中国の知恵 (新潮文庫 よ 2-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101217024

感想・レビュー・書評

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  • 最近は白川静や、それを踏まえた酒見賢一の『陋巷に在り』を読んでいるせいで、この本に随分なつかしい感じを覚えた。
    孔子が下級士族の子であるとか、孔子の思想の中心は人間の肯定、楽観があるとかいった理解が示されている。
    ああ、白川静体験の前は、たしかにそんな孔子像を持っていたような。
    そして知らず知らず持っていたその孔子像は、きっと吉川さんなど、この世代の学者の流れなのかなあ、とも思った。

    ただ、この本を読んで、ちょっとびっくりしたのは、吉川さんはむしろ『論語』を敬遠してきたとのこと。
    この本の最中に学生運動のピークがあったというが、学生運動の嵐の中で、孔子の知恵を再発見して行ったという点に驚いた。
    思いのほかも生々しく著者の感情が表れた本だった。

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著者プロフィール

吉川幸次郎(よしかわ・こうじろう):1904―80年。神戸市生まれ。京都帝国大学文学部文学科入学、支那文学を専攻。1928―31年、中国留学。京都大学人文科学研究所東方学研究部研究員を経て、京都大学教授。この間、数々の著書を発表、日本の中国文学の普及に大きく貢献、芸術院会員、文化功労者となる。主な著書に『尚書正義』『杜甫私記』『陶淵明伝』『仁斎・徂徠・宣長』がある。

「2023年 『中国詩史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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