菊次郎とさき (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (134ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101225241

感想・レビュー・書評

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  • H29.5.19 読了。

    最近、見なくなった昭和の親父、菊次郎さん。

    人間が子供から大人になったかどうかは、親に対しての感情の持ち方で決まると思う。というたけしさんの言葉。
    私は親に対してどう思っているのか考えさせられました。

  • フィクションと書かれているが、ノンフィクションのように感じる。リアルに感じて泣ける。

  • かなり良い本だった。
    たけしの原点を知ったような気がした。

  • 軽い調子で書いてるけど、酒乱で暴力を振るう父とそんな父を嫌う毒舌の母。そんな美談になるような話ではないのでは……?
    そう思って読んでいたのだけれど、後半に差し掛かったところにあるこの一節で、あぁやっぱりなんか美しい本だなと。

    "でも、最近ふと、オヤジはよくおいらに笑いかけてあたような気がすることがある。声をかけてもらった記憶はほとんどない。でも、ニヤッと笑ったオヤジの顔ならいくつも思い浮かべることがでる。(中略)
    ようやくおいらも、五十歳を過ぎてオヤジを許せる大人になったのだろうか。"

    ビートたけしという人は、ろくでもない人間のどこか愛せる部分を感じられる人で、そこが魅力なんだろうなぁ。

    お兄さんの大さんによる最後の章が、冷静で愛があっていいんだけど、そこにもお父さんとの関係について書いてある。

    "武の映画のには、弱くて情けなくて、だけど優しい人間がたくさん出てくる。(中略)
    武だけは、オヤジを非常に魅力的な存在として見ていたのかもしれません。"

    弱さや情けなさ、辛いことのなかに、魅力や滑稽さを見出す。
    それが表現者であり、コメディアンなんだろうな。
    お兄さんの章の最後の言葉は、愛をもってわかりやすく、そのすごさを語っている。

    "あんなにつらかったペンキ塗りの思い出や、貧乏で欲しいものもロクに買ってもらえなかった子供時代だって、武は笑って語ってみせる。"

    "彼には表現者としての才能があった。苦しいことを苦しいとしか言えず、やりたいことがあっても、きっとダメだろうとくちにも出せなかった私に比べて、だけど武にはそれを見事に克服してしまう力量があったんです。"

    ビートたけしってすごいんだなって本なんだけど、主に最後のお兄さんの書いた章が心に響いた、不思議な本でした。
    oasisのギャラガー兄弟の長男が、バンドで大成した弟たちについて書いた『ギャラガー・ブラザーズ』を少し思い出した。

  • 子供は親次第。環境がものを言うんだろう。作者の家庭に限らずどこの家庭も知識は母、性格は父譲りみたいな気がします。

  • ビートたけし、此処にあり。

  • ドラマを観たことがあるが、原作?を読んだことがなかったので。
    お姉ちゃんのニワトリの話のインパクトが強い。
    ドラマをもう一回観たいなあ。

  • (;_;)号泣めーん

  • 2017.08.27 『13歳からの道徳教科書」からの選書

  • 人を惹きつけてやまないたけしさんの本。
    なんだバカヤロウ!ちょっと口が悪いところは親譲りなんだなーと。笑
    殴る、暴力する父親も人見知りが激しかったり、 お金お金とせびる母親はずっとそのお金を貯金していたり。人間って面白い。たけしさんがなにげなく知的なところは、教育熱心だった母親の影響もあったんですね。

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著者プロフィール

1947年東京都足立区生まれ。浅草フランス座で芸人としてデビュー後、1972年に漫才コンビ「ツービート」を結成、人間の「建前と本音」「理想と現実」との落差を舌鋒鋭く突きまくる芸風で漫才ブームの牽引役となる。テレビに進出後、『オレたちひょうきん族』『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などの人気番組を次々と手掛ける。映画監督としても『その男、凶暴につき』『ソナチネ』『HANA-BI』などの話題作を多数世に送り出す。2016年にレジオン・ドヌール勲章、2018年には旭日小綬章を受章。近年は小説執筆にも力を入れている。著書に『弔辞』(講談社)、『不良』(集英社)、『浅草迄』(河出書房新社)など。

「2022年 『浅草キッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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