ベルリン飛行指令 (新潮文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784101223117

感想・レビュー・書評

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  • ずっと読みたかった佐々木讓さんの冒険小説。
    面白かったが飛び立つまでがちょっと長い。
    着陸の為の中継地点を築く話は面白い(インドの藩王国)が飛び立ってからが意外とあっさりと進む。
    飛行士の2人は魅力的。
    三部作の残りも読みたいと思う。

  • 2019/11/3読了。
    先日再読したヒギンズの「鷲は舞い降りた」の直系の関連図書として再読。これもやはり一気読みの面白さ。

  • 久々に寝食忘れて読んでしまった。
    佐々木譲さんの第二次大戦3部作の第1作目だったようだ。「エトロフ~」を先に読んでしまっていた。順番通り読んでいたら、「エトロフ~」がもっと楽しめたのかも!
    この本は「エトロフ~」ほど難しくなく、物語に入っていきやすかった。そして、登場人物の誰もが自分の美学、信念を持っていてかっこよすぎる。それ故に、悲しい…。
    海軍の中に、これほど現実を直視できる有能な人間がいたはずなのに、何故大戦を止められなかったのか残念でならない。そして、安藤、乾、柴田…その他多くの人々の命を賭し成功させた任務をなかったことにしてしまうなど…。安藤は…その後どうなったのだろう。エピローグには書かれていなかったが?
    気力を回復してから第3弾を読むとしよう。
    素晴らしい本に出会えたことを感謝する。

    • しろコシオさん
      chieさん、フォローありがとうございます。本棚拝見させていただきました、既読でかぶってるものも多く、読書の傾向に近しいものを感じました。
      ...
      chieさん、フォローありがとうございます。本棚拝見させていただきました、既読でかぶってるものも多く、読書の傾向に近しいものを感じました。
      また未知のものもあり、いろいろ情報をいただいたり、勉強させていただけそうです。
      今後ともよろしくお願いします。
      「ストックホルムの密使」のレビューを楽しみにしてますね!
      2017/09/27
    • hs19501112さん
      コメントありがとです。「ストックホルムの・・」では、きっとchie0305さんの喜ぶだろうという記述が数行、出てきたはずです♪
      と、神父さ...
      コメントありがとです。「ストックホルムの・・」では、きっとchie0305さんの喜ぶだろうという記述が数行、出てきたはずです♪
      と、神父さん(?)のその後も・・・。

      誉田哲也、自分は大好きです。まだ刑事物系しかお読みでないようならば、ぜひとも刑事モノ以外の誉田作品も手に取ってみることをおすすめします。

      (自分の中では「白い誉田」と名付けてます)
      おすすめ度合い(万人受けしそうな)順に・・・

      ①「武士道シックスティーン」(映画化)
      ②「疾風ガール」
      ③「幸せの条件」
      ④「増山超能力師事務所」(連ドラ化)
      2017/09/29
    • kiyorhintaさん
      幸せの条件
      幸せの条件
      2018/10/31
  • 「エトロフ」を読みたいがために手にとったのが申し訳なくなるほど、おもしろい小説だった。冒頭の謎から一気に物語の世界に引きずりこまれる。この時代設定で現代の我々が魅力を感じる人物像を作るには、どうしても国策に思うところがあるということになる。ほとんどの登場人物がそういう立場をとっているのは少し現実味がないかなと思う。ただ第二次世界大戦の日本やドイツというと、どうしても負のイメージがつきまとうけれど、どういう状況におかれようと国家と個人は別物で、ゆれない強い人たちもいたのだろうとあらためて思わされる。

  • 最近は警察物が多い佐々木譲だがこの本をはじめとする三部作は傑作中の傑作。

    • chie0305さん
      kakaneさん、お薦め本ありがとうございます。実は、「エトロフ」の方はちょっと固いというか、私には難しかったんです。「ベルリン」を先に読め...
      kakaneさん、お薦め本ありがとうございます。実は、「エトロフ」の方はちょっと固いというか、私には難しかったんです。「ベルリン」を先に読めばもっと違ったんでしょうが。でも「ベルリン」はすごく読みやすくストレートに胸に響きました。でも、いい本を読むと物凄く疲れます…。少し休んでから「ストックホルム」に行きます。安藤さんの消息が知れたらいいな!お薦め本も是非読みたいです。
      2017/09/24
  • ありがたいことに、身近には“本選びの羅針盤”とでもいうべき友人が数人いる…

    もちろん、読書は個々それぞれが好きに感じる悦楽…その上、このひん曲がった性根からすれば、他人から進められた本の全てに、推薦した人の思惑通りに感動したり勉強になったりすることは、まず無い!のだが(苦笑)、何故かその数人の友人が推す本には、所謂“ハズレ”が無いどころかドストライクが多い…というか、おそらく私の性質を知った上で投げてくれる、優しい球だとも思うのだが(笑)

