ストックホルムの密使 下 (新潮文庫 さ-24-6 新潮文庫)

  • 新潮社 (1997年11月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784101223162

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

戦争の真実と情報戦の厳しさを描いた物語は、現実を直視することの重要性を訴えます。国内の機密が漏れ、外交の失敗が重なる中で、主要人物たちは戦争を終わらせるために尽力し続けました。特に、磯田の忠実さや安藤...

感想・レビュー・書評

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  • 戦争は情報戦だと言われるのに、現実から目を背け耳を塞ぎ、信じたいものだけを信じ、国内の重要機密をスパイに筒抜けにし、外交も腹立たしいほどにヘタクソで、国力差は圧倒的不利。そもそもこんな国が何で戦争なんて始めてしまったのか。この非常時に陸軍と海軍は対立し合い、大和田文書が早い時期に届けられたとしても、ソ連の参戦・原爆投下は阻止できなかったのではないかと思う。
    だが、戦争を終わらせようと最後の最後まで望みを捨てなかった人達の尽力を忘れてはならない。
    主要人物はもちろんだが、個人的には磯田の死に胸が詰まった。磯田は…「エトロフ」でも読んでいて辛くなるほど職務に忠実な男だった…。
    そして、気になっていた安藤大尉の消息…。そうか、彼らしい…。
    この本もまた、素晴らしい作品だった。佐々木譲さんありがとうございました。

  • 上巻途中での感想に
    【日本人は阿呆ばかりだ!】と書いたが…………。

    通読しての感想を一文で表すならば
    【日本人は阿呆ばかりではない!】となった。



    太平洋戦争末期、何故にあれだけの被害を受ける前に、戦局から判断して早期講和に持ち込めなかったのか……。

    何故に日本人は、世界初にして唯一の被曝国となってしまったのか……。



    フィクションではあるが、指導者側登場人物にはそれぞれモデルとなる実在の人物がいての、史実の流れを汲んだ物語。

    長いものには巻かれろ
    臭いものには蓋をしろ
    溺れる者は藁にもすがる
    会議至上主義で決断力が欠如

    ……日本人の“負の特性”そのものな人間達と闘った、勤勉かつ己の正義と国全体の未来を考えて動いた信念の人……。
    彼らはあくまで架空の人物たちではあろう。がしかし、きっと彼らのような人達も、確かに存在したのだろう、と思うことができた。

    日本人は、阿呆ばかりではなかった。
    だからこそ、壊滅的な打撃を受けた敗戦国にして、天皇制を廃止させられることなく、短い期間でめざましい復興を成し遂げることができたのだろう。

    カタチは違えどやはり再び“阿呆な日本人”が多くなってしまったこの国も、やはり捨てたものじゃないのだなと、思えた。

    2012.04.02.了。

  • 10年以上前の読了。

    3部作の中で最もアクションに特化してたような…シリーズの最後、冒険巨編です。

  • 「ベルリン飛行司令」「エトロフ発緊急電」に続くやつ。エトロフ〜では出てこなかった安藤大尉が出てきて、安藤大尉!!!ってなります。

    ストックホルムからの密使、いつになったら密使出てくるん…?と思いながら読み進め、上巻の最後でやっと放たれます。下巻は、えー!どうなるのー!先が気になるぅぅー!と、引き込まれました。

    ソ連参戦や原爆投下などの史実はわかっているので、先が読めると言えば読めるのですが、史実と創作が上手い具合に絡み合い、そそそそれでどうなっちゃうの???と、先を知ってるのに先がわからないという面白さがありました。

    面白かったー!

  • どこまでが真実かは分からないが、開戦や終戦に関しての超一級の情報を日本が活用出来なかったのは確からしい。今に至るまで日本はインテリジェンスのレベルが低いのが悲しくてならない。

  • すごく良かった。
    戦時中の、政府のあの分からず屋加減が何とも腹が立つ。
    あの時代は、今とは色々違うから考え方も違うのかもしれないけれど、終戦が決まるまで、やきもきした。

    • hs19501112さん
      【戦時中の、政府のあの分からず屋加減が何とも腹が立つ。】

      に、同意します。
      【戦時中の、政府のあの分からず屋加減が何とも腹が立つ。】

      に、同意します。
      2014/01/06
  • 「第二次大戦三部作」
    祖国とは血・生まれ、地・育ち、、
    誰を何を信じてたらいいのか。。

    大和民族とは・・・
    人を人と考えていたか。。

  • 密命を背負ってストックホルムから日本へと向かう… シチュエーションは違っても主立った部分は前二作と同じパターンな印象。

    主人公に日本人の血が流れているけど、純粋に日本人と言いづらい境遇とか、いろんな妨害を受けながらも臨機応変に、そして友に旅してきた仲間が犠牲になってしまうが、なんとかゴールにたどり着く展開。「ベルリン飛行指令」は零戦での移動で特殊性が感じられましたが「エトロフ発緊急電」と本作は似通っているところが多く感じられ、新鮮味が減退してしまった感があります。

    加えて、本筋であろう冒険譚以外のパートが大ボリュームすぎて、少々冗長な感が強いです。“密使”としての話は、実質全ページの半分くらいなんじゃないでしょうか。

    なので、前二作ほど集中して読むことが出来ず、微妙な気分で読んでいましたが、終盤に安藤大尉の映った写真と、彼が書いた手紙が登場する場面。そして(おそらく幻と思いますが)零戦の姿が現れたときは、さすがに胸がアツくなりました。

