から撤退することをしらされ途方に暮れる。これからに迷う彼女に懐かしい記憶が蘇る。
    途中から涙が止まらなかった。決して恵まれた家庭環境で育った訳ではない、水樹、信也、憲吾のピュアな心と逞しさ。そして何よりも闘う生きざまに胸を打たれた。また、人は三つの層で形成されているという言葉も印象に残る。北上次郎氏の解説どおり、藤岡さんのベスト作品になりそう。

  • 自分の環境に改めて感謝
    これも 一面だけ見て判断しないように って思わせる
    つよいなあ たくましいなあ
    自分の戦い方で たたかう

  • 不運な子ども時代を生きてきた人たちが、大人になって、徐々に再起していく感動物語。結末も感動的!夢をあきらめないことの大切さが読むごとに伝わってくる内容です。水樹の会社の再生は少し無理がありそうな気がしますけど、物語の展開上仕方がないかな・・・

  • 良かった。元気を貰えた。

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