まぶた (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2242
レビュー : 261
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101215228

感想・レビュー・書評

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  • 自分からは遠いけれど、決して非現実的ではなく。世界のどこかで、ひっそりと紡錘がれているような奇妙な話。小川洋子の話を読むと、汽水域、の言葉が思い浮かぶ。海水と淡水がひそかに混じりあった、煩くもなく、落ち着いた世界。そこには海水で生きるものの淡水で生きるものとの生と死が静かに拮抗しつつ、微妙なバランスを保っている。作品の完成度でいうと、「海」の方が綿密で、魅惑的。

  • 読んだ後は少し寂しくなる話が詰まった短編集。小川洋子さんの小説は体の一部だったり、親しくしていた人だったり当たり前のようにそこにあるものを失うお話が多いですね。

  • どんよりとした曇り空、じっとりと湿った空気、しんと静かな街、ひやりとした手触り。
    ちょっとだけぞくりとするものが垣間見えるような。

    ずっと気になっていた本を、物語の役割をきっかけに読む。
    私の好きなテイストの小川さん。

  • 高校の国語の授業で「バックストローク 」
    をやって面白いと思って読んでみた

    ちょっと難しい
    本質には直に触れない感じ

  • 静謐な時にはグロテスクでもある奇妙な情景が、7つの短編に繰り返される。2018.4.29

  • 難しいですね。いかにも純文学。
    最後の「リンデンバウム通りの双子」を除いては、何らかの不条理が存在します。例えば中国野菜が夜光性だったり、下水から過去の料理の残骸が出てきたり、元水泳選手の腕が取れたり。何かの寓意と言う訳ではなく、作者の何かに対するイメージなのだともいます。
    イメージは見事に伝わってきます。そこらの筆力は素晴らしい。でもそのイメージをどう捉えるべきかで悩んでしまう感じです。
    どちらも余り読んではいないのだけど、どこと無く倉橋由美子を思い出させる雰囲気です。

  • 最近一番好きな作家さん。
    表題のまぶたはホテルアイリスの下地になったもの?
    まぶたを膨らませてアイリスになったのかな。
    全作の根底にあるそこはかとない空虚な雰囲気は小川さんならでは。
    短編なのでさくさく読めるのに、読後はどんよりしている不思議。

  • 8編の短編集。まぶたを閉じて現実と夢とが混ざりあっている時のような感覚になる。読後は「?」が並ぶ話ばかりであったし紐解きたいとも思わないけれど悪い心地もしなかったのは文章が読みやすいからだろう。特に「リンデンバウム通りの双子」は雨の憂鬱さと温もりとが感じられ、心も湿った気がした。

  • ふと目を覚まして薄暗い部屋の中で、
    なんか夢見てた気がするな
    怖い夢だった気がするな
    でも悲しい夢だった気もするな
    ってぼんやりする感覚と似てる。

  • 短編の方が読みやすい。フランス映画のような暗さがあります。

著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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