警官の血 上 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101223223

作品紹介・あらすじ

昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 感想は下巻に

  • 再読

  • 2008年版このミステリーが凄い!第1位
    と、帯に書いてあります。
    ミステリーって謎が一つでもあったらミステリーって事ですか?

    父の清二と息子の民雄の2部構成。
    民雄の話の方が面白かった。
    学生運動?の話とかスパイ活動とか。

    何故そこまで精神的に参ってしまうのかの描写が足りないんでは?と思ってたけど、この小説に限らず人がどの程度メンタルがやられてるかなんて、こっちがどれだけ想像出来るかによるよなぁと。

    酒癖悪くてカッとなったら手を出すのも、酒飲んでようが無かろうが手を出す時点で性根に問題あるだろ?
    と瞬間的に思うけど、カッとなって手を出すのも、私が瞬間的に手を出すとかあり得ないと思うのも、描写が足りないと思ってしまったのも、大差ない気がしてきた。
    だって彼はカッとなって手を出した後反省してるし。
    ということで、カッとなって手を出すのはあり得るということになりました☺️

    下巻はこれから読みます。

  • 安城清二はなぜ死んだのか?
    重要人物は浮かび上がらせている。
    孫まで続く展開でどうはっきりさせるのだろう?

  • 驚くほど淡々と読み進めてしまったなー。
    別に読みやすいし面白くないわけじゃないんだけど。
    時代背景も別に嫌いな部類じゃない。
    なんだろうなぁ。むしろ好きな方だと思うんだけどな。
    たまにちょっと波があるくらいで、割と平坦に物語が進むので、感覚的にもそうなってしまうのかな。

    親子3代警察官の話。
    上巻は祖父で不審死を遂げた駐在所警察官【清二】&その息子で駐在所希望だったにも関わらず出向と潜入捜査でメンタルやられてる【民雄】で終わりです。
    おじさんたちがどう絡んでくるのか。
    下巻の盛り上がりに期待!!!!!




    @手持ち本

  • ずっと読みたかった作品の第1巻
    謎を残したまま2巻へ
    読みやすくどんどん読めてしまった
    3.5

  • 面白い

  • 清二が追っていた2件の未解決事件の犯人は?

    清二が死んだ真相は?

    すべてがここにつながっていくのか…

    三代に渡る真相は…

  • 過去の「このミス大賞」1位。3世代に渡り警察官となった親子の物語。1代目の戦後の混沌とした時代の上野、谷中近辺の様子や当時の警察官の役割、1代目から3代目の時代の移り変わり、最後まで興味深く読んだ。馴染みのある場所が舞台だと読んでて情景も浮かぶのでより良い。

  • 下巻へ

  • 上巻の終わりで、ようやく面白くなってきた。おじーちゃんが素晴らしい警察官だった、というには、ややキャラクターやエピソードが弱いような気がする。今後の展開に期待。

  • 三代続く警官一家の大河小説

  • 過酷な仕事で同情はするけど、それと家族に手を上げることは全く別の話。

    自分の生活圏が舞台となるのは(あまり良くないシュチュエーションだとしても)読者意欲がますものですね。

  • 暗い内容だが、その奥深さを目の当たりにしている。前半、清二が戦後すぐに下町で警官として勤務し、後半は清二の子・民雄が父親の自殺の真相を知るべく警官となり暴いてゆく。前半の清二は戦後の混乱期の土埃の匂いのする中、ホームレスと関わりながら警官として生きていく。妻の多津がとても賢明で夫を支える姿に共感。後半の民雄、亡き父親の友人に支援を受けながら高校まで卒業し、警官となり北海道大学で長期間の囮捜査員として勤務。精神的に厳しい捜査により不安神経症となり日々苦労する。警官や家族の苦労は見えないが壮絶な仕事ですね。

  • 親子3代警官小説
    これってスチュアート・ウッズの「警察署長」のパクリ?と思いつつ読んだが
    モチーフこそ同じものの、内容はオリジナリティがあって面白かった

