警官の血 上 (新潮文庫)

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レビュー : 148
  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101223223

感想・レビュー・書評

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  • 913.6 サ (1) 登録番号9466

  • 3代の警官を描くミステリー…の上巻。まだ途中なので感想を書ける段階にはなっていないのだけれど、下巻を早く読みたいっと思える面白い作品なので上巻の状態で感想書いてみる。

    上巻は、終戦直後に警官になった安城清二の物語と、その息子である安城民雄の物語の途中まで。

    安城清二の物語は、(たぶん)伏線のためのストーリー。終戦直後の混乱した状況の中で警官になった男のドキュメンタリーのような内容。戦後の状態、その中で起こっていたこと、そして、彼の周りで起きた2つの迷宮入りの事件。彼の人生では解決できず、そして、だれも重要視していない2つの事件。

    その息子、安城民雄の物語は、父の背中を見て育った彼が警官になってからの話。学生運動が盛んな時代、彼は赤軍への潜入捜査に組み込まれる。その話もドキュメンタリーのような内容。そして、それが一段落したところで、ふと、父親が関わった事件について考え始めるきっかけに出会う……というところまで。



    最初は「ドキュメンタリー小説なのかしら?」と思って読んでました。ドキュメンタリーとしても興味深く読み進める物語だったけれど、上巻を読み終わった時点で、どうやら清二が気にしていた事件の謎が全体をまとめる謎なのかな?…と思える感じに(下巻で全然違うかもしれないけど、ネタバレはご容赦のほど)。読み進めば読み進むほど、先が知りたくなる。

    下巻が楽しみ。






    そして、もう1つ興味深かったのは、刑事(警官)のPTSDについて語られていること。

    佐々木譲さんの別の警察小説である道警シリーズ(「笑う警官」〜)でも扱われている話題。ドラマや映画でのカッコいい刑事像しか知らなかったので、知ることができてよかった、と思える話題でした。

  • 数年前にテレビドラマにもなった3代にわたって警察官になった親子の数奇な人生を綴った対策。佐々木譲らしい警察組織への切り込みはそのままに、北海道でなく東京を部隊に、実際にあった事件を交えつつストーリーが展開する。誰が読んでも怪しいのは一人しかいないので、真犯人を探すというミステリーとしての意外性は物足りないが、全体的には早く終わりまで読みたいと思わせる秀作です。

  • 親子で代々警官をやっていく人たちの話。
    物語の構成が面白く、展開が気になってついつい早々とよみ進めてしまうタイプの本。
    自分には単なる物語としてしか捉えることができなかった。
    きっと俺の読解力が足りないんだろう。

  • 有名で前評判が良いだけのことは、ありました♪
    評判の良い作品は、よく期待倒れになることがあるのですが、全くそんなことを感じさせない、しっかりした作品。親子3代に渡ってつながる流れ、中々痛快な感じで締めくくられるラスト、最後までしっかり楽しめました!

  • グイグイ引き込む感じはさすが。ドラマを先に見てしまったので先入観が邪魔をしてしまった。最後の恋人の件はストーリーが下世話な感じになると思うけど。

  • 取り敢えず上巻のみ読了。下巻も読み終えたら★の数が変わるかも。

    まだまだ謎が尽きない感じです。
    ここからどう3代目に繋いでいくのか、
    1代目が調べてた事件と死の謎は明らかになるのか楽しみ。

    (特に2代目になってから)時系列が判りにくくて戻った箇所がいくつか。
    1行空けたら5年後とか、
    数ページ読み進めてやっと今が何時なのか分かったところがあって
    そういう部分は若干読みづらかった。

  • ドラマでみて読んでみたいと思った。男娼殺しはあまり惹かれるもではなかったが、潜入捜査の場面が緊迫感がありよかった。後半も楽しみ。

  • 親子ふたりのそれぞれの生き様にじっくり入り込めるところが心地よい。止まらない訳じゃないけど、やめられない感じ。

  • 当然ではあります、上巻を読み終えた時点ではなにも解決はしておらず、謎がちりばめられて終わっていくだけになります。上巻では、やはり本作が三世代にわたる警察大河であることを承知の上で、読み進めてもそのストーリー展開は読みやすいです。また、戦後間もなくの上野、安保闘争激しい時代の北海道と東京など、時代時代を切り取る町並みの描写や人々の苦しい生活の描き方がすんなりしみこんできて、時代性を感じさせているところもさすがといえます。

    上巻だけではこの作品全体からみると3分の1程度しかありませんので、全体を評価することができません。ですがあえて、言うとするならば個人的には二代目・民雄がスパイとして過激な左翼運動の一派(ブント)に潜入捜査をおこない、その組織を内部から崩壊させて手柄をたてる一方で、人を裏切り続けて精神的なダメージを深めていくあたりの描写がもう少しドロドロしていても良かったかな?と思ったりしたのです。それも、下巻で展開する民雄の精神状態を読んだことでわき上がった感想なのですが…。さすがに山梨での新左翼運動(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%B7%A6%E7%BF%BC_(%E6%97%A5%E6%9C%AC) )の訓練に潜入し、摘発(要は友人を売るということ)だけではその苦しみの深まりがとらえきれなかったかも…、と思ってしまったのでした。

    戦後の昭和、そして高度経済成長期にあっての庶民生活と地域での支え合いに、今はみられなかくなった駐在所の警官さんの生活を、きれいに描いていて、また警官や警察ではなくいわゆる親しみをこめた「おまわりさん」の物語が展開します。そこからみえてくる人情味が、さまざまな事件への対処とからませながら、一本の筋としてひかれている中心的主題と美味く絡み合うことでこの安城家をめぐるドラマは、下巻に引き継がれていくことになります。すぐに下巻に手を伸ばせるだけの面白さがあり、あっという間に読めてしまいました。

    警察小説をあまり読んでこなかった私にとっては、佐々木譲(http://www.sasakijo.com/)という北海道在住の小説家が紡ぎだす物語にすっかりはまり込むことができたといえます。上巻だけでも500ページ近くありボリュームもかなりありますが、面白いです。というわけで、少しの解説と少しの注文をつけただけで感想文っぽくありませんが、続きは下巻で書くことにしましょう。

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著者プロフィール

一九五〇年三月、北海道生まれ。七九年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞。九〇年『エトロフ発緊急電』で日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞を受賞。二〇〇二年『武揚伝』で新田次郎文学賞を、一〇年『廃墟に乞う』で直木賞を受賞する。他に『ベルリン飛行指令』『疾駆する夢』『昭南島に蘭ありや』『警官の血』『代官山コールドケース』『獅子の城塞』『犬の掟』など著書多数。

「2017年 『武揚伝 決定版(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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