八つ花ごよみ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.11
  • (0)
  • (9)
  • (22)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 132
感想 : 15
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101213453

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 短編8つ。江戸の市井の生活が季節感とともに伝わってくる。多くは老境の主人公が今日に至った生育の物語。人とともにある事の幸せとともに孤独死の寂しさをひしひしと感じた。2019.9.18

  • 山本さんの短編です。
    年老いた誰かが主人公の話ばかりでしみじみとしてしまう話ばかりでした。

    ただ短編なので、ワクワク感が味わえる分量は必然的に少なくなるかな?(笑)

    でも良い話ばかり集めた短編集でした。

  • 往復の新幹線車中にて読了。対する相手との掛け合い、所作や態度で「皆まで言わせない、言わない」そんな呼吸・間合いに、江戸っ子の粋が伝わってくる。人情話だけれども、そっちの描写に 「深い~~!」

  • 短編集。
    どれも心温まる作品。
    いくつかの熟年夫婦を描いた物語は、こんな風に夫婦二人、歳を重ねていけたらいいなぁと思わせる。
    ただ、少し切なく悲しい結末もあり。

  • 一力節の市井もの。花を小道具にした八編の短編。それぞれの作品がある程度の年齢を重ねた男や女を主人公にしていることに特徴がある。同じ市井ものでも、山本周五郎、藤沢周平、この山本一力、それぞれに違いがある。周五郎は、哀しみあるいは悲しみ、人生に耐える人々を描いている。周平は、庶民の一途さや、やさしさが主眼。一方、一力は、江戸っ子の粋、あるいは、意気地、が前面に出ている。こう思うが、他の人は、どう思いますか。

  • 主に熟年夫婦を題材にした8つの時代短篇小説。
    山本さんのデビュー当時の私の書評には「どの作品も時代小説らしいしっとりした情緒の中で、物語が悲惨にならずポジティブです。そして爽やかな読後感が得られます。そこが山本一力さんの魅力ですね」とあります。
    その後、数作は江戸の庶民、特に小商人を主人公にした成功物語が次々に出され、気持ち良く読ませて貰っていました。
    しかし、多作になるにつれ物語が荒れて来て、新刊に手が出なかったり、たまに手を出しても失望したりを繰り返してきました。
    この作品は、失望とまでは行きませんが、やはりどこか「急いだ」感じや「手抜きとは言わないが、十分に詰めてない」感じがします。
    せっかく面白い題材なのに。。。。

著者プロフィール

1948年高知市生まれ。都立世田谷工業高校卒。旅行代理店、広告制作会社、コピーライター、航空関連の商社勤務等を経て、97年「蒼龍」でオール讀物新人賞を受賞。2002年『あかね空』で直木賞を受賞。江戸の下町人情を得意とし、時代小説界を牽引する人気作家の一人。著書多数。

「2023年 『草笛の音次郎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山本一力の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×