螺旋の手術室 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 153
  • Amazon.co.jp ・本 (461ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101210711

作品紹介・あらすじ

読書メーター読みたい本ランキング第1位。驚愕のどんでん返し手術室での不可解な死。次々と殺される教授選の候補者たち。事件に秘められたある想いとは……。慟哭の医療ミステリー。純正会医科大学附属病院の教授選の候補だった冴木真也准教授が、手術中に不可解な死を遂げた。彼と教授の座を争っていた医師もまた、暴漢に襲われ殺害される。二つの死の がりとは。大学を探っていた探偵が遺した謎の言葉の意味は。父・真也の死に疑問を感じた裕也は、同じ医師として調査を始めるが……。「完全犯罪」に潜む医師の苦悩を描く、慟哭の医療ミステリー。『ブラッドライン』改題。

感想・レビュー・書評

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  • 知念さんらしい医療関係者ならではのトリックが楽しめる一冊。わからないことがわかるようになる面白さは格別。
    ただ一方で、死ななければならない理由が正当かどうかはわからないけれども、生きることに対する責任がやや軽く感じられた。生きてこそ全うできる意味もあるのではないかと。

  • 知念実希人『螺旋の手術室』新潮文庫。

    『ブラッドライン』の改題、大幅改稿の上で文庫化。

    出だしの文章が読み辛く、波に乗るまで時間を要したが、なかなか面白い医療ミステリーだった。現役の医師でなければ書けない作品だと思う。また、ミステリーの裏側で進行する家族の物語も非常に良かった。

    外科医の冴木裕也が立ち会った父親の真也の極めて簡単な手術。しかし、父親は異常出血を起こし、死亡する。亡くなった冴木真也は大学附属病院の准教授にして、次期教授選の有力候補だった…

    教授選を巡り、教授候補が次々と謎の死を遂げるという不可解。一体、何者が如何なる理由で…

    コミカルな天久鷹央シリーズも面白いが、こうしたハードな医療ミステリーの方が好みである。


  • 裏書の経歴を拝見し、
    作家であり医師でもあるからこそ
    描ける舞台なんだと都度感じます。

    『螺旋』というタイトルを見た時から、
    遺伝子に関係する内容と思いながら読みました。

    大学病院の教授選に関わった人の死を発端に、
    物語は細かく絡み合いながら徐々に広がります。

    解き明かそうとすればするほど絡まって、
    迷路に迷い込んで突き当たりにぶつかる。

    祟りや伝承、呪いといった目に見えない畏れは、
    人間が時間をかけて築いてきた医療の歴史によって
    明らかにされる。

    全てではないけれど、今の時代で説明が
    できない事もこれから時間をかけて
    明らかにされてゆき、道が開かれてゆけばいいな
    と感じました。

  • 色々なジャンルの内容が盛りだくさん、なんだけれどすっきりと話がまとめられていて悲しいながらも読後感がよかった。
    最初は、ありふれた大学病院のよくある教授の椅子を争う話だと思いきや結構重めの差別社会の問題。これは確かに色々と考えさせられる。自分が妊娠して産もうとした時、確実に大変な思いをしなければならない子供を産めるだろうか・・・。産まない事を選択してらやはり差別や命の選択をしたと言われてしまうのだろうか。未熟な自分にひ答えは出せない気がする。

  • 久々の知念作品です。

    下手すると重くなり過ぎるのが医療ミステリーだと思いますが、その辺のバランスがきっとすごく絶妙なんだろう。

    読み応え十分なのに、すぐに物語の世界に誘ってくれました。

    本作の舞台は純正会医科大学付属病院。

    そこで次の教授を決める教授選の候補者であった冴木真也准教授が手術中に亡くなってしまう。

    真也の手術自体は決して難易度の高いモノではなく腹腔鏡による胆嚢摘出手術で、しかも執刀医は権威である海老沢教授。

    そんな手術だから本来は絶対に許されない患者の身内(息子)で同じ純正会医科大学の外科医である祐也が助手として手術に立ち合う。

    本来であれば1時間以内で安全に終わるはずだった手術で真也は命を落とす。

    これは医療ミステリーにありがちな医療事故なのか?

    しかし、真也と教授の座を争っていた医師も暴漢に襲われて殺害されてしまう。

    そして、海老沢教授も同病院に入院中に突然死を迎える。

    不可思議な事に純正会医科大学付属病院の教授選に関わる人が1人また1人と死んでいく。

    それぞれの死は何か繋がりがあるのか?

