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- Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101222110
感想・レビュー・書評
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第二次世界大戦の戦時・戦後の中国が舞台。雰囲気のある名作。
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1982年下半期芥川賞受賞作。唐十郎との同時受賞だった。著者が5歳から11歳までを過ごした中国での体験が語られている。回想記風の文体で描かれるが、小説の前半2章は中国人少年の午寅に視点が据えられ、時制は戦中である。そして、3章以降は戦後に移行すると共に、視点人物も佐智に引き継がれる。それは、著者の、中国人と日本人を相対的に描くための方法だったのだろうが、意図はともかく必ずしも成功しているとは言い難い。また、中国の風土や空気感はよく表出されているが、主題はあまりにも素直で尖鋭なところが感じられない。
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<あらすじ>
舞台は1945年前後の北京、日本人の少女佐智がこの街で過ごした数年間の物語。中国人の車引き老高(ラオカオ)やその息子午寅(ウーイエン)との話「夢の壁」、国民学校と終戦前後の生活、国際学校SH学院での宋梅里(ソンメリ)との出会い、帰国の船旅までを描いた「北京海棠の街」、の2本を収録。
<ひとことコメント>
「夢の壁」は第88回〈芥川賞〉受賞作です。それなのに今では手に入りにくくなってしまっているのが実状。平積みされてもいいほどの名作だと思うんですけどね。これは佐智シリーズの第一作目です。機会がありましたらぜひ一度手に取ってみて下さい。
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