海 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1918
レビュー : 227
  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101215242

作品紹介・あらすじ

恋人の家を訪ねた青年が、海からの風が吹いて初めて鳴る"鳴鱗琴"について、一晩彼女の弟と語り合う表題作、言葉を失った少女と孤独なドアマンの交流を綴る「ひよこトラック」、思い出に題名をつけるという老人と観光ガイドの少年の話「ガイド」など、静謐で妖しくちょっと奇妙な七編。「今は失われてしまった何か」をずっと見続ける小川洋子の真髄。著者インタビューを併録。

感想・レビュー・書評

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  • 子供と中高年との心豊かな通じ合いをテーマにしているらしい。善意。

  • 読了

  • 素晴らしい


  • 風薫るウィーンの旅六日間の琴子さんが意外と好きです。(私はあまり断れない性格なので連れまわられそうですが)
    ひよこトラックもおもしろかったです。

  • 短編集。『ガイド』がダントツで好み。思い出に題名をつけるという老人と観光ガイドの少年の物語。

    「題名のついていない記憶は、忘れ去られやすい。反対に、適切な題名がついていれば、人々はいつまでもそれを取っておくことができる。仕舞っておく場所を、心の中に確保できるのさ。生涯もう二度と、思い出さないかもしれない記憶だとしても、そこにちゃんと引き出しあって、ラベルが貼ってあるというだけで、皆安心するんだ」

  • 息苦しくて窮屈な端っこであなたとわたし、秘密の暗号を送り合う。わたしの欠損を寸分の狂いもなくあなたが埋めてくれたときのこと。爪の先すらあなたに触れはしていないのに、流れる空気の密やかな濃密さに溺れて、ふやけてしまいそう。そんなわたしをゆるしてくれますか。

  • 小川さんの短編集はたぶん初めて。軽くさらりと読めるのはいいが、自分にとってはあまり響くものがなかった。

  • 平凡に見えて実は凄い人達の味わい深い7つの人生の物語集。『海』海風が吹くと鳴る楽器「鳴鱗琴」の音を聴いてみたい。『風薫るウィーンの旅六日間』異国の地へと昔の恋人の老人を訪ねた老女・琴子さんの珍体験。『バタフライ和文タイプ事務所』漢字を愛する活字管理人さん。『銀色のかぎ針』編み物が得意だった祖母の思い出。『缶入りドロップ』ベテランのバス運転手の裏技。『ひよこトラック』ドアマンの男と物言わぬ6歳少女との心の交流。『ガイド』熟練ガイドの母親と不完全なシャツ屋の小母さんと思い出に名を付ける題名屋さんの心温まる話。

  • 妙にリアルで、でも実際はどこにもないような風景ばかり出てくる。
    個人的に印象に残ったのは鳴鱗琴という楽器と、杖をついた題名屋が言った『思い出を持たない人間はいない』という言葉。

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著者プロフィール

小川 洋子(おがわ ようこ)
1962年、岡山県生まれ。高校時代に文芸を志し、早稲田大学第一文学部文芸専修入学。在学中から文芸賞に応募。卒業後一般企業に就職したが、1986年の結婚を機に退職、小説家の道に進む。
1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』読売文学賞、本屋大賞、2006年『ミーナの行進』谷崎潤一郎賞、2012年『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞、2013年早稲田大学坪内逍遙大賞をそれぞれ受賞。芥川賞、太宰治賞、読売文学賞、河合隼雄物語賞などの選考委員を務める。
『博士の愛した数式』は映画化され、大ヒットとなった。受賞作以外の代表作として、『薬指の標本』『人質の朗読会』『猫を抱いて象と泳ぐ』。

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