    戦後警察官になった祖父
    スパイにならざるをえなかった父
    その血筋を何かと取り沙汰される孫
    それぞれの章は、全く独立した警察小説のよう
    その背景で続く1つの謎

    しかし、この話を読むと警察というのはとんでもねえ組織だ
    腐敗警官の調査という、ほぼ拒否できない命令を出しておきながら、その任務が成功すると今度は、仲間を売った警官として潰そうとする

    フィクションだから、そんなことあるのか分からんが、良く出来てるので説得力がある
    文章もうまくて読みやすい

  • あらすじ
    昭和二十三年、警察官として歩みはじめた安城清二は、やがて谷中の天王寺駐在所に配属される。人情味溢れる駐在だった。だが五重の塔が火災に遭った夜、謎の死を遂げる。その長男・安城民雄も父の跡を追うように警察学校へ。だが卒業後、その血を見込まれ、過酷な任務を与えられる。大学生として新左翼運動に潜りこめ、というのだ。三代の警官の魂を描く、空前絶後の大河ミステリ。

  • 2014/4/3最初、進まず何回か積読だっが、民雄の項からスピード感が出て面白くなってきた。下巻が楽しみです。★4

  • ★★★☆☆

  • ホイッスルの吹鳴が響く。その音は告げる。犯罪と、犯罪者のありかを。ここに、罪がある。ここに、罪人がいる――。

    昭和昭和32年7月、谷中・天王寺の五重塔が炎上した未明、天王寺駐在所の警察官、安城清二が謎の死を遂げる。
    その長男・民雄もまた父の死の真相を追い警官となるが、赤軍派への長い潜入任務のなかで精神を消耗していく。
    清二、民雄、そして和也。3代にわたって警察官となった安城家の男たちが追い続ける殺人事件の謎を、敗戦直後から高度成長期、バブル崩壊後まで時代の変遷を交えて描く。

    警視庁はその血筋、毛並に期待する。
    父親の仕事を継いだ2代目、3代目の警察官。それは父親が子供の教育を間違えなかったということの証明、父の職業を子供が誇りにしていたことの証。
    その血のために、与えられた任務が彼らを蝕む。警察官となり、そのために非業の死を遂げる。それは宿命だったのか、否か。
    戦後間もない上野公園で起きた男娼殺害事件。そこから実に数十年を経て続く、罪と血の物語。

  • 時代ごとの警察人小説
    警察官も普通の生活があり家族がある。それでも警察官としての使命を負っているのはどの時代でも同じなんだろうなと
    下巻が気になるところ

  • 期待どおりの面白さ。絶妙なミステリー度合いが気持ちよい。

    終戦直後に警察官になった安城清二が、谷中の天王寺駐在所に勤務中、五重の塔が火事に遭った夜に、謎の死を遂げた。彼の近くで起きた、犯人が挙がらない二つの殺人事件と、安城清二の死に関連はあるのか。

    清二の息子の民雄も警官に。その一つの動機は、父の死の真相を突き止めること。しかし、彼の最初の勤務は、大学生として新左翼運動へ潜入するというもの。手柄を上げたものの、過酷な任務が数年も続いたことで、精神崩壊寸前まで追い込まれた民雄。自分のこどもたちの前で、奥さんに手を上げてしまう。

    父清二の仲間の警官から助けてもらい、いよいよ民雄は念願の駐在所配属となるか。下巻へ続く。

  • 安城清二の死の真相が気になります。息子の民雄の病状、今後の進展。まずは下巻を読んでからですね。

  • 佐々木譲で、今のところ一番好き

  • うーん、基本設定があまりにも「警察署長」とそっくりなのでそっちが気になって気になって骨太の戦後からの警官物語の部分があんまり楽しめなかった、下巻は独自のストーリーがもっと楽しめるといいな。

