日露戦争を演出した男モリソン 上巻 (新潮文庫 う 16-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (399ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101207315

作品紹介・あらすじ

1897年春、豪州人ジャーナリストのG.E.モリソンはロンドンタイムズ特派員として北京に着任した。そしてイギリスの在清利権をロシアが侵そうとしていることに気付いた彼は、ロシア南下の驚威に苦しむ日本に対露決戦を焚きつけるべく情報戦を仕掛け始める。日露戦争の「陰の仕掛け人」と呼ばれるモリソンの日記をもとにその暗躍を描き、開戦から講和までを国際的視野から捉えた画期的労作。

感想・レビュー・書評

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  • 肯定的。

  • 修士論文が元になっているので読み物としては面白くない。しかしながら資料的価値が極めて高く、日本近代史なかんずく日露戦争を知るためには外せない一冊だ。ジョージ・アーネスト・モリソンはロンドン・タイムズの記者でオーストラリア生まれ。彼の日記と手紙を中心に日露戦争の経緯を描く。七つの海を制覇した大英帝国はボーア戦争で国力に翳(かげ)りを見せ始めた。ドイツ、ロシア、アメリカの力が英国に迫ろうとする。イギリスは極東で南下しようとするロシアを阻むだけの余裕がなかった。自国の安全保障上の必要から日英同盟を締結するに至る。イギリスの「栄光ある孤立」は幕を下ろす。モリソンはタイムズ紙を通して親日反露報道を繰り返し、日露を戦争させるべく誘導する。
    https://sessendo.blogspot.com/2018/07/blog-post_88.html

  • 新書文庫

  • 不公正社会ニッポンより。

  • なかなか面白かったです。
    貴重な仕事をなしとげられて、感謝。

  • 「モリソン」と聞いても知る人はほとんどいないであろう。しかし、黄禍論の吹き荒れる西欧で、常に親日的な報道を続けた彼の存在がなくては、日露戦争の勝利はなかった、のかも知れない。ロンドンタイムス特派員のモリソンは、日露開戦から戦中に至る一連の出来事を、日本陸軍の軍人たちと親交を結ぶことで「スクープ」した。彼の功績は陸軍部内でも認められており、当時の機密文書にもモリソンの名は登場する。
    本人直筆の日記を駆使して、日露戦争・報道の裏面と日本陸軍情報工作の実態を活写した傑作。歴史の中の人物が生き生きとよみがえる感のある、リズムに溢れた文章は、読み出したら止まらない。
    なお、モリソンの収集した東洋史関連の書籍は現在、東京駒込の「東洋文庫」に所蔵される。

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