まぶた (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2250
レビュー : 262
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101215228

感想・レビュー・書評

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  • 小川洋子の作品でまぶたは一番印象に残っている作品。

  • 不可解な事象を体験しながらも人は誰も不幸だと認識しなければ十分に幸せなのだと感じさせてくれた小川洋子さんの心奪われる8編の物語。『飛行機で眠るのは難しい』嘘は己の内面を着飾る服で愛とも言えるでしょうね。『中国野菜の育て方』光る野菜と謎のおばあさん。『まぶた』少女はハムスターの二の舞から救われたのかもね。『お料理教室』一刻も早く帰りなさい!『匂いの収集』五体満足な内に逃げなさい!『バックストローク』弟よ!あなたを捨てたわけじゃない。『詩人の卵巣』さあ、眠りなさい。『リンデンバウム通りの双子』家族を大切にね。

  • 意味不明と片付けてしまえばそれまで、とも言えるようなシュールな世界観。でもそこにはうっとりするような美しさとか、心に引っ掛かるイメージとか、温もりとかが確かにあって、これぞ芸術、文学的文章……という感じ。堀江さんの解説を読むとまたなるほどなあと思います。

  • 一見、日常的な風景なのに、いつのまにか非現実な世界に入っていることに気づいた。
    小川洋子さんが描く静謐な雰囲気は変わらず。

  • どんよりとした曇り空、じっとりと湿った空気、しんと静かな街、ひやりとした手触り。
    ちょっとだけぞくりとするものが垣間見えるような。

    ずっと気になっていた本を、物語の役割をきっかけに読む。
    私の好きなテイストの小川さん。

  • 高校の国語の授業で「バックストローク 」
    をやって面白いと思って読んでみた

    ちょっと難しい
    本質には直に触れない感じ

  • 静謐な時にはグロテスクでもある奇妙な情景が、7つの短編に繰り返される。2018.4.29

  • 会いたいのなら今会えるだけ、と掌の中の死は物語っている。細く小さな銀色の愛くるしさに海老がぴょこっと跳ねてヤモリがキラっと光ったの。
    触れられぬものに触れようとするように、不確かなものを確かに感じていたい。埃降り積もる朽ちていく世界の片隅、君の香りだけ嗅ぎ分けた。
    君の瞼の曲線が、過去も現在も僕の心を掻き毟り溺れて奪っていったのさ。瞼を切られた相棒がカラカラと回し車を鳴らす音に、バイオリンの不規則で不安定な音階が重なり絡まり愛し合う。ほら、ハートの葉っぱが笑っているよ。いつまで待ち続けても来ない便りのように、物寂しく私は海の向こうに永遠を見る。

  • とてもするすると読んでしまうのですけれど、この短編集も確かに小川ワールドでした。
    何度読んでも大好きな「詩人の卵巣」の眠りの描写が、心にひたひたと染み込みます。軽くはなりましたが、不眠症でもあるわたしの眠りの召し使いは何処に…。
    どのお話も死の予感がするのですが、「匂いの収集」の猟奇的な感じも好きです。
    「バックストローク」の、弟の片腕が体から離れていく描写も素敵。
    お話たちの薄暗さが心地好いです。日常を離れられました。

  • 2008年11月10日~10日。
    すすすいと読めてしまう。
    派手なホームランはないけど、地に足の着いた確実なアヴェレージ・バッターって感じ。

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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