死後の恋: 夢野久作傑作選 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.02
  • (23)
  • (16)
  • (16)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 411
感想 : 29
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101206417

作品紹介・あらすじ

ロシア革命直後のウラジオストックで、怪しい男がロマノフ王家の宝石にまつわる奇妙な体験を語る(「死後の恋」)。海難事故で無人島に漂着した兄妹が体験した悪夢(「瓶詰地獄」)。鼓作りの男が想いを寄せる女性に贈った鼓が、尋常ならざる音色で不吉な事件を引き起こす(「あやかしの鼓」)。──夢と現の狭間へと誘う奇才夢野ワールドから、究極の甘美と狂気を厳選した全10編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「死後の恋」のみ青空文庫で読了。
    時代が経っていた感はあったが、読みづらくはなかった。
    ただ内容はあまり心に響かなかった。

  • デビュー作「あやかしの鼓」含む10編からなる短編集。
    短編ではあるが、しっかりと夢野久作ワールドを楽しめる。
    夢野久作を読んでみたい!と思ったけど、長編はちょっと…という人にぴったり。
    あと、ドグラ・マグラとか少女地獄とかで挫折した人にもよいと思う。

    いなか、の、じけんはちゃんとオチが付いているし(まぁ結構アレだけど)、個人的にはちょっと笑える。
    表題作の死後の恋は、短いけど"これぞ夢野久作ワールド"みたいな感じだし、あやかしの鼓は言うことなしだし…
    再読だが、ページを捲る手が止まらなかった。

    この短編集のいいところは、ちょっと夢野久作読みたいって時にさっくり読めるところだと思う。

  • 以前、夢野久作の専門講義を取っていたことを思い出したので買ってみました。まだ読んでる途中だけどすでに狂気。

  • あとがきに書かれているように、私も以前「ドグラ・マグラ」から夢野久作に入ろうとして門前で弾き飛ばされた一人なのですが、この本は短編集で読みやすく、夢野久作入門には最適でした。幻想怪奇趣味が詰まっていて、好み。近藤聡乃さんの表紙絵はイメージぴったりだと思いました。「いなか、の、じけん」だけは青空文庫で既読。「瓶詰地獄」が特に面白かった。いまだに本棚の奥で眠っているドグラ・マグラに再挑戦してみようかな。

  • 久作の短編集は何冊か読んでいるので(角川の少女地獄、教養文庫の死後の恋、ちくま文庫の日本文学シリーズなど)収録作品の被り程度を前もって確認、どうやら半分くらいが既読だけど、残り半分は未読の作品のようなので読むことに。

    さて表題作は安定の狂いっぷり。怖さ不気味さおぞましさどれをとっても最高の完成度。それでいて一抹の憐憫。初読のものでは、脱獄した凶悪犯が人形だらけの家に迷い込む「白菊」は道具立てが好み。「怪夢」は夢日記のような印象。「悪魔祈祷書」はむしろ実在してほしい。「木魂」はなぜかずっと脳内で、つげ義春の絵で浮かんでました。

    夢野久作名義でのデビュー作にあたる「あやかしの鼓」も読み応えがあって面白かったです。呪われた鼓の言い伝え、その製作者の末裔と呪われた側の末裔のドロドロした伝奇的な設定に加えて、美しい未亡人が鞭を持って迫ってきたり、狂人を装ったある人物が「実は私は○○なのだ!」と正体を明かすどんでんがえしがなんと二段構えだったりと盛り沢山。ただ主人公の行動原理が不明でいささか幼稚なのでイラっとしていたところ、巻末に収録されている当時の書評で乱歩が色々鋭く指摘していて目から鱗でした。

    ※収録作品
    「死後の恋」「瓶詰地獄」「悪魔祈祷書」「人の顔」「支那米の袋」「白菊」「いなか、の、じけん」「怪夢」「木魂」「あやかしの鼓」

  • ★4.0 「瓶詰地獄」
    ★3.5 「死後の恋」「悪魔祈祷書」
    「ドグラ・マグラ」ほどのおどろおどろしさはないかな。

  • 手軽な狂気。そのまま読むぶんには良いが頭を捻って考察をしようなどと考え始めると途端に自分の肌の裏に蠢くものが血と肉であるのか分からなくなってくる。

  • ドグラ・マグラでチャカポコしている時にはどうしてその後夢野久作作品続けて読むようになるなどと予想できただろうか。不気味でグロテスクで背筋が冷たくなったりもするんですが、狂言じみた言い回しがどこか美しくて。表題作のほか『支那米の袋』が好きでした。ほかにもロシア絡みのネタがちょいちょい挟まれてたのですがそれがまたいい味でした。『いなか、の、じけん』はちょっと柳田国男っぽい感じで面白かったー。

  • 近代文学は純文学より大衆文学派だった私からすると、すごくドキドキワクワクしながら読みました。
    これに収録されてるなかでいうと、『いなか、の、じけん』が気に入りました。ブラックジョーク的な話やエログロナンセンス要素のあるお話も多かったですが、短編なので読み進めやすかったです。

  • 乞食のような青年の不可思議な話
    話を聞き「死後の恋」と言うものが実際にあり得ると認めれば彼の財産を差し出すと言う
    そして、彼の語りの最後で我々は衝撃の事実を知る
    しかし、彼の話を聞いた後では彼の差し出す財産は受け取れなくなってしまう
    受け取る気が失せてしまう・・・

    人は目の前の欲望に囚われると、もっと大事な事が身近に現れていても気づく事ができなくなってしまう
    そして、取り返しがつかなくなると今度はその過去に囚われてしまう

    読み終わった後、悲哀感と言えばいいのか、喪失感と言えばいいのか、形容し難いジクジクとした感覚がじわじわと染み入ってくる

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

夢野久作
明治22 (1889)年1月4日福岡に生まれる。本名杉山泰道。幼名直樹。法号萠圓。父杉山茂丸は近代における政界の黒幕といわれた。旧制修猷館中学を卒業後、近衛歩兵連隊に入隊。慶応義塾大学に入学後、大正2(1913)年に中退。放浪生活ののちに出家し、僧侶となる。大正6(1917)年に還俗し、父の出資による農園を経営する傍ら執筆を開始。結婚し、喜多流の謡曲教授となる。大正8(1919)年に九州日報に入社、記者となる。大正15 (1926)年に「あやかしの鼓」を発表し作家活動を始める。昭和10(1935)年「ドグラ・マグラ」を出版。昭和11年(1936)3月11日逝去、享年47歳。

「2022年 『定本 夢野久作全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夢野久作の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×