螺旋の手術室 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2017年9月28日発売)
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  • 本 ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101210711

作品紹介・あらすじ

読書メーター読みたい本ランキング第1位。驚愕のどんでん返し手術室での不可解な死。次々と殺される教授選の候補者たち。事件に秘められたある想いとは……。慟哭の医療ミステリー。純正会医科大学附属病院の教授選の候補だった冴木真也准教授が、手術中に不可解な死を遂げた。彼と教授の座を争っていた医師もまた、暴漢に襲われ殺害される。二つの死の がりとは。大学を探っていた探偵が遺した謎の言葉の意味は。父・真也の死に疑問を感じた裕也は、同じ医師として調査を始めるが……。「完全犯罪」に潜む医師の苦悩を描く、慟哭の医療ミステリー。『ブラッドライン』改題。

感想・レビュー・書評

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  • 父親の死に疑問を持ち、調べ始める。
    血液には、血をサラサラにするクスリが大量に!これでは、血が止まらん!

    それ以外にも、教授選挙に絡んだ人が次々と!
    通り魔、色んな動機を考えていたけど、これとは…
    螺旋というタイトルには意味があったんやな。

    大どんでん返しは、あったけど、理由が切ない…

    そら、お父ちゃんも息子、娘に冷たいような態度になるな…実際には、自分自身を責めているんやろうけど。
    子供達を医者にしたい理由も切ない…

    でも、これからの事を考えると更に切ない…こんな運命を自分なら普通に受け止めれるんかな…
    何か、「切ない」のオンパレードやけど、やはり切ないわ〜
    現役のお医者さんにしか、書けそうにないような感じ。
    最近ハマってる作者の一人、まだまだ、キープしてるんで、読むの楽しみ(^^)v

  • 外科医として、父親で医師の手術に立ち合った裕也。難しくないと思われたその手術中に、父親は不可解な死を遂げた。裕也は、その死に疑問を持ち真相を明らかにすべく 一人動き始める。

    さすがの手術室での情景描写。コミカルな作品も書いてらっしゃいますが、このリアル感を今後も読ませていただきたいですね。
    螺旋の手術室は、改題のようですが、事件構造の螺旋とDNAの螺旋に掛けられていてしっくり。

    ミステリーとしては、登場人物が多岐に渡り細かい事件を絡ませて 犯人像が掴みにくく楽しめます。推理を楽しめるかというと専門知識が必要となります。医療ドラマとして充実していると思います。

  • なかなか切ないお話です。
    大学病院の教授選、医療過誤、主人公の妹の妊娠とその相手の母親との確執など、いろいろな要素が複雑に絡み合っていますが、最終的にきれいにまとまる。なかなかのプロットです。
    物語的に黒幕がいることは確かなんですが、それが誰なのかなかなか見えてくなくて悶々としました。

  •  切なく悲しい物語だけど、読んで本当に良かった。ラストは号泣。
     親の気持ちが理解できるのは、先立たれてから。ということもあるのだと思った。
     父、母、息子、娘。運命と戦いながら苦渋の決断をしていくストーリーに胸が打たれた。

  • いつものイッキ読みです。

    「ブラッドライン」改題が「螺旋の手術室」
    読んでいくうちになるほどね!って思いました。

    所々無理がある様に思いますが…最後のドンデン返し、なんか無理に着地した様に思うのは自分だけかもしれません。

    「螺旋の…」よりも「ブラッドライン」の方がしっくりくると思いました。

    これは余談ですが、文庫本だけを借りて読む人がいるんだって。色々と加筆等して、最初よりも良くなっているからと言う理由だそうです。

  • 『祈りのカルテ』にも登場した冴木親子が登場、同作の主人公であった諏訪野良太や別シリーズの刑事・桜井も登場するなど、知念作品ファンには非常に嬉しいストーリー。
    本編は非常にシビアで切ない幕切れ。大学教授選に関わる人物が何人も死亡しているが、死因もそれに至る経過もバラバラで誰が犯人でも今ひとつしっくりこない展開で進む。
    読みながらもどんな結末が待っているのか、興味津々で読み進め、途中狭い集落の中でおきた差別やネグレクトの記述に不快感を感じたが、しっかり真相に繋がっており主人公・裕也にとっても辛い事実を知るきっかけになってしまう。正直、最後まで犯人やその動機も分からず、医師である作者らしい内容であると感心してしまった。久しぶりの★5つであった。

    後半は一気読みで、最終章やエピローグでの親子のやりとりは切なさとどこかに温かさも感じる内容であった。真相を知り、自分が背負ってしまった運命に向き合わなければなら裕也、仲直りした妹・真奈美と前向きに頑張り、またどこかの知念作品に出てきてほしい。

  • 知念さんらしい医療関係者ならではのトリックが楽しめる一冊。わからないことがわかるようになる面白さは格別。
    ただ一方で、死ななければならない理由が正当かどうかはわからないけれども、生きることに対する責任がやや軽く感じられた。生きてこそ全うできる意味もあるのではないかと。

  • なにかで紹介されてたのを見て買った一冊。

    事件の真相を医師が見つけ出す話だった。

    初めての知念実希人さんの小説。

    題名から見ても医療関係の話だとわかる。
    医療関係の話だと専門用語や内容が難しかったりするので読みにくいイメージがあるが、この話はよみやすく分かりやすかった。

    読み始めから話に引き込まれたが、手術の真相を探る辺りからなかなか話が進まないような感じがした。
    小さい発見は沢山みつかるがそれぞれが組み立てられないので事件の真相の骨格ができないみたいな

    最後まで予想がつかない展開で楽しめた小説でした。

  • 知念実希人『螺旋の手術室』新潮文庫。

    『ブラッドライン』の改題、大幅改稿の上で文庫化。

    出だしの文章が読み辛く、波に乗るまで時間を要したが、なかなか面白い医療ミステリーだった。現役の医師でなければ書けない作品だと思う。また、ミステリーの裏側で進行する家族の物語も非常に良かった。

    外科医の冴木裕也が立ち会った父親の真也の極めて簡単な手術。しかし、父親は異常出血を起こし、死亡する。亡くなった冴木真也は大学附属病院の准教授にして、次期教授選の有力候補だった…

    教授選を巡り、教授候補が次々と謎の死を遂げるという不可解。一体、何者が如何なる理由で…

    コミカルな天久鷹央シリーズも面白いが、こうしたハードな医療ミステリーの方が好みである。

  • 他の方も書かれていましたが、生きることで使命を全うするという意識が薄いとどうしても感じてしまいました。
    ただ、最後のエピローグで裕也を待つ優子には、その覚悟を感じることが出来ました。

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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