タックス・シェルター (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101217284

感想・レビュー・書評

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  • タックス・シェルター(租税回避策)、私には縁のない話ではあるが、税金の適用が緩い海外に会社を設立しそこに利益を移転して云々。
    ケイマン諸島にあるペーパーカンパニーなんて、それだけで胡散臭い感じが( ; ゜Д゜)
    租税天国→タックスヘブン(heaven)だと本気で思ってた。そうではなく租税回避ヘイブン(haven)なんだ。
    そんな今更ながらの知識も身に付けつつ、どんどんストーリーに惹き込まれていく。
    いわゆるミステリーとは違い、答えはわかってるのだが、どうなるんだっけ?次こそ?と予想をしながらまんまとハメられました。(いい意味で)

  • まぁまぁ。

  • 税に関わるSTORYで知らないことだらけで、興味深くあった。
    脱税の裏側にはこんな色々があるんね(現実はこんな甘くないんだろんが。)と感心したりもした。

    ただ話がなんか尻すぼみで、エンディングがあまりにもあっけなくしていたなという感じ。

    経済のことを考えるきっかけになる本としてはよいと思う。
    読み物としてはもう一歩!

  • 深田財務部長が 20億円近く稼いだ お金を
    3人で 山分けして から・・・・
    石部金吉であり、社長に 忠誠を 尽くしてきたが
    少しづつ、たがが はずれていく。
    お金が 人を変えてしまう。

    もっとも 変わったのが 坂東 だった。

    深田の中にある 淡い気持ち。
    なんとなく 幸せな気分が・・・・
    押しつぶされていく。

    お金を使うのではなく、お金に使われていく。
    たしかに お金はあったほうがいいが・・・
    でも 狂い始めたら 元に戻すことが
    できなくなるのだ。

    一種の 崩壊感覚。
    そんな気分が・・・読みづらくした。
    まさに 坂道を 転げ落ちていくような・・・・
    その転げ落ちていくのを とめようとして
    あがくが とまらない。

    結局 幸田真音は 深田を うまく決着させることができない。
    希望は なくなってしまうのだ。

  • お金を通じた人間模様の小説。あとがきで竹中平蔵さんが言ってるように、金融や税金に関わる人達の心情や働き方が臨場感をもって伝わってくるので、ドキドキしながら頁をめくってました。
    幸田氏のが描く「いい人」の表現はいつも丁寧すぎるので、ちょっとこそばゆい感じがします。

  • 著者の作品は、ストーリー自体は面白くても言葉の紡ぎ方がイマイチ?と感じる作品が多かったように思うけれど、本作品は描写力がアップしていて、新作を出すたびに「小説」らしくなっていると思う(上から目線で失礼だけど・・・)

  • 一応最後まで読んだが、何がいいたいのかよくわからず、ずるずると進むのみ。幸田の特色だが。情報小説としてはわかりやすいレベルまで噛み砕かれていて良質なのかもしれない。

  • 中堅証券会社・谷福証券の創業者が、突然の病死。彼と懇意にしていた実直な財務部長の深田は、生前、海外の秘密口座の管理を頼まれていた。深田は、亡き社長にいらぬ疑惑がかからぬよう、秘密口座の処理を進めようと考えるが、、、。


    うーん。
    題名と帯の売り文句から、実直な人が複雑な国際金融実務の網の目に絡めとられて〜、という筋と、その複雑な国際金融と税務の高度な仕組みが披露される知的興奮を味わえるものと期待して手に取ったのですが、正直、はずれでした。
    まず、全然実直じゃない、単なる金の亡者ですがな。
    タックス・シェルターとしての海外SPについて、もう少し込み入った状況設定ができると面白かったのに、と思います。本作では、単に海外にSPを作って、そこで金のやり取りをすれば、国税は出納の明細までは調査しないよーん、というだけの話なので・・・。

  • 『マネーロンダリング』を読んで、タックスヘイブンに興味を持ったので読んでみました。

    しかし、この本では具体的なスキームは紹介されてはいなかった。

    税金は「取られるもの」という発想から一歩進めて、一人ひとりの「社会参加」であるという意識をもつこと、という問題意識で書かれた本みたいです。

  • 愚直なまでの主人公深田道夫と真直ぐなまでに業務に熱心な宮野有紀。そんな二人が物語りの中心にいる。
    そこに脱税という問題を絡めてこの本の世界が描かれている。
    物語の中にいる宮野の娘いづみ。読者に税金という社会問題をもう一度考えさせるためのキーパーソンとして存在している。
    幸田作品は社会問題の意識を高めるような作品が多いのが好きですね。

著者プロフィール

1951年生まれ。米国系投資銀行等で債券ディーラー、外国債券セールスを経て、1995年『小説ヘッジファンド』で作家に。2000年に発表した『日本国債』は日本の財政問題に警鐘を鳴らす作品としてベストセラーになり、多くの海外メディアからも注目される。2014年『天佑なり 高橋是清・百年前の日本国債』で第33回新田次郎文学賞を受賞。主な著書は『日銀券』『あきんど 絹屋半兵衛』『バイアウト 企業買収』『ランウェイ』『スケープゴート』『この日のために 池田勇人・東京五輪への軌跡』『大暴落 ガラ』『ナナフシ』『天稟(てんぴん)』のほか、『マネー・ハッキング』『Hello, CEO.』『あなたの余命教えます ビッグデータの罠』など、時代に先駆けてITの世界をテーマにした作品も多い。

「2022年 『人工知能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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