- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101207230
感想・レビュー・書評
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民俗学と現実の事件がリンクしているシリーズの三作目。
民俗学的なテーマは、恐らく架空のものだろうとは思うけど、調査・検証・考察の流れは、「このテーマって本当にあるんじゃないか」と思わせるくらい真に迫っている。
また、ミステリとしての面もかなり凝ったプロットが立てられていると思う。
民俗学的なアプローチをしていくと、事件の動機や関係者の内面につながっていくという感じで、テーマの両方が意味のある融合をしている点も驚かされる。
(某シリーズはちょっと乖離感があるからなぁ)
特にこの本最後の収録作、「写楽・考」は、終盤も終盤まで全く写楽なんて名前が出てこない中、異端の民俗学の学説→作者名の人物の失踪→その家にまつわる謎→……というように、めまぐるしく物語が進んでいくので、タイトルを忘れてこの事件に没頭してしまう。
また、犯人の底知れぬ悪意が、読んでて背筋が寒くなる思いだった。
そしてついに「写楽・考」の意味。
ここに落ち着くか……と、感心させられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
お悔やみを申し上げます。
まだまだ那智シリーズ読みたかったのに。 -
民俗学者の蓮丈那智は、美貌で才能はある女性だがマイペースで、東敬大学で下につく助手達は振り回されて大変という。
助手の内藤三國の視点から描く。
ゼミの学生達に広まった伝説。
旧家のお守り様人形がつぶされていたわけは。
鳥居のある湖の底には神社がある…?
角の生えた善女竜王の神像を3年ごとに取り出して塚で燃やす風習。そこで老人が殺されたわけは?
仮想民俗学序説という謎の論文が掲載されたが、筆者が行方不明に。
フィールドワークへ出かけた那智を追って助手達は筆者・式の家へ…
明治初期の西洋建築というのが面白い。カメラ・オブスキュラや名画など。
写楽という題に惹かれて読み始めた割には〜ほんの少ししか出てこないのはやや不満。
でも印象的な出方でした。
2005年8月発行。 -
2009/7/19 チェック済み
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なんとなく惰性になってきた。短篇3本と表題の中篇1本。ミクニ君相変わらず受難の日々。ミクニ君が時々佐江から馬鹿にされてるような気配がむかついてしまう。なんか出来すぎて好きになれないんだな、佐江由美子。教務部の狐目の主任さんは好き。何故か写楽でいきなりお名前が判明しましたが・・・今まで伏せていたのは何だったの?
民俗学と実際の事件を組み合わせての進行だが、今回はちょっと無理があるんじゃないの、という点もいくつか。実際の事件で容疑者を追い詰めていく過程が、どうも那智先生の迫力頼みになっていて、ちょっと詰めが甘いような。「御仁か」とかね。あれはまだ言い逃れできそうだった。 -
狐目さんが加わりさらに面白くなった。
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狐目さん、やっと名前が・・・
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ドキドキ感とまらず結局寝ずに読んでしまった・・・。
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2009/01/10
突然読みたくなって再読