- Amazon.co.jp ・本 (444ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101223216
作品紹介・あらすじ
札幌の刑事だった川久保篤は、道警不祥事を受けた大異動により、志茂別駐在所に単身赴任してきた。十勝平野に所在する農村。ここでは重大犯罪など起きない、はずだった。だが、町の荒廃を宿す幾つかの事案に関わり、それが偽りであることを実感する。やがて、川久保は、十三年前、夏祭の夜に起きた少女失踪事件に、足を踏み入れてゆく-。警察小説に新たな地平を拓いた連作集。
感想・レビュー・書評
-
面白かった。
北海道の寂れた街に赴任した駐在所の警察官が独自に捜査を進めるストーリー。普通駐在所の警察官は地域のお困りごとの対応が主体で捜査に参加するのは稀なんですが。この辺りがタイトルの由来かな?
5つの短編からなり、スラスラと読めます。
オススメ!
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
佐々木譲氏の警察小説。連作短編。北海道警察シリーズではないが、北海道十勝の駐在所勤務の巡査部長が活躍。推理が当たりすぎることに若干の違和感がありますが、警察小説らしいです。
-
佐々木譲の「制服捜査」は、札幌で刑事課に15年在籍した後、十勝地方の農村の駐在所に異動となった、川久保巡査部長が遭遇する5つの事件を描いた連作集。
個々の事件を経て、13年前の夏祭りの夜に、7歳の少女が失踪した事案に至り、管内一の犯罪発生率の低さを誇る"健全な町"に隠された、深くて暗い闇が浮かび上がる構図は、実に見事だ。 -
北海道のある町の元刑事の駐在の話
5個の短編が時系列で進んでいく。
田舎独特のルール、偏見、差別も絡み話を面白くしている。
3.7 -
タイトルの制服捜査は、
通常は制服を着ている駐在警官が捜査を行うから。
どうやら一般的に捜査は私服組みの刑事が行い、
駐在はその指示に従って動くようだ。
この物語の主人公の駐在警官は、
現場で起きる事件に独自の推理を働かせ捜査する。
というのも、つい直前まで刑事だったからだ。
北海道警で起きた不祥事の影響で、
癒着防止を優先し、一定期間以上、
同じ地方・部署にいる者は異動となったのだ。
経験やキャリア問答無用の配置転換。
初めての駐在勤務で、
十勝平野の小さな農村に単身で赴く。
犯罪は管内一の低さ。
性的軽犯罪の報告は15年間で一度もなく、
大きな犯罪は起きない。
地域の有力者たちと良好な関係性を築き、
つつがなく日々を送ることが使命。
前任者たちもそうして過ごしてきた。
時には現場の裁量で、
良きに計らったりもしながら。
長いものに巻かれ、大樹の陰に身を寄せ。
ところがそうした大人の事情に、
飲み込まれない者がやって来た。
表面的な平和、お茶を濁した安全の下に潜む、
危険性や犯罪の匂いを敏感に見抜く。
隠された真相がひとつずつ暴かれる。 -
TVの2時間サスペンスなんかでは、スチュワーデスでも科捜研でも、刑事になって犯人捕まえてるけど、実際は警察官であっても駐在さんなんかは捜査できない訳ですね。
このお巡りさんは、元バリバリの刑事だから、捜査しちゃうんだけど、実際問題てんこもり。
他の部署のお役所仕事や地元有力者の横槍にも負けず孤軍奮闘。
でもただ黙って言うこと聞いてるだけじゃないよ。結構ズバっと言っちゃうよ川久保は。そこが気持ちいい。 -
可もなく不可もなく
長編にした方が面白そうな内容
ベルリン、ストックホルムの方が好きかな -
短編集だった。淡々とした書き味の小説です。でも心打たれました。
-
駐在さんと呼ばれる警察官を通じて描く、街や人の風景。淡々とした日常を鋭い視線でえぐっていく感じがたまらん。次作も楽しみですね♪
-
警察小説といえば、佐々木譲ですねぇ。
1文1文が短く、読みやすい。
それゆえテンポがいい!
短編なのでこれまた読みやすいです。
セリフのやり取りが特に好きです。
おすすめ。