    • hs19501112さん
      この三部作の感想・・・

      “ベルリン~”>“エトロフ~”>“ストックホルム~”

      ってことでしょうか?
      だとしたら、自分と全く同じ...
      この三部作の感想・・・

      “ベルリン~”>“エトロフ~”>“ストックホルム~”

      ってことでしょうか?
      だとしたら、自分と全く同じ順番です。世間的評価は“エトロフ”が高いようではありますが・・。
      2012/10/23
    • inutoolsさん
      hs19501112さん>
      コメントありがとうございます。登場人物が他二作より魅力的に感じられたためか、私も「ベルリン〜」が一番面白いと思い...
      hs19501112さん>
      コメントありがとうございます。登場人物が他二作より魅力的に感じられたためか、私も「ベルリン〜」が一番面白いと思いました。
      2012/10/23
  • (★★★より上の ★★★+ )

    どこまで行っても報われない命がけの密使。

    結局すべてに間に合わなかった。


    下の “引用” を何と読むか。
    これによって、数知れない命が。

  • 山脇が最後に思いを馳せる石川啄木の詩「飛行機」、恥ずかしながら知らなかったので詠んでみた(コメント)。山脇の決断の苦悩を踏まえ戦後日本の歩みを鑑みると、経済成長、復興とは何か?震災後の今だからこそ考えさせられる。

  • 第二次世界大戦シリーズ3作目。上下巻。前の2作と比べると、物語自体が長いこともあり前半に大きな動きはありません。上巻の後半から物語が加速してゆきます。シリーズを通して登場する人物の個性がここにきて「あぁ、これで3部作も終わりなのだ…」と言う感慨を後押しします。

  • 面白かった、と余韻に浸れる作品。第2次大戦3部作のトリを飾るに相応しいボリュームに、苦もなくスッキリと読ませる文体は素晴らしい。後半でドタバタ展開する状況に振り回される四郎には、ちょっと同情。

  • 終戦の間際、国の存亡をかけて、それぞれの場所と立場で奮闘する人たち。おもしろかったぁああー!久々の「読み終わるのがもったいない本」でした。いろんな立場や役職、はたまたいろんな国の人々が登場しますが、みんなすこぶる魅力的!また、佐々木作品にしては(失礼!)、なんとも言えない爽快感があり、終盤の盛り上がり方も心地よい。いやはやなんとも良い作品でした。文庫は上下巻なので、本屋で見てもナカナカとっつきにくかったのですが、いや〜読んでよかった。ほんとほんと。しか〜し、何で誰も感想書いてないんだぁ?こんな名作なのにー。

  • 日本の敗戦は目に見えていたが、一人でも多くの国民を救うべく欧州からソビエト、中国を駆け抜ける密使の2人。核爆弾が投下されるまで真実に目をそむけ続けた軍人達の愚かさに涙が止まらなかった。どれだけの犠牲の上に今の日本があるのか?深い深い闇を見た気がした。

  • やや落ちる

  • 堪能しました。原爆の非を言い立てる人は多いが、原爆が落とされなかったならば、本土決戦、国民皆兵となり原爆どころではない被害が出ていただろう。本作の軍継戦派の言葉を借りれば「2000万人」が兵として戦争に否応なく巻き込まれることになっていた。軍部の継戦派は国体護持などと口では唱えながら、国土を戦場に変え、国民を悉く殺し尽くす「一億玉砕」を祈念していた異常者の群れだった。国民がいない「国体」を護持するとは異常者の発想。

  • 連合国側の極秘情報を日本へ伝えるべく、森四郎とコワルスキは、スウェーデン、スイス、ドイツ、ソ連を横断し、満州を目指します。
    無事日本に情報を届けることができるのか。
    史実とフィクションを巧みに取り混ぜたストーリーは、圧巻です。
    〈第二次大戦秘話三部作〉の完結編です。

    どんな情報も、受けとる側に受けとるための感受性と認識がなければ、ただの雑音にしか聞こえません。 ー 419ページ

  • 戦局の客観視自体が難しくなっていた大戦末期の帝国政府とドイツ敗戦後の世界体制の思惑が絡みどのように太平洋戦争を終結させるかの布石を始めた米英とソ連。欧州からの兵員を極東に再配備するために時間が必要なソ連とソ連参戦前に日本との戦いを終結させたい米英。その中でソ連参戦のタイミングと原子爆弾の実戦使用という重要な情報は参謀本部内で握り潰され、ストックホルム駐在武官は密使を日本に送り込むことにした。手に汗握る冒険譚は原爆使用前に日本へ情報を届けさせたくない米英の諜報部からの激しい逃走へと姿を変え、ユーラシアを横断する。

  • 大戦末期 ヨーロッパで停戦に向けて努力する話。
    相変わらずの日本政府? 今も昔も変わらないわァ。
    実在に近い人物が沢山登場するので面白かった。

  • 何とか密使のミッションはやり遂げたが、同志は死に、情報も時すでに遅し。
    終戦に至る瞬間までは息つく展開だが、その後はあっさりと終わる感あり。

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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