    で、先日も、その中の一人(元文芸出の編集者)と、不定期ながら唐突に始まるヤサグレ飲み会の折に、警察小説から、佐々木譲氏の『嗤う警官』に話が移ったときに、“第二次大戦三部作”を読まずには、佐々木譲を語れず!的な指摘を受け…いや、正に読めという“指令”を受けた。…そして、指令をうっちゃったまま、はや数ヶ月…仕事も無いヒマな日が目の前に広がると、粋な趣味的なものも持たず、多くの友人達のように“リア充”な食べ歩きやイベントに動くような、心や財布の余裕がある訳でもない身としては、活字世界に心の拠り所を求めたりする訳で(笑)…とりあえずは、おそらくドストライクであろうその球を受けたく、ようやく手を伸ばした。

    そして、1日で読み終え…爽快な…かつ重厚な満足感を得ている。

    歴史をベースにした、冒険小説…といったら軽々しいのか?
    やはり自分をワクワクさせてくれる一番のfactorは、登場人物の誰一人として捨て駒的な役回りが無いってことで、もちろん、実存した人名を使うってことは、その義理も果たさなければならないのだろうが、それにしても全ての人物像が生々しくスバラシイ…

    そのこと自体は、『嗤う警官』でも感じたことなんだけど、この話の舞台は、とかく同じような、国家の反省やら汚点として始終する実際の第二次大戦にまさに突入する際のこと…同じ零式艦上戦闘機がモチーフなのに、最近、ベストセラーになって映画もロングランになった、やたら文字数で読ませる放送作家さんとは違って、贅肉が無い展開の中で、国や組織では抑えられない飛行機乗りの気高さや、開戦の無意味さ、男女の心の機微がかえって肉厚に描かれていて、ほんとうに読んでよかったと思う。

    まぁ、ここまでくっちゃべって、言うのもなんだけど…
    未読で、これから読みたい人が居ると申し訳無いので、筋に関しては何も言いません(笑)が、人間は、もっとシンプルであって良いのでは無いか?とも考えさせられました。私も、“蛮行か愚行のどちらかを選べといわれたら、ためらうことなく愚行を選ぶ”…そんな安藤大尉でありたいと、今の日本が、近隣諸国を含め、諸外国に…いや内政にも行おうとしている様々な事柄は、銃弾を使わない“蛮行”のような気がしてならないと…そんな気持ちです。

    とりあえず、元さん!次はエトロフ…行かせていただきます!(笑)

  • 物語の冒頭、本田技研のF1参戦史を取材するライターが奇妙な伝説に出会う。老いたドイツ人が大戦中「ベルリンでゼロを間近に見た」というのだ。ノンフィクションのような抑制された語り口で始まるプロローグから、男心をがっちり鷲掴みにされてしまう。
     第二次世界大戦の初期、日本海軍はドイツ空軍から最新鋭の戦闘機タイプゼロの実機を送るように請われる。バトルオブブリテンの空戦でメッサ―シュミット戦闘機は800キロに届かぬ航続距離で苦戦を続けており、ゼロのライセンス生産を画策したのだ。
     タイプゼロの航続距離は2千キロ超、しかし東京から欧州戦線までは直線距離で6千キロ超。しかも英国空軍が大半の制空権を握るユーラシア大陸を飛び、敵地下で補給整備をせねばならない…。なんともスケールが大きく、ロマンあふれる冒険小説である。

     初冬、横須賀の飛行場から2機の「零式艦戦」がベルリンに旅立つ。軽やかに飛び立ち、雨雲のなかに消えて行く情景が鮮やかに目に浮かんだ。零式艦上戦闘機、通称ゼロ。ゼロ戦は、誇り高き海軍の技術と美学によって生み出された美しい戦闘機だった。小説なのであるが、終始ゼロ戦の優美さが描写され、美しい機影を想起させてくれる。
     ドイツまで戦闘機を運ぶのは安藤と乾の二人のパイロット。海軍士官の美学と洗練が酔わせてくれる。 そして…。 友情と別れが胸に迫る。
     きわめて男子向けの、ロマンチシズム溢れる小説である。
                       

  • 余韻のある終わり方がいいね。
    格闘戦のシーンは息がとまる。
     いかにも映画になりそうだけど、まだなっていない。海老蔵なんかが出そうだけど。

  • 開戦間近の緊張の中、ゼロ戦が日本から敵国領空を通過してベルリンまで飛ぶ。なんてスリリングな話なんだろう。思わず実話かと思ってしまうようなリアリティ溢れる描写に引き込まれた。
    この作品の主人公もまた氏の作品らしい。
    おそらく今年最後の読了記録かな。

  • 東西ミステリーベスト100、91位の本書を読了。
    読了後、暫く放心する位圧倒されました。

    激アツの冒険小説であり、歴史ミステリーの傑作です。恐らく当時の情勢と情報収集を相当にされて虚実のギリギリのラインを狙ったんでしょうね。

    日本人にとって零戦というのは、悲劇を纏う題材としては戦艦大和と並ぶ位のものです(そのラストを含めて)。

    乾がイラクで自己犠牲の精神と共に離脱した辺りからページを捲る手が止まりませんでした。☆×4.5

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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