海 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1894
レビュー : 225
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101215242

感想・レビュー・書評

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  • 2006年に刊行された小川洋子の短編集。「妊娠カレンダー」「夜明けの縁をさ迷う人々」に続いて、小川さんの短編の魅力にどんどん引き込まれていって、一気に読んだ。「夜明けの」が一編一編の長さが同じくらいで、それぞれが別個に同レベルの強烈な個性があった濃厚な印象なのに対し、本書はその表題の通り、静謐でどちらかというと透明感のあるような優しい作品が多くまた作品の長さもそれぞれであっり、この二つの本の対比が面白い。今回も登場人物達の職業が魅力的。また、この作品についての小川さんへのインタビューが最後にあったことで、より作品を味わうことができた。特に小川さんのインタビューの中で以下の答えにまた彼女とその作品たちの魅力を再確認した。
    「彼らは、自分たちのささやかな世界>を守りながら生きている。私は子供のころ、顕微鏡を覗くのが大好きだったんですが、ちいちゃな世界の中に存在する果てのない世界にすごく魅力を感じていて、多分今も、小さなものに対する好奇心が捨てきれないでいるんだと思います。小さな場所に生きている人を小説の中心にすえると、物語が動き出す感じがします(p.163-164)」←小川さんの、世界の片隅で、どんな小さな仕事でもそれを誠実に丁寧に続ける人への視線の暖かさを感じる。
    「あぁこれは小川洋子だな、って分かるような特徴や癖などはなくて、歴史的、時間的な積み重ねを経ながら、繰り返しいろんな世代にわたって読み継がれ、誰かが書いたかなんてこともだんだん分からなくなって、最後に言葉だけが残る。たとえ本というものが風化して消えていっても、耳の奥で言葉が響いている…そんな残り方が、私の理想です(p.168-169)」←謙虚さの中に記憶や失われていくものに対するこだわりを感じる。また、物語の普遍性を求めてるあたりがユング心理学的で興味深い。

  • バタフライ和文タイプ事務所、缶入りドロップ、ひよこトラックが好きです。静かでやさしい文章のなかに流されていくような感覚。

  • これが小川洋子作品初読。ふわっとしているような、でもじわじわと心に響いてきます。明確な単語で表現できないひそやかな心の動きを、言葉で見事に表現するんだなと。

  • タイプ事務所の話とひよこトラックがよい

  • 粒揃いで面白い短編だった。
    特に好きなのは「バタフライ和文タイプ事務所」
    最初読んだとき「なんだこの淫靡なにおいのする話は!」と思って、インタビューを読んだら納得。小川洋子版官能小説とは。直接的に触れていないのに、そういった想像を掻き立てるのがうまいなあ。

  • 5つ星じゃなくて7つ星をつけたいぐらい、私にとっては素敵な作品でした!
    特にバタフライ和文タイプ事務所には衝撃を受けました。小川洋子さんはこんなに官能的な作品も書けるのかと。こんなに品のある官能小説ないと思います。ぐっときてしまいました。笑
    それから”題名屋”という仕事をしている老人が出てくる「ガイド」もいい。小川洋子さんの作品は不思議な職業や不思議な楽器がしれっと出てくるのに、サスペンスものしか読めなかった理系の私がしっかりと受け入れられるのが自分でも不思議です。

  • eroticな短編がありますよと友達が勧めてくれて、挙句の果てにプレゼントまでしてくれた短編小説。薬指の標本と1,2を争うお気に入りっぷりです。マジでありがとうございました。
    活字管理人素敵過ぎる。どうしよう。
    ていうか何なんだ、この二人の会話。どういうことなんだ。ていうかこの二人の漢字知識も何なんだ。ていうより二人とも何なんだ。
    大好き。

    「ひよこトラック」も、「ガイド」も大好きです。
    ていうかどの短編も好きだった。大当たりでした。
    やっぱり綺麗で静かな話が好きだよ。妊娠カレンダーとかドロドロしてるやつより。

    • yamatamiさん
      ahiruさん、こんばんは!

      「海」にコメントをありがとうございます!
      そして、ムーミン好きでいらっしゃるということで、なんだか嬉し...
      ahiruさん、こんばんは!

      「海」にコメントをありがとうございます!
      そして、ムーミン好きでいらっしゃるということで、なんだか嬉しいです(*^-^*)

      私も小川洋子さんはどろどろより、綺麗なお話が好きです。
      あぁ、活字管理人...(>_<)!!ahiruさんのレビューを拝見して、久しぶりに彼に会いたくなりました(笑

      「薬指の標本」まだ読んでいないので読んでみようと思います(*^^*)
      2014/03/13
  • 猪口才なことをいいますが、

    七つの短編と掌編に、完成された小川洋子の世界を見ました。

    七つもあれば、どれかイマイチな話がありそうですが、

    どれもこれも、もう一度読み返したくなるような繊細で素敵な話ばかりでした。

  • 素晴らしい


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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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