  •  警察小説かと思ったら、というよりは親子三代にわたる警察官人間小説だった。三代にまたがるので時代も戦後のバラックから現代までと幅広い。初代の安城清二の時代に殺人事件が起こり、その真相に気づいた清二が不審な死を遂げる。息子の民雄は安保闘争の時代となって潜入捜査員となり、公安とのつながりから父親の死のかくされた真相に迫ったところで殉職。さらに息子の和也がついに古い昔の真犯人をつきとめる。そう書くとミステリそのものだけど犯人に意外性はなく、謎解きというよりは三代それぞれの警察官としての生き方の方が主題となっている。三代そのときどきのエピソードをつないでゆくのだが、それぞれは底が浅くお互いの関連もないので、独立した連作のようだ。

  • 直球。どストライクの豪速球。
    これぞ大河小説の基本、ってな感じの重厚なお話。

    話自体は地味なんだけど、読ませる、面白い。
    ページを捲る手が止まらない。
    読後「読んだ~」という達成感といい
    程よい疲れも素晴らしすぎる。

    これを読むと、上っ面だけの読み物なんぞ
    足元100kmにも及ばないって実感できます。

  • 感想は下巻

  • 上下巻読んでの感想
    安城清二、民雄、和也。三代に渡り警察官として生きた男たちの物語である。
    終戦直後に警察官採用試験を受けた清二は、警察練習所で同期だった三人と共に警察官になる。
    それぞれに将来に向けた希望はあったけれど、清二の希望は駐在所勤務だった。
    やがて希望通りに天王寺駐在所に配属された清二だったが、ある日突然に謎の死を遂げる。
    万引常習犯の少年と父親との場面が印象に残っている。
    警察官でもあり父でもある清二。
    民雄にとっても印象に残る出来事だったのだろう。
    父として警察官として清二を尊敬していた民雄だからこそ、突然の清二の死が納得できなかったのだ。
    いつか事実を突き止めたい。
    それは自然な思いだったように思う。
    公安というと後ろ暗いイメージが付きまとう。
    組織だった左翼運動は次第に暴力化し、民雄が任官した頃は公安の果たす役割もいまよりは大きかったのかもしれない。
    仕事なのだから。そう納得はしていても、神経が擦り減っていくのはどうにも出来なかったのだろう。
    学生運動では多くの犠牲者が出たという。
    命を失った者も、その後の人生が変わってしまった者もいた。
    民雄もまた、その多くの犠牲者のひとりなんだと思う。
    PTSDなんて子どもだった和也にわかるはずもない。
    警察官なのに、家では母親に暴力をふるう父親。
    父親への反発もあったのだろう。成長し同じ警察官になって、あらためて父親が理解できた部分もあっただろう。
    父親としてはけっして立派な父親ではなかったけれど、警察官としては誇れるような父親だったと和也は思っていたはずだ。
    事実を突きつけられたときの和也の対応が、三代にわたる警察官の血を感じさせた。
    したたかであるけれど、間違ったことはしていない。
    父である民雄ほど弱くもなく、祖父である清二ほど純粋でもない。
    利用できるものは利用し、したたかに組織の中で生きていく。
    それが和也の選んだ道なんだろう。
    読んでいて長さをまったく感じなかった。
    それぞれの時代を感じさせるように、物語の中に流れている当時の空気感がいい。
    重厚さも、構成の巧みさも、人間描写も、細かな設定も。
    すべてが面白く、すべてを楽しむことができた。
    犯人は途中で「この人怪しい」と思った人物だった。
    やっぱり・・・とは思ったけれど、ガッカリはしなかった。
    犯人当ての物語ではないし、そこにはあまり重要性は感じずに読んでいたからかも。
    読みごたえは十分!!

  • テレ朝 ドラマ で見る大作

  • 2016/10/22読了

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著者プロフィール

1950年北海道生まれ。79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。90年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、10年『廃墟に乞う』で直木賞、16年に日本ミステリー文学大賞を受賞。他に『抵抗都市』『帝国の弔砲』など著書多数。

「2022年 『闇の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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