博士の愛した数式 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 2809
  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101215235

感想・レビュー・書評

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  • とてもやさしい言葉でスルッと柔らかい文章が印象的でした。巻を措くを能わず...とはこういう作品の事を言うんでしょうね。何か引きつけられちゃって感動しました。
    博士とルートと私がお互いに欠けている部分を補完しあうようにして生きていく様を直接的な愛情表現を交えず、数字と野球をさらり織り交ぜて...とても文章が良くてホント良い本でした。

  • 記憶が80分しかもたない博士とその家に家政婦として働き始めた女性の温かな物語。映画化されたので観たことがある人もいるかと思いますが、本の中で使われるすべての言葉に繊細さや数字の持つ美しさを感じられるので、本を読むのもおすすめ。新しい環境でせわしなく時間が過ぎる中で、この本を一人読むことでゆっくりとした時間を過ごしては?
    (電子物理工学専攻 修士課程終了)

    事故によって記憶が80分しか持たない博士、その博士のもとに通う家政婦“私”と、私の息子の3人の悲しくも温かい物語。数学の美しさと博士の温かさを感じます。第1回本屋大賞受賞。
    (機械科学科 B4)

    かつて数学者だった80分しか記憶が持たない博士と、家政婦の「わたし」と「わたし」の息子との家族のようなふれあいを描いている。ストーリーはもちろんのこと、本の各所にちりばめられたさまざまな数式をみて楽しむのもよいかもしれない。
    (高分子工学科 B2)

    理系学生は数学が好きか?これは非常に悩ましい問題です。受験勉強を潜り抜けた学生の中には、数学なんかダ~イ嫌いという方も少なくないかもしれません。物語ではかつてケンブリッジ大学に留学までしていたという数学の天才博士と、数学とは全く縁のない若い家政婦さんの交流が描かれています。天才博士が言葉として話す数学は意外なほどやさしく、純粋に面白く深遠で、こんな先生に数学を習いたかったなと思わされます。80分しか記憶が持たない博士と家政婦さんの切なくもさわやかな物語を通して、みなさんも数の不思議の世界へダイブしてみませんか。
    (機械制御システム専攻 M1)

    事故で記憶力を失った数学者と家政婦母子とのふれあいを描いた静かで温かな物語。はじめ博士とのコミュニケーションは困難かつぎこちないものであったが、息子の登場をさかいに関係が変わっていく。難しい数学は出てこないので、文系の人にもお勧めである。芥川賞作家が描く感動小説。
    (知能システム科学専攻 M2)

  • 数学と文学。数と文。一見の接点は「学問」という以外に関連性を見出だす事ができず、オマケに数学が苦手な事もあり「食わず嫌い」していた本書。しかし、284と220は「友愛数だ」の一言や、主人公の息子の宿題として出された文章題を博士と共に解く息子の姿を通して数と文が仲良く並んで歩き始める「言葉の妙」に激しく引き込まれる。
    e″{πi}+1=0は実軸の基準1、虚軸の基準i、三角関数π、指定関数(重要定数)0、4つの種類の数が全部重なる事で=0の「絶対調和」とする事でこれほど謙虚に力強く博士の心情を表した数式はない。

  • 薄い小説だから本屋で立ち読みきろうと思ってたんだけど
    読み出したら、立ち読みなんてほんともったいなくなって。
    しっかり読みたい。思わず買った。

    ほんとにあたたかい話。
    いつも新しいけど、続いていく愛情。
    流れていく時間は少しの悲しみ。

    とにかく
    愛と優しさがあふれてるんだ。



    「ぼくの記憶は80分しかもたない」




    みんなに読んでほしいな。

  • 病気ネタのいかにもな感動本ってあんまり好きじゃないんだけど…
    映画化された話題本って、毛嫌いしちゃうんだけど…

    こんなひねくれ者のわたしでも、まんまと泣いてしまった。それも、朝の通勤電車の中で。

    だって博士がほんとうにいとおしかったんだ!
    絶対的なルートへの愛情、毎朝1人きりで受ける
    残酷な宣告、数学への深い思い、江夏への情熱。
    全てを両手でぎゅっと抱きしめたくなる。
    博士はいつもまっすぐで、全力投球なんだ。

    博士にとても愛されたルートは、きっとすてきな教師になっただろうな。

    ストーリーを思い出すだけで、涙ぐんでしまう。

  • 人によって見えるものが違う生を持ち死して尚愛するこの世界で、一瞬でも同じ想いを持つことを私は奇跡と呼びます。
    難解な数式をひと編みひと編みと大切に作り上げた大きなレースは、何時からか、一人では決して完成する事の出来ぬかけがえのないものになっていました。時間は重要ではなくなっていました。時間の概念を突破らっても、必ず縫い合わせられるコツと絆を彼等は手に入れたのです。
    忘れても忘れても、消えはしない事実。それがどんなに素晴らしいものであるか。私達は当たり前に思い出す記憶を辿りながら、博士の愛した数式を旅するのです。柔らかな優しさと、懐かしきチョコレートの香りと共に。いつまでも。

  • 1年以上振りに小説を読んだ。
    まぁまぁだった。本屋大賞を選んで読む必要はないかなと思った。
    サイモン・シンを読み返したくなった。

    • schumaさん
      その気持ち分かります。
      その気持ち分かります。
      2018/11/30
    • namelessさん
      ありがとうございます!
      嬉しいです。
      ありがとうございます!
      嬉しいです。
      2018/11/30
  • 心温まるストーリー。全く立場の違う人たちが出会い、共に過ごし響きあってるのが良い。オイラーの公式が、この登場人物たちの関係を表してると知って感動する。

  • The story goes on mainly with 3 characters: Mathematics Professor, who can only hold exactly 80 minutes of memory; housekeeper, hired by the professor’s sister in law; housekeeper’s ten-year-old son, “Root” named by Professor because he has a perfect flat shaped head. Every 80minutes, the Professor’s memory resets, the housekeeper and Root acted like nothing has happened, but Professor and the mathematics brought more happiness and fullness to their life. This book teaches us what little things in everyday life could be a big happiness.

  • 何度目かの再読です。今回は、読み友さんが以前言われていた「未亡人の視点で読む」を行ってみたら、この物語はなんて悲しく残酷な物語なのだろうと思いました。
    「小川洋子作品の中では優しいがほとんどで異色」と、この作品を捉えていたわたしはまだまだでした。
    博士との日々がきらきらと愛しく、どれだけ重要に感じられても、その日々は博士の中には積み重なっていかない。毎日、新しく出会わなければいけない。博士も未亡人も私もルートも、絶望を感じているだろうけれどそれを見せなくて、皆とても優しい。
    この作品の優しさは、ああ、この優しさだったのだ、と思いました。
    レース編みのような数式も、完全数28の江夏も、使われたモチーフもとても好きです。
    改めて、良い作品だと思いました。

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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