慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り 漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 (新潮文庫)
- 新潮社 (2011年6月28日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (768ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101226347
感想・レビュー・書評
-
まるで著者が旋毛曲りの7人と同時代を生きてきたように描かれていて、まるで自分もその時代の空気を知っているような気にさせられる。昭和生まれなのに、「懐かしい」と思った。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
才能ある人材が、ある時期に集中して生まれることがあるという。
私は、才能ある人材が、集中して顕在化する時期というものがあるのではないかと思うのだが、まそれはさて置き慶応三年。つまり明治という年の始まった年に、後世に「この人」と謂われる秀才たちが集中して生まれた。
漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨。
残念ながら著書を読んだことがあるのは漱石だけかな。斉藤緑雨に至ってはその名前すら存じ上げませんでした。
それにしても、近代文学の基礎を築いたこの七人が同じ年に生まれたとは。
彼らの、それぞれの歩みを追うことによって新しい形の近代文学史を描いた一冊。
と、言っても文庫版にして740ページを費やして、明治27年日清戦争開戦直前でこの明治文壇史は突然終わってしまう。
坪内さんのあとがきによれば「飽きてしまった」とも「誰か一人でも死なせてしまうのが悲しくなってしまった」とも。
でも子規の最後、明治35年までは描いて欲しかったなぁ。
子規だけはNHK-TV「坂の上の雲」の影響で香川照之さんのイメージばかりが浮かんできました。 -
いろんな文献をまとめた、資料
-
2017年11月12日に紹介されました!
-
2014/10/10購入
2016/2/20読了 -
私の知的好奇心を充分に満足させていただき、ほんとうに有難うございます。七人どころか生涯の友であった漱石と子規が同じ年に生まれたことも露知らず、漱石フリークを気取っていたことが恥ずかしい。著者あとがきで「本当に面白いのは明治二十年代半ばまで」と述べる通り、その頃の文学史(文化史)をテーマにしているので、若くして成功した紅葉や露伴の話が多くなっている。子規もいろいろと活躍するのだが、漱石との絡みをもっと示してほしかった。それ以上に願わくば、夏目漱石を中心とした人間タペストリーを著してもらいたい。
-
あぁ、なんで日清戦争前夜までなのだろう。旋毛曲りの7人の、それぞれの
終焉までを描いて欲しかった。
でも、明治35年に最初に世を去った子規から、昭和30年まで長生きした
外骨までを描いたら、怖ろしい巻数になりそうだけれど。笑。
明治時代と言えば遠い昔なのだが、そんなことを感じさせないくらいに
7人の生きた世相を描いた本書は読み終わるのが惜しいくらいに面白い。
7者7様、時にその道は交わり、時にすれ違い、時に離れ。近代日本の
夜明けの時代の青春がぎゅっと詰まっている。
ただし、明治文学の基礎知識がないと混乱するかも知れぬ。ある程度、
7人それぞれの来歴を知ってから読むのがいい。
今では高層マンションが建つ東京・石川島もこの頃は監獄だったんだよ
なぁ。外骨先生、収監されても監獄で本を出版しようとしているし。笑。
また、7人を取り巻く人々も、坪内逍遥、二葉亭四迷、淡島寒月、森鴎外、
泉鏡花等々、オールスター揃い踏みだ。
尚、漱石書簡集でも読んだが、漱石が親友・子規に宛てた手紙が大好きだ。
その子規が亡くなった時、漱石はロンドンにいたんだよなぁ。しみじみ。 -
えーとこの著者もこの中の誰かの親族だったね?最近多いねそういうの。
この7人が同い年だったんだ。へぇ。露伴は露を伴って寝る、つまり野宿してた時が元の筆名か。へぇぇ。漱石と子規は仲良し過ぎ。そして子規は小説で一山当てようとしてたんだ。へぇぇ。
一個一個はへぇって感じだけど全体としてはだからどうしたといいたくなる。
てかね、この先が気になるのにここで終わってしまうのね。
著者プロフィール
坪内祐三の作品





