傍流の記者 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2020年11月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784101211336

作品紹介・あらすじ

警視庁の植島、検察の図師、調査報道の名雲、人事を握る北川──。東都新聞社会部に優秀な記者ばかりがそろった黄金世代の同期六人。トップに立てるのはその中のただ一人。貫くべきは己の正義か、組織の維持か。出世か、家族か、それとも同期の絆か──。中間管理職の苦悩、一発逆転の大スクープ、社会部VS.政治部の熾烈な争い……火傷するほど熱い新聞記者たちの闘いを見よ。痛快無比な企業小説。

感想・レビュー・書評

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  • 新聞記者6人のお話でした
    1章1人で語られました
    新聞記者も大変だなと感じました
    いろいろなことがあり、起こり
    人それぞれに物語があり楽しめました

  • 大手新聞社の社会部で鎬を削る黄金世代の同期6人を描く物語。
    自分に当てはめると、1年後輩の世代がそうした出来る世代だったが、1年入社が早いというだけで、偉くなった彼らから丁寧に扱ってもらえるだけ得したな。

    前半3話、それぞれが頭角を現した分野から、警視庁の植島、調査報道の名雲、検察の図師と呼ばれる3人の話が描かれる。
    のっけから他紙に抜かれたり、上司や同期同士で揉めてたり、家庭でもすれ違いだったり、新聞記者って大変ねと思わす。
    植島を見ては「『会社で偉くなっていくことしか妻を幸せにする方法は思いつかなかった』なんてことを言ってる奴ぁ、そんなに偉くなれないぞ。もっといけしゃあしゃあと生きている奴に先を越されて、だけども自分も中途半端に出世して責任だけ重くなって苦労するのが落ちだ」と思い、南雲を見ては「軋轢を望まないなんて、部下の立場で平穏にやっている間はいいけれど、責任者なったら同じ立場の周りは軋轢を望む奴ばかりだからストレス溜めるばかりだな。部下も物分かりのいい奴ばかりだといいけど、訳分かんないのが一人でも出たら大変だ」と思い、図師を見ては「妻から別れる時に『窮屈で嫌になったのよ』と言われたけど、コンプレックスを励みにする生き方っていうのはあっても良いな。ただ、人の上に立つ立場になった時には漂わすべき余裕というか器量というものに欠けるような気がするからどこかで切換えなくてはならないけど」と思う。
    ここまでは、それぞれに悩みを抱える年頃のことに自らを歩いてきた道を振り返る感じになってしまったが、それはそれとして、どの話もなんとなくどんよりした感じで物語としてはどうかな…。

    4人目の、遊軍の城所の話から “人事”の話になって少し様子が変わってきた。
    『今は会社に入って数年で評価され、一生が決まっていく時代』とあるが、今や会社に入る前の面接で篩い落とされて行く過程で勝ち負けが決まっていく世の中だものな。そうした世界の中でしっかりと人を見極めようとする話に好感。
    そこから、人事の土肥、そして社長秘書から人事になった北川の話に続くが、ここまで語られたことを伏線にしながら、しっかりと物語の体をなしてきた。
    私は、他所の上司と一緒になって部下を責めるようなことはしないと決め、部下を信頼して、実務を分からずにハンコを押すからには不始末があった時には責任は取るつもりでやって来たけれど、土肥のように、部下から裏付けが取れていない記事を送られて、それを信用して大見え切った立場は辛く、まして自分の檄がきっかけになっていたり自身が左遷と思われる配置になると、これはキツイな。
    上司と部下の信頼関係や人が人を見極めるという話に、誰が社会部長になるかという話と、社会部vs政治部の確執が加わり、そこに人事部長としての北川の読み筋が絡んで、まずまず面白い話になった。
    話の中心が、誰が先にデスクになったとか、次期社長を巡っての暗躍とか、社会部と政治部の全面戦争とか、社内の諍いが中心で、最後のエピローグも良い収まり方なのだけど、この記事を載せた時の社会に対する影響は論議されておらず、全体的に話が小さくなってしまっているのは残念ではある。

  • 新聞社社会部の同期6人が出世競争と信念の間で揺れる姿を描く連作短編集。スクープ合戦や政治部との軋轢、家庭問題を絡め、記者の矜持と組織の論理をリアルに表現。元記者の著者ならではの臨場感と、伏線が収斂する構成が見事。直木賞候補作で、仕事小説としても社会派ドラマとしても熱い一冊

  • 新聞記者になりたいことがあったが、今にして思えばとても無理だ。
    こんなハードな仕事をこなす自信はない。

  • 新聞記者の仕事がどういうものか大体分かっていると思っていたけどこの1冊を読んで奥深い所まで見えた気がする。それにしても好きな仕事で自分で選んだとしても毎日キリキリして身を削る思いをしているんだな。同期の出世争いも面白いけどそれぞれの思いを考えるとまた物語が見えてくる。

  • 記者5人と人事担当1人の同期6人の連作。それぞれがうまく絡みあい面白かった。最後のシーンは特によかった。

  • スクープを求める新聞記者たちのお話で、同期入社の6人の男たちそれぞれを主人公にした6話構成。最初は、ちょっとつまんないなと感じたが、主人公が変わると視点も変わり、比較的読ませてくれた感じ。

  • 同じ読書好きながら、好みが違う友人に薦められた一冊。

    大手新聞社の社会部を舞台に、黄金世代と呼ばれる6人の男達を描いた作品です。

    6人6様、得意なジャンルも違えば性格や仕事の仕方も異なるものの、40歳を過ぎ、それぞれがデスクとなり(1人は人事部長になる)、次期社会部長の座を争いながら、部下の育成や家族、上司との軋轢、会社の体勢に苦悩する姿が描かれています。

    本作は6章からなり、章ごとに主人公が変わります。
    これはよくある構成ですが、時代が巧みに行き来することで6人の男達の関係性や状況が読み手に少しずつ分かるようになっており、読み進めていく内にどんどんとこの作品に惹き込まれていきました。

    今、彼らが追っている事件やネタはそれぞれ異なるのに最終的には1つのものに向かって、全ての伏線が回収されていくのはお見事。

    かなり面白い作品でした。

    残念なのは、帯の文句かな。
    内容に合ってない気がしました。

    2021年17冊目。

  • 2021/10/03

  • 6人のその後が気になるので、続編期待します!

  • 著者の自らのキャリアと経験が濃厚に投影されていると思われる。優秀な記者、新聞社社員とはどのようにあるべきなのか。記者としての馬力や嗅覚と組織人として望まれる資質はどのようにバッティングするのか、社内の部門間の調整力学はどのようなものなのか、トップというのは何を行うべきそんざいなのか、など、多様なテーマを、オムニバスで。

  • すごい難しい内容かと思ったのですが、細かい政治の話を知らなくても読み進められる作品でした。一言では言い表せない人間関係の複雑さや良さだったり、企業あるあるだったりで意外と共感できる部分も多くあり、面白かったと思います!

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著者プロフィール

1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、スポーツ紙記者として活躍。2009年『ノーバディノウズ』が松本清張賞候補となりデビュー。2017年『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞を受賞。2018年『傍流の記者』で直木三十五賞候補。著書に『四十過ぎたら出世が仕事』(祥伝社刊)『友を待つ』(祥伝社文庫)など多数。

「2023年 『あかり野牧場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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