    そんな時にとある探偵がいろいろと探っていたことを知った祐也。

    何とか接触しようとした祐也はその探偵が亡くなっていたことにたどり着き、彼の母親から手帳を預かることに。

    そこに書き残されていたメモの謎を解く旅が始まった。

    そして語られた衝撃の完全犯罪の事実。

    読み終えた時にタイトルに込められた螺旋の指す意味を理解出来た。

    巧妙に仕掛けられた謎と祐也の苦悩が重なり、重厚感のある作品でした。


    説明
    内容紹介
    読書メーター読みたい本ランキング第1位。驚愕のどんでん返し手術室での不可解な死。次々と殺される教授選の候補者たち。事件に秘められたある想いとは……。慟哭の医療ミステリー。純正会医科大学附属病院の教授選の候補だった冴木真也准教授が、手術中に不可解な死を遂げた。彼と教授の座を争っていた医師もまた、暴漢に襲われ殺害される。二つの死の がりとは。大学を探っていた探偵が遺した謎の言葉の意味は。父・真也の死に疑問を感じた裕也は、同じ医師として調査を始めるが……。「完全犯罪」に潜む医師の苦悩を描く、慟哭の医療ミステリー。『ブラッドライン』改題。
    内容(「BOOK」データベースより)
    純正会医科大学附属病院の教授選の候補だった冴木真也准教授が、手術中に不可解な死を遂げた。彼と教授の座を争っていた医師もまた、暴漢に襲われ殺害される。二つの死の繋がりとは。大学を探っていた探偵が遺した謎の言葉の意味は。父・真也の死に疑問を感じた裕也は、同じ医師として調査を始めるが…。「完全犯罪」に潜む医師の苦悩を描く、慟哭の医療ミステリー。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    知念/実希人
    1978(昭和53)年、沖縄県生れ。東京慈恵会医科大学卒業。2004(平成16)年から医師として勤務。’11年、「レゾン・デートル」で島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞。’12年、同作を『誰がための刃』と改題し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 著者初読み。
    「慟哭の医療ミステリー」と帯書きにあり、題名(螺旋…)の所以が終盤に明らかにされて、納得。
    自らも立ち会った、父の手術中の死に疑問を抱いた主人公が、教授選も絡んだ謎に挑む。
    関係者が次々と殺され、ますます深まる謎。
    主人公の必死の探求に、やがて明らかにされる真実は、「驚愕のどんでん返し」の惹句の通り。父子の相克が執拗に綴られるのは、これのためだったのか・・・

  • 実は知念さん初読みなのですが。
    最後の最後まで展開読めず、最後、そうなるの?!て感じでしたね。
    思いの外、途中まで絡んでた刑事があっさりいなくなっちゃったけど。
    医療系のミステリーって、私的にはちょっとハードルが高いかな。

  • ちょっと軽く読める本を…と思って読み始めましたが、展開が早くて伏線も多数…
    大どんでん返しありの、最後まで気の抜けない内容でした!

    主人公が事件を通して、精神的なの成長していく過程も見所

  • 純正会医科大学附属病院の教授選の候補だった冴木真也准教授が、手術中に不可解な死を遂げた。

    彼と教授の座を争っていた医師もまた、暴漢に襲われ殺害される。
    二つの死の繋がりとは。

    大学を探っていた探偵が遺した謎の言葉の意味は。
    父・真也の死に疑問を感じた裕也は、同じ医師として調査を始めるが。

    「完全犯罪」に潜む医師の苦悩を描く、慟哭の医療ミステリー。

    **************************************

    ただの医療ミステリーではないと思ったほど、いろんな登場人物が出てきて、みんな繋がってそうで繋がってなくて、最後までどうなるかほんまわからんかった。

    最後に全てが繋がった時、身内が絡むと完全犯罪は可能よな、なんて思ったりもしたけど、犯罪を犯した理由を知ると、そう簡単な物語でもないねんなと感心した。

    犯人は一体誰?と言うよりは、
    この物語の中心でもある家族の話の内容が面白かった。

  • 面白かった
    病棟シリーズとは一線を画する医療ミステリー。
    医師ならではの描写で、手術シーンはリアル感満載。

    ストーリとしては、大学付属病院の教授選の候補だった准教授が手術中に不可解な大量出血で死亡。
    さらに、他の候補も暴漢に襲われ殺害。
    教授選に絡んだ殺人事件に巻き込まれたのか?
    手術中の死亡に疑問をもった息子は同じ医師として、一人調査を始めます。
    さらに、教授選に絡む人物を探っていた探偵も謎の死亡。探偵が残したメモをもとに、事件の真相に迫っていきます。
    ついに、黒幕を突き止めたと思いきや、それは事件の一部だけでした。

    本当の黒幕は誰なのか?
    なぜ、父親は殺されたのか?
    探偵の残したメモの意味は?

    といった展開です。

    そして、ラストに明らかになる真相なのですが、これがまたびっくりの展開でした。
    そうくるかって思いました。
    と同時に、今回の事件の真相で、それって動機になるの?
    (ちょっと殺人を犯すにあたって動機が薄い..)

    ひととおり、伏線が回収されてスッキリなのですが、かなりご都合主義なのは間違いない。
    とはいえ、医療エンターテイメントとしてはとても楽しめました。

    これ、原題は「ブラッドライン」なんですが、そっちの方がしっくりくると思います。

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著者プロフィール

1978年、沖縄県生まれ。東京都在住。東京慈恵会医科大学卒、日本内科学会認定医。2011年、第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞。12年、同作を改題、『誰がための刃』で作家デビュー(19年『レゾンデートル』として文庫化)。「天久鷹央」シリーズが人気を博し、15年『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞、ベストセラーに。『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi(上・下)』で、18年、19年、20年本屋大賞連続ノミネート。『優しい死神の飼い方』『時限病棟』『リアルフェイス』『レフトハンド・ブラザーフッド』『誘拐遊戯』『十字架のカルテ』『傷痕のメッセージ』など著書多数。今もっとも多くの読者に支持される、最注目のミステリー作家。

「2021年 『硝子の塔の殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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