音楽 新潮文庫

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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101228037

感想・レビュー・書評

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  • 【訃報】小澤征爾(総監督)逝去について | OMFニュース | セイジ・オザワ 松本フェスティバル
    https://www.ozawa-festival.com/news/2024/02/10/190000.html

    小澤征爾さん死去でカリスマ失い、節目のOMF SKOの「魂」継承信じて|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト(024/02/12 有料会員記事)
    https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2024021100614

    『音楽 新潮文庫』|感想・レビュー - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/19139

    小澤征爾、武満徹 『音楽』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/122803/

  • 二人の対談が文字起こしされている本。
    音声で聴きたいなと思った。音楽を第一人者として牽引されてきた熱量が伝わってきます。

  • セルフ小澤征爾追悼月間、2冊目は武満徹との対談。1981年ということで、村上春樹との対談は2011年、次に読む大江健三郎との対談は2001年らしいので、かりてきた本の中では一番古い。
    武満徹の話しているところは初めて読んだし、二人はこんな感じな関係だったんだな。

    ・そう、ピーターもポリーニも自分の音をいつくしんでいる(p.54/武満)
    ・僕も音楽の本質は公約数的なものではなく非常に個人的なもので成り立っているというんだよ。…それが音楽のいいとこなんだ。音楽界へ行って三千人すわっていても、その三千という数が問題なのではなく、一人ひとりとの関係が重要なんだよ。仮りに僕がチェロのソリストだとするでしょう。ロストロポーヴィチとするでしょう、僕が。バッハを弾く。すると演奏会場の三千人の人の一人ひとりと僕、ロストロポーヴィチとの関係になるわけでしょう。全くそこに個人的な関係が成立してくる。(p.70/小澤)
    ・…だけどね、さっきも言ったように、最も素朴でいいものだよね。僕はそうじゃなければ音楽の役割はなんにもないと思うな。政治とか科学とかがすごく極端に進んできているときに、時どきそれを引き戻すのが、音楽の役割だと思うよ。…歌を歌うとかさ、そういうことが大事だってもう一度思い出さなきゃ。それと、小澤さんがさっきから言っていられることで大事なのは、音楽が非常にパーソナルな、個人的なものだ、一人ひとりの人間に一人ひとりの音楽があるということだからさ。(p.74/武満)

    ・…おれが「日本」と言って愛しているものはいったい何か?とね。そうすると、それはね、結局、帰巣本能みたいなものだろうね。それは多分、僕が子供のころからなじんできた習慣で合ったり、文化的伝統であったり、感受性であったり、友人たちであったりするものの総体だと思うんだよ。だからいわゆる国粋主義ではないんだよ。…日本国でも、歴史上、幾多の政治権力が交代してきた。しかしみそ汁はあまり変わってないし、四季の変遷も変ってないのね。それが日本人の血というものだと思うんだ。だから、僕の日本に対する愛は、みそ汁に対する愛国心みたいなものだよ。(p.190/小澤)

    ・…音楽家でないにしても文化人だよ。そういう日本で一応芸術を理解している人が、アメリカやドイツにきて芸術を批評するときに実に単純な民族主義者、愛国主義者になるか、全面的敗北主義者、西欧文明の絶対崇拝者に豹変するんだな。…彼らは、ブロードウェイのなかにも玉と石が百以上もあって、ドイツ音楽の伝統にもいいものと悪いものがあるということを見極める訓練に欠けているよ。それはおそらく、日本固有の《国境のイメージ》に関係があるんだろうし、芸術家の自由さ、音楽家の自由さとも関係するんだろうね。(p.193/小澤)

    小澤も武満も海外に戻ると「ほっとする」、自分らしく過ごせるということを書いていて、めちゃくちゃわかるが、この二人でさえ・この時代でさえそうだったんだなと不思議な感覚だった…。
    途中で出てきた、横文字多用の小説家、もしかすると村上春樹…?笑

  • 「音楽」というタイトルの割には、その周辺の話が多く、音楽そのものの話は少ない印象でした。とはいえ、巨匠二人の対談は、時代が変わっても、普遍的な重みがあるように感じました。深い内容です。

  • 一流の二人が、日本の音楽界での愛や情熱の不足を嘆いている点が印象的だった。一方、対談からは二人の音楽への情熱がとても伝わってきて、一流になるためには技術だけでなく、情熱もすごく大事なのだと改めて実感した。

  • 積読本にやっと手を伸ばしたと思ったら、夢中で一気読み。
    個人的に人生の教科書と相成りました。

    私が生まれたころに発行された本書。
    何でもっと早く読まなかったんだ!!学生時代に読んでおきたかった。こういう本こそ学校の推薦図書にして!笑

    とは言え、出会った時がタイミング。今だから存分に吸収出来たのかも。

    世界を代表する音楽家たちの、歯に物着せぬ対談が、頼もしくもあり、耳が痛くもあり、日本の芸術教育や学ぶ者の姿勢を考えさせられ、何より「音楽」への愛情が会話の隅から隅まで溢れておりました。

    今後きっと何度も読み返したくなる本。

  • 2019/04/15 読み終わった。
    小澤征爾と武満徹の対談。音楽と人生を真正面からぶつけている人たちの話は、刺激的だ。

  • 再読。1回目は10年くらい前だけど、その時よりだいぶさくっと読めた。
    78.79年の頃の対談なので、さすがに現状と違うところと多いのだろうけど、今読んでも思わずメモってしまうようなところがたくさん。
    小澤征爾の本は、音楽武者修行、村上春樹との対談と3冊読んだけどどれも面白いのでほかに有れば見てみようかと思う。
    武満徹は肝心の音楽が僕にはよくわからんので、そこからもう一度聴いてみたい。

  • 音楽についての話だけれど、その他の分野のこと、全般的なことに応用もできる。音楽のトップシーンを走っている二人の対話から本質的な課題はなにかが透けてくる。

  •  33年も前の本だが、今もって新鮮な対談集。両氏が当時から憂えた日本の音楽事情は、今もって解決には遠い状況なのかもしれない。一方、多くの演奏家が世界的に活躍している現状もある。武満氏は天国で、今の音楽界をどのように見るか?小澤先生は?と、興味の尽きないテーマでの対談であった。

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