- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101215228
感想・レビュー・書評
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うーん、後味はあんまりよくないです。なんで?どうして?と浮かぶ疑問が放り出されて、迷路に入っているような。でもいつもは嫌になるその感覚が、なぜか嫌ではなかった本でした。
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2008/12/06
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不思議な短編集。身体のパーツをクローズアップされるのが多いよな。昏いフェティシズムに酔う。あと、居た堪れなさ、ていうのが結構あった。聞いたのと違う現実。レストランで会計時にお金がなかったり、とか料理教室で生徒さんがたくさんいるのよ、て言ってるのに全然来ないとか。笑えない雰囲気の嘘。「バックストローク」と表題作の「まぶた」が好きでした。
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「まぶた」と「バックストローク」の話が一番好き。
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独特の灰色感に包まれた短編集だ。
作品のひとつひとつは短いのでサラッと読めるが、
描かれていない部分を想像すると、
灰色というよりはブラックな部分も見えてくる。 -
面白い。また好き嫌いわかれること間違いなしだと思いますが。ダークで後味が悪いです。けれど読みやすくきれいな文章でそれらをあまり感じさせないです。読後感は結局あれは何だったの?あの伏線はどうして回収されてないの?と疑問符ばかりでしたが。
世にも奇妙な物語って感じもしますね。そしてやはりエロスがちりばめられていると思いました。 -
美しい文章。奇妙な物語。ちらりと含まれるグロテスク。
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★4.5です。短編集。
「ひっそりとした」みたいな描写がうまいのね。 -
この本を「不思議」と評する人もいるだろうけど私には「意味不明」。書きたいことあったらはっきり書こうよ。
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ちょっと不思議な八つの短編集。
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とくにすきなのは 香りが題材のやつ。
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短編集。「お料理教室」が好きです、好きっていうのかな。教室の先生がなんだかすごく好きです。小川さんの本にはこういう、人の話をほとんど聴かず自分のペースだけで生きてる人がよくよく出てくると思うのですが、なんとなく嫌なイメージ持てない、いっそ徹底してるからかなと思います。
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現実と異世界の境界線は、きっと、太陽と海がキスをする時間のように、ゆらゆらと、とろとろりと溶けていて、非現実的な出来事はその渦の中で起こりうるんだろう。なあんて思った、背筋少々ひんやり系の短編集。これからの季節に最適、読むクールビズで御座います。小川洋子は博士の愛した数式しか読んだことないけどこっちのが断然面白い。地に足がついているのだけれどどこか歪んでる、そんな世界が描かれております。
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短編集。独特の空気。
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ナンセンスでシュールな世界観はいつも通り。ほとんどの話がスケッチ的な軽さと距離感を持ち、良い意味でも悪い意味でも読む人を数歩置き去りにして唐突に終わる。
なげやりなまでのそのばっさり感にちょっとどうなの?というエピソードもあるけれど、総じて言うと、何が入っているか分からない引き出しを一段一段開けていくようで楽しい。
小川洋子の短編によく出てくる、身体の一部が遊離する喪失感。子供の頃に観た悪夢のように、じんわりと頭の片隅にこびりつく感じが嫌いじゃないのだ。
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「命令している時のNが、わたしは一番好きだ」
まぶたの曲線なんて気にしたことなかったけど、気になる場所になりました。
けどウインクできんから自分の曲線は見れません。
短編だけど繋がってるような繋がってないような・・・
「まぶた」と「バックストローク」が好きです。 -
ひとつひとつのお話の光と影のバランスが絶妙。<br>ほかの作品に比べると影の割合が少し多い。<br>けれど、やっぱりこの人の描く世界観はとても好き。<br>個人的には「バックストローク」が印象的。
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こんな小説もあるんだなぁ、と思った。このふわっとした、雰囲気を醸し出す、というのはすごいことだと思う。が、好みかと聞かれれば、別に好きではない。
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表題作はあまり好きではないのですが、独自の世界と文章に引き込まれました。この人の作品は短編が面白いです。「匂いの収集」が好き。
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八つの短編がある本です。小川さんの不思議な世界感が出ていますよ。
「飛行機で眠るのは難しい」
仕事でウィーンに向かう女性が偶然隣に座った男と話前にあった出来事を聞く話です。
「中国野菜の育て方」
共働きの主婦が家に居た時に、自転車に乗ったおばちゃんから、野菜を買っておまけでもらった、種を家で育てる話です。
「まぶた」
15歳の少女が高級料理屋の裏で出会った中年男との逢瀬を重ねる話です。
「お料理教室」
一軒家のお料理教室に初めて行ってみたら、自分ひとりで・・。そこで起きる不思議な出来事の話でしす。
「匂いの収集」
匂いを集めるのが趣味の彼女。ふいに知らない匂いを感じると、夢中になりその匂いを収集する。彼女の隠された秘密とは?
「バックストローク」
弟は、背泳ぎで強化選手になってたが、ある日左腕が耳で沿って伸ばしたまま固まってしまって・・・。
「詩人の卵巣」
不眠症を治そうとヨーロッパに着いた。薬の力を借りないで寝ようとしたが、眠れずに一夜を過ごした。その次の日に寂れた詩人の記念館に入って、そこで・・・・。
「リンデンバウム通りの双子」
ある作家が、翻訳者を訪ねて行くと、双子の片割れだった。そこで聞かせれた話は・・・。
てな、感じで小川さんの不思議